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2025年07月12日(土)05時30分

NY外為市況=147円台に上昇

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.39 + 1.13 (+ 0.77%) 147.52 / 146.14
ユーロ・ドル 1.1682 - 0.0019 (- 0.16%) 1.1714 / 1.1665
ポンド・ドル 1.3488 - 0.0091 (- 0.67%) 1.3586 / 1.3481
ドル・スイス 0.7971 0.0000 ( 0.00%) 0.7982 / 0.7954
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<きょうの材料>
【カナダ】
*雇用者数増減(6月)21:30
結果 8.31万人
予想 -0.3万人 前回 0.88万人(前月比)
*失業率
結果 6.9%
予想 7.1% 前回 7.0%
*トランプ大統領
・ブラジルとはいずれかの時点で話す可能性。
・カナダへの例外措置の有無は「様子を見よう」。
・昨日カナダから電話があった。
・関税はかなり好意的に受け止められたと思う。
・パウエル議長の解任の問いに「しない」と回答。
・パウエルはひどい仕事をしている。
・金利はあと3ポイントは低くあるべき。
*今会計年度の米関税収入、初めて1000億ドルを突破
 トランプ政権による関税引き上げを反映し、今会計年度の米国の関税収入が初めて1
000億ドルを突破した。6月の関税収入は270億ドルで、これにより会計年度開始
からの累計は1130億ドルに達した。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・新たな関税の脅しは利下げ遅らせかねない。
・FRBの指導者たちは政治的影響を排除するだろう。
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<月曜日の材料と事前予想>
【日本】
機械受注(5月)08:50
予想 -1.5% 前回 -9.1%(前月比)
予想 5.5% 前回 6.6%(前年比)
鉱工業生産(確報値)(5月)13:30
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
予想 -1.8% 前回 -1.8%(前年比)
設備稼働率
予想 N/A 前回 1.3%(前月比)
【中国】
貿易収支(ドル建て)(6月)11:00
予想 1120.0億ドル 前回 1032.2億ドル
日銀「生活意識に関するアンケート調査」
EU外相理事会(通商)EU米国・EU中国の貿易関係について協議
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 きょうのNY為替市場、ドル円は147円台半ばまで上げ幅を拡大した。本日145
円台後半に来ている100日線できっちりとサポートされており、反転の兆しを強めて
いる。6月高値の148円ちょうど付近が次の上値抵抗として意識され、これを上抜け
れば200日線に向けた上昇余地が広がる。
 関税に関するトランプ大統領の強硬姿勢は続いており、今度はカナダに35%関税率
を通知したほか、EUにも新たな関税率を通知する書簡を今週中にも通知する予定。こ
れに対して為替市場はドル高の反応を見せている。関税強化は米インフレを上昇させ、
FRBの早期利下げ期待を後退させると見られている。FRBは6月以降、関税の影響
がインフレに出ると予測している。来週は6月米消費者物価指数(CPI)が発表にな
るが、前回よりも高めの数字が予想されているようだ。
 むしろ、円安の方が目立っていた印象もあった。円は主要通貨の中で対ドルで最も弱
い通貨となっている。参院選で自公の苦戦が伝えられており、政治情勢の流動化を嫌っ
ている模様。外貨準備が第1四半期に、過去に例のない規模で円からスイスフランへシ
フトしているとのIMFのレポートも出ていた。
 日銀の利上げ期待後退や財政、そして米国との貿易交渉が早期にまとまらないのでは
との不安が安全資産としての円の魅力を低下させているといった説明も聞かれる。もっ
とも、積み上がった円ロングのポジション調整が最大要因とも思われる。
 ユーロドルは1.16ドル台後半での膠着した展開。本日の為替市場はドル高が優勢
となり、ユーロドルも上値が重かったものの、対ポンド、円では上昇するなど底堅さは
堅持している。エコノミストからは、ユーロの底堅い推移にもかかわらず、ECBは利
下げへの慎重姿勢を維持する可能性が高いと述べている。ユーロ高でインフレがECB
の目標である2%を下回る可能性が生じるものの、金融政策にはよく知られているタイ
ムラグがあるため、ECBは為替変動をあまり重視しない可能性があるという。
 さらに、貿易加重ベースではユーロの上昇は比較的控えめだとも述べている。ECB
の6月理事会の議事要旨でも、ユーロ圏企業は利益圧迫に直面しており、企業はユーロ
高によるメリットを価格に還元するのではなく、自社の利益回復に充てる可能性がある
とされている。一方、欧州の財政刺激策が緩和されれば、ユーロ高がもたらす物価下押
し圧力を相殺する可能性があるとも指摘した。
 ポンドドルは売りが加速し、1.34ドル台に下落。本日の下げで21日線を下放れ
しており、来週以降の動きが注目される。この日発表の5月の英月次GDPが予想外の
マイナス成長となったことがポンドを圧迫。前月比0.1%低下と2カ月連続のマイナ
ス成長となり、第2四半期の英経済はマイナス成長が濃厚となって来ている。
 エコノミストは、今回の弱い英GDPにより、英中銀が8月利下げに踏み切る可能性
が高まったと指摘。世界経済の減速や英企業に対する増税といった持続的な重しによ
り、今年の英GDPは1%成長に留まるとも予測している。
MINKABU PRESS