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2025年08月12日(火)05時30分

NY外為市況=148円台に上昇

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.13 + 0.39 (+ 0.26%) 148.25 / 147.35
ユーロ・ドル 1.1617 - 0.0024 (- 0.21%) 1.1676 / 1.1590
ポンド・ドル 1.3435 - 0.0017 (- 0.13%) 1.3477 / 1.3400
ドル・スイス 0.8120 + 0.0037 (+ 0.46%) 0.8132 / 0.8061
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<きょうの材料>
主な発表はなし
*トランプ大統領、対中高関税の再発動を90日間延長 大統領令に署名
 トランプ大統領は中国製品に対する高関税の再発動をさらに90日間延期する大統領
令に署名した。米CNBCがホワイトハウス高官の話として伝えた。
*トランプ大統領、「金には関税を課さない」と明言
 トランプ大統領は「金には関税を課さない」と述べた。自身のSNSに投稿した。
*トランプ大統領、首都ワシントンの高犯罪率を理由に州兵派遣へ
 トランプ大統領は、米首都ワシントンDCの犯罪抑止に向け、DCの州兵を派遣し、
首都警察(DCメトロポリタン警察)を連邦政府の直接管理下に置くと発表した。ホワ
イトハウスで記者団に語った。
*ホワイトハウス
 ホワイトハウスはこの秋にも次期FRB議長候補を発表すると伝わった。ベッセント
財務長官が人選を主導しているが、候補には、ハセット米国家経済会議(NEC)委員
長、ウォーラーFRB理事、経済学者のサマーリン氏、そしてウォルシュ元FRB理事
やブラード・前セントルイス連銀総裁の名前が既に挙がっている。その他、ジェファー
ソン副議長、ボウマン副議長(金融監督担当)のほか、ローガン・ダラス連銀総裁の名
前も挙がっているという。
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<月曜日の材料と事前予想>
【豪州】
中銀政策金利(8月)13:30
予想 3.60% 前回 3.85%
四半期経済見通し、ブロック豪中銀総裁会見
【英国】
ILO失業率(6月)15:00
予想 4.7% 前回 4.7%
週平均賃金(賞与除く)
予想 5.0% 前回 5.0%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(8月)18:00
予想 42.6 前回 52.7
【米国】
消費者物価指数(CPI)(7月)21:30
予想 0.2% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.8% 前回 2.7%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.2%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
予想 3.0% 前回 2.9%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(6月)21:30
予想 -4.0% 前回 12.0%(前月比)
バーキン・リッチモンド連銀総裁がイベント出席(質疑応答あり)
OPEC月報
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 きょうのNY為替市場、ドル円はじり高の展開を続けており、148円台を回復し
た。本日の為替市場はドル高の動きが優勢となり、ドル円も買い戻しが出ている。慎重
ではあるが、148円台での売り物をこなしていたようだ。特段のドル買い材料は見当
たらないが、明日の米消費者物価指数(CPI)を前にした調整が出ている模様。
 明日の7月分の米CPIはコア指数で前月比0.3%、前年比3.0%が見込まれて
おり、6月分に引き続き関税の影響から、前回よりも高めの数字が予想されている。予
想を上回る内容だった場合、今月の米雇用統計を受けて再度高まったFRBの早期利下
げ期待に何らかの変化が出るリスクを警戒している模様。
 ストラテジストはレポートで、今週の米インフレ指標が今週のドル相場の行方を左右
する重要材料になると指摘。想定以上に高めの数字が出れば、FRBの利下げ観測を変
動させる可能性があるという。「インフレが予想を下回れば利下げ期待が高まり、最近
のドル安が一段と進む可能性がある一方、インフレが予想以上に上昇すればFRBの姿
勢に不透明感を与え、米国債利回りを支える可能性がある」という。その場合、ドルは
短期的に反発する展開もあり得ると述べている。
 ユーロドルは売りが優勢となり、1.15ドル台に下落する場面も見られた。きょう
の下げで再び21日線を下回っており、中期的な上向きの流れは堅持しているものの、
上値が重い不安定な値動きも見られている状況。
 トランプ大統領とプーチン大統領が金曜日にアラスカで首脳会談を行う。ウクライナ
紛争を巡る協議で市場の一部では和平への期待も出ているようだが、内容次第ではユー
ロ相場に影響を与える可能性があるとの指摘も出ている。
 一部からは「今後数週間以内に停戦が実現すれば、ユーロは主にドル、円、スイスフ
ランに対して堅調に推移する可能性が高い」との見方も出ている。ただし、停戦期待を
背景に原油価格も8月に入って下落しているが、会談はなお不透明で、最近はG10通
貨がウクライナ情勢への感応度を低下させており、ユーロへの影響は限定的となる可能
性も留意されるとも付け加えた。
 ポンドドルも1.34ドルちょうど付近に下落する場面が見られた。本日の21日線
がその付近に来ており、水準は維持されている格好。
 先週の英中銀の金融政策委員会(MPC)を受けてエコノミストは、最新の決定は今
後の政策経路の見直しに繋がる可能性があると指摘している。インフレ上昇と弱い労働
市場のトレードオフにより、政策経路を巡る不確実性が高まっているという。委員内の
分裂は、今回の4対4対1の票割れにより深まっており、まとまりが従来よりも弱まっ
ているとの印象を与えたと述べている。
 なお、同エコノミストは現在、今年の利下げ回数を従来予想の2回から1回に減ら
し、次回は11月の利下げを予想している。12月に先送りされるリスクもあるとい
う。その後は2026年第2四半期まで四半期ごとに利下げが行われ、今回の利下げサ
イクルのターミナルレート(最終到達点)は3.25%になると見ているようだ。
MINKABU PRESS