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2024年09月07日(土)05時38分

NY外為市況=一時141円台に下落

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  142.36 - 1.09 (- 0.76%) 144.01 / 141.78
ユーロ・ドル 1.1086 - 0.0025 (- 0.23%) 1.1155 / 1.1066
ポンド・ドル 1.3130 - 0.0050 (- 0.38%) 1.3238 / 1.3110
ドル・スイス 0.8435 - 0.0005 (- 0.06%) 0.8476 / 0.8375
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*非農業部門雇用者数(NFP)(8月)21:30
結果 14.2万人
予想 16.5万人 前回 8.9万人(11.4万人から修正)(前月比)
*失業率
結果 4.2%
予想 4.2% 前回 4.3%
*平均時給
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 3.8%
予想 3.7% 前回 3.6%(前年比)
【カナダ】
*雇用者数増減(8月)21:30
結果 2.21万人
予想 2.70万人 前回 -0.28万人(前月比)
*失業率
結果 6.6%
予想 6.5% 前回 6.4%
*ウィリアムズNY連銀総裁
・これで利下げが適切になった。
・労働市場がインフレ圧力を高める可能性は低い。
・雇用とインフレ目標のリスクは均衡状態。
・政策は時間をかけてより中立的な設定に向かう可能性。
・24年のPCEインフレは2.25%程度、25年は2%に接近と予想
・2%への持続可能なインフレ経路に自信深める
・この日のデータは減速する経済や雇用市場と整合。
・最新の雇用データをより詳しく見てみたい。
・労働市場の均衡を維持したい。
・経済の供給面では依然として大きな追い風。
*ウォラーFRB理事
 今月のFOMCで利下げを開始することが重要。
・大幅利下げの可能性についてはオープンマインド。
・適切であればそうした利下げを提唱する。
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<月曜日の材料と事前予想>
【日本】
実質GDP2次速報値(第2四半期)08:50
予想 0.8% 前回 0.8%(前期比)
予想 3.2% 前回 3.1%(前期比年率)
GDPデフレータ
予想 3.0% 前回 3.0%(前年比)
【中国】
生産者物価指数(PPI)(8月)10:30
予想 -1.5% 前回 -0.8%(前年比)
消費者物価指数(CPI)(8月)10:30
予想 0.7% 前回 0.5%(前年比)
【米国】
卸売在庫(確報値)(7月)23:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
NY連銀インフレ期待(8月)
アップルが製品発表イベント開催
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 きょうのNY為替市場でドル円は激しく上下動しつつ下値模索を続け、一時141円
台まで下落する場面も見られた。きょうは8月の米雇用統計が発表になっていたが、非
農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、6月、7月分も下方修正されるなど米労
働市場の冷え込みを示していた。
 今月のFOMCでの大幅利下げ観測が一時強まり、ドル円も141円台に下落したも
のの、8月初めとは違い市場全体が比較的着いた反応を見せていたことからドル円も1
43円台まで急速に買い戻されていた。
 しかし、今度は米株式市場の調整色が強まったことでドル円は再び一時141円台に
下落。本日の米雇用統計への反応というよりも、景気減速への警戒感からのポジション
調整といった株安・円高の動きが見られている。
 今月のFOMCについては、来週の米消費者物価指数(CPI)次第だが、0.2
5%ポイントの通常利下げとの見方が多いようだ。しかし、FRBは利下げのペースは
速めるのではとの見方も多い。
 そのような中で、ドル円のショートを推奨する声も出ている。下値ターゲットは13
7.30円とし、ストップロスは147.25円だという。最近の雇用低迷は、さらな
る利下げが必要となるのは時間の問題であるという見解を裏付けるもだと述べている。
日銀とFRBの政策の乖離が縮小し、ドル円のさらなる調整を促すと述べ、日銀は12
月に利上げを実施し、早ければ10月にも実施される可能性があるとも付け加えた。
 ユーロドルは上下動したものの全体的には方向感のない展開となっている。21日線
が1.1070ドル付近に来ているが、その上の水準は維持しており、上向きのトレン
ドは堅持している。来週はECB理事会が開催されるが、エコノミストからはECBは
ユーロの主要な牽引役とはなりそうもないとの指摘が出ている。ECBは9月12日の
理事会で再び金利を引き下げ、その後も四半期ごとに追加利下げを行う可能性がある。
ただ、そのことがユーロ相場に大きな影響を与えることはないという。ECBはユーロ
ドルの大きな、あるいは持続的な牽引役となる可能性は低いと述べている。
 G10の中銀の中でも、特にECBは理事の意向が事前に十分伝達されていることを
踏まえると、市場はECBの金利見通しに最も誤った価格設定をしているようにも見え
ると指摘した。ECBは来週の理事会で予告通りに0.25%ポイント引き下げる可能
性が高い。また、今後のデータに柔軟に対応しながら、四半期ごとの利下げの準備を進
めて行くと見ているようだ。
 ポンドドルも上下動させながら、下値を切り下げる展開。米雇用統計を受けて一旦
1.32ドル台半ばに上昇したものの直ぐに戻り売りに押され、1.31ドル台前半ま
で下落する場面も見られた。上向きのトレンドに変化はないものの、次第に上値が重く
なって来ている印象も垣間見られる。
 英中銀は9月19日に金融政策委員会(MPC)を開催し、金利据え置きが有力視さ
れているが、政策委員による投票が僅差となった場合、ポンドは下落の反応を示すとの
見方が出ている。金利据え置きを支持する委員と利下げを支持する委員がほぼ同数とな
った場合、それは今後より積極的な利下げが行われる可能性を示唆し、特に最近のポン
ドの好調なパフォーマンスを考慮すると、ポンドは売られ易いという。
 英中銀は8月に5対4の僅差で利下げを決定したが、今回は連続利下げの可能性はほ
とんどないと見られており、それまでに発表される英データが悪化したとしても、その
見方は変わらないとも指摘している。
MINKABU PRESS