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2025年08月22日(金)05時31分

NY外為市況=148円台を回復

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.36 + 1.03 (+ 0.70%) 148.41 / 147.26
ユーロ・ドル 1.1606 - 0.0046 (- 0.39%) 1.1663 / 1.1601
ポンド・ドル 1.3414 - 0.0043 (- 0.32%) 1.3483 / 1.3406
ドル・スイス 0.8089 + 0.0048 (+ 0.60%) 0.8091 / 0.8035
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<きょうの材料>
※経済指標
*フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月)21:30
結果 -0.3
予想 6.5 前回 15.9
*米新規失業保険申請件数(8月16日週)21:30
結果 23.5万人
予想 22.5万人 前回 22.4万人
*米製造業PMI(8月・速報)22:45
結果 53.3
予想 49.7 前回 49.8
*米非製造業PMI(8月・速報)22:45
結果 55.4
予想 54.2 前回 55.7
*米コンポジットPMI(8月・速報)22:45
結果 55.4
予想 53.5 前回 55.1
*米中古住宅販売件数(年率)(7月)23:00
結果 401万件
予想 392万件 前回 393万件
*米景気先行指数(7月)23:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.3%(前月比)
※発言・ニュース
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・年内1回の利下げが依然自身の見通し。
・今年のGDPは相対的に鈍化を見込む。
・来年には政策を中立に近づけることが可能。
・現在の政策は僅かに緊縮的だと考えている。
・雇用動向は潜在的に懸念される状況。
・FRBが動く際は一貫した方向で動くべき。
*米司法省高官、パウエル議長にクック理事を理事から外すよう勧告
 住宅ローンの不正借入の問題が浮上しているFRBのクック理事に関して、米司法省
高官のエド・マーティン氏が、クック理事の住宅ローンに関する調査開始をパウエル議
長に書簡で伝えるとともに、クック理事を理事から外すよう勧告した。一方、クック理
事の刑事告発にはさらなる調査が必要とも述べている。
*EUと米国 、貿易協定の概要を示す共同声明で合意
 米国とEUは21日、貿易協定の概要を示す共同声明で合意した。貿易協定の正式化
が一段と進み、数週間以内にも欧州の自動車に対する関税引き下げをもたらし得る計画
について詳細が明らかになった。また、鉄鋼とアルミニウムに関しても、新たな関税引
き下げの可能性が開かれる見通し。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
GfK消費者信頼感調査(8月)08:01
予想 -19 前回 -19
【日本】
消費者物価指数(7月)08:30
予想 3.1% 前回 3.3%(前年比)
予想 3.0% 前回 3.3%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ実質GDP(確報値)(第2四半期)15:00
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前期比)
予想 0.4% 前回 0.4%(前年比)
予想 0.0% 前回 0.0%(季調前・前年比)
【カナダ】
小売売上高(6月)21:30
予想 1.5% 前回 -1.1%(前月比)
予想 1.1% 前回 -0.2%(コア・前月比)
ECBユーロ圏妥結賃金(第2四半期)
パウエルFRB議長、ジャクソンホール会議「経済見通しとFRB枠組みの見直し」講演(日
本時間23時)
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 きょうのNY為替市場はドル高が優勢となり、ドル円は148円台を回復。この日発
表の米経済指標が予想を上回る内容となったことがドル高の背景。
 特に8月調査の米PMI速報値が強い内容となったことから、短期金融市場では、明
日のパウエル議長の講演を前に、利下げ期待を後退させている。9月FOMCでの利下
げ期待の確率は指標発表前の80%程度から73%程度まで低下。また、年内の利下げ
も2回を完全に織り込めないでいる。
 明日のパウエル議長の講演は市場が期待しているほど、早期の追加利下げを許容する
内容にはならないのではとの見方もある中、本日の為替市場はポジション調整が出てい
たようだ。ドル円はストップを巻き込む形で一時148.40円近辺まで上昇。
 米司法省の高官がクックFRB理事の不正住宅ローン借入疑惑で調査を開始したこと
をパウエル議長に書簡で伝えるとともに、クックFRB理事を理事会から外し、辞任促
すよう要求。それを受けてドル円は伸び悩む場面もあったが、終盤にかけて買い戻しの
動きを続けていた。
 ユーロドルは戻り売りが続き、1.16ドルちょうど付近まで値を落とす展開。本日
の下げで21日線を下回る動きが見られ、明日のパウエル議長の講演を受けた反応が警
戒される。
 この日は8月調査分のユーロ圏PMI速報値が発表になっていたが、予想を上回る内
容となっていた。エコノミストからは「米国の関税や全般的な不透明感といった逆風に
も関わらず、ユーロ圏の企業は比較的うまく対応できているようだ」とのコメントも出
ていた。
 今回の結果は、貿易やウクライナ戦争といった逆風に対する欧州の回復力を示すもの
で、利下げを急ぐ必要はないとしているECB当局者の主張を後押ししそうだ。ただ、
ユーロの反応は一時的。
 ポンドドルも戻り売りが続き、1.34ドル台前半に下落。本日の下げで21日線と
100日線を下回る動きが見られ、こちらも明日のパウエル議長の講演を受けた反応が
警戒される。
 アナリストは、英国の厳しい財政見通しを背景に、ポンドは中期的に下落する可能性
があると指摘している。増税が迫っており、成長鈍化と伴にポンドの一段安は避けられ
ないという。ただし、ポンド安は緩やかなものになる可能性が高く、そのためポンドロ
ングの投資家は非常に忍耐強く待つか、投機筋がポンドのショートを手仕舞う局面を利
用して、より良い参入水準を探る必要があるとも付け加えた。
MINKABU PRESS