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2024年07月27日(土)05時30分

NY外為市況=153円台に再び下落

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  153.76 - 0.18 (- 0.12%) 154.74 / 153.15
ユーロ・ドル 1.0857 + 0.0011 (+ 0.10%) 1.0868 / 1.0842
ポンド・ドル 1.2874 + 0.0023 (+ 0.18%) 1.2878 / 1.2850
ドル・スイス 0.8834 + 0.0017 (+ 0.19%) 0.8844 / 0.8803
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<きょうの材料>
*PCEデフレータ(6月)21:30
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 2.5%
予想 2.4% 前回 2.6%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.1%(コア・前月比)
結果 2.6%
予想 2.5% 前回 2.6%(コア・前年比)
*個人所得(6月)21:30
結果 0.2%
予想 0.4% 前回 0.4%(0.5%から修正)(前月比)
*個人支出
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.4%(0.2%から修正)(前月比)
*ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(7月)23:00
結果 66.4
予想 66.0 速報 66.0
*シュナーベルECB専務理事
・ECBの利下げのペースと程度はデータ次第。
・運賃、保護主義がインフレを促進する可能性。
・いくつかのデータは予測通りではなかった。
・ECBは粘り強いサービス価格を注視。
・サービスインフレは特に粘着性があることが判明。
・最初の引き下げが自動的に一連の引き下げにつながるわけではない。
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<明日の材料と事前予想>
特に目立った経済指標の発表はなし
日米防衛相会談
日米豪印外相会合
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 きょうのNY為替市場でドル円は再び売りに押され、一時153円台前半まで下落す
る場面が見られた。前日までの急激な円買い戻しは後退し、ドル円は一時154円台に
戻していたが、FRBが重要視するインフレ指標である6月のPCEデフレータが、予
想通りにインフレの落ち着きを示す内容となった。個人支出も公表され、底堅い個人消
費が示され、市場は9月のFRBの利下げ期待を変えていない。
 目先の戻りターゲットは155円と思われるが、その水準を回復できなければ、15
1円台半ばに来ている200日線を再び視野に入れそうな雰囲気は依然続いている。い
ずれにしろ、来週の重要イベント待ちといったところもありそうだ。来週はFOMC、
日銀決定会合、そして米雇用統計が予定されている。今回は特に日銀にスポットが当た
っている模様。
 国債購入については、前回の決定会合での言及通りに減額計画を発表してくるものと
思われる。向こう数年で購入額を半減させる計画を公表するとの観測も伝わっている。
むしろ注目は、利上げの有無であろう。利上げ自体は議論すると思われるが、果たして
今回打ち出してくるかは未知数。エコノミストの間では利上げを発表との見方はいまの
ところ少数派となっている。
 本日は7月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、生鮮・
エネルギーを除いたコアコア指数は前年比1.5%とインフレの落ち着きが示されてい
たことや、サービス価格も前年比0.5%と前回から鈍化していた。日銀が急いで利上
げをしなければならない状況ではなさそうだ。
 ただ、今回は利上げを見送ったとしても、次回9月実施の可能性を示唆してくる可能
性は十分にありそうだ。その場合、教科書的には円高シナリオなのかもしれないが、前
日までの急激な円買い戻しは、それらのシナリオを織り込んでの動きで、過度な円ショ
ートポジションは解消されているようにも思われる。
 ユーロドルはNY時間にかけてやや買い戻しが見られ、一時1.0870ドル近辺ま
で上昇する場面が見られた。ただ、全体的に動意薄の展開で、1.08ドル台での推移
が続いている。先週のECB理事会後からの下げは一服しているものの、買い戻しを強
める気配までは見られておらず、次の展開を探る動きが続いている。
 本日はECBが月例調査を公表していたが、今後12カ月間の物価上昇率は2.8%
と見込まれた。3年先の予想インフレも2.3%と前月と同じ。消費者のインフレ期待
も前月から変わらずとなり、1月から続いた鈍化見通しが止まった。ECBの2%目標
達成にはまだ壁があることが改めて示されている。
 ポンドドルは底堅い値動きとなったものの、1.28ドル台での狭い範囲での推移が
続いた。来週に重要イベントを控える中で、方向感を出せないでいたようだ。来週は英
中銀も金融政策委員会(MPC)を予定している。利下げの有無で市場は見方が完全に
分かれており、確率は五分五分で見ている状況。
 英大手銀のエコノミストからは、来週の会合で英中銀は0.25%ポイントの利下げ
を実施し、政策金利を5.00%にすると予想しているが、委員の採決は5対4の僅差
になるとの見方が出ている。4人の委員が据え置きを主張し、5人が利下げに賛成する
というぎりぎりの採決になると予想している。
 今回利下げを実施したとしても、それは利下げサイクルへの移行というよりも、あく
までこれまでの引き締め政策の縮小という位置づけになるという。
MINKABU PRESS