経済ニュース

<< 一覧に戻る

2025年09月03日(水)05時35分

NY外為市況=ドル高が強まる

--------------------------------------
日本時間午前5時35分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.39 + 1.21 (+ 0.82%) 148.94 / 147.05
ユーロ・ドル 1.1640 - 0.0071 (- 0.61%) 1.1718 / 1.1613
ポンド・ドル 1.3393 - 0.0152 (- 1.12%) 1.3549 / 1.3340
ドル・スイス 0.8047 + 0.0042 (+ 0.52%) 0.8061 / 0.8000
------------------------------------
<きょうの材料>
*米製造業PMI(8月・確報)22:45
結果 53.0
予想 53.3 前回 53.3
*ISM製造業景気指数(8月)23:00
結果 48.7
予想 49.0 前回 48.0
*米建設支出(7月)23:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.4%(前月比)
*トランプ大統領
 トランプ大統領はスコット・ジェニングス氏のラジオ番組に出演し、金曜日に出され
た自身の関税に不利な裁判所の判決が、きょうの米国株の下落を招いていると非難。こ
の裁判所の判断が生んだ不確実性について不満を述べた。大統領は控訴すると表明して
いる。
*トランプ大統領のLA派兵、米連邦裁が違法と判断
 トランプ大統領が西部カリフォルニア州ロサンゼルスに州兵を派遣した件を巡り、連
邦裁判所は2日、違法とする判断を下した。トランプ大統領の移民政策を執行させるた
めの派兵は、連邦議会の承認がない限りは米国内での法執行への米軍利用を禁じた18
78年の法律違反に当たるとする州側の主張を認めた。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【豪州】
GDP(第2四半期)10:30
予想 0.4% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.5% 前回 1.3%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI(確報値)(8月)16:55
予想 50.1 前回 50.1
ユーロ圏サービス業PMI(確報値)(8月)17:00
予想 50.7 前回 50.7
ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(7月)18:00
予想 0.1% 前回 0.8%(前月比)
予想 -0.2% 前回 0.6%(前年比)
【英国】
サービス業PMI(確報値)(8月)17:30
予想 53.6 前回 53.6
【米国】
JOLTS求人件数(7月)23:00
予想 737.0万人 前回 743.7万人
製造業新規受注(7月)23:00
予想 -1.6% 前回 -4.8%(前月比)
耐久財受注(確報値)(7月)23:00
予想 -2.8% 前回 -2.8%(前月比)
予想 1.1% 前回 1.1%(輸送除くコア・前月比)
米自動車販売(8月)
ラガルドECB総裁、欧州システミックリスク理事会(ESRB)会議出席
東方経済フォーラム(ロシア、6日まで)
中国「抗日戦争勝利80年」軍事パレード、最新兵器披露 プーチン大統領や金正恩総書
記、イラン大統領ら出席
-----------------------------------
ドル高が強まる ドル円も一時149円付近まで上昇 関税への不透明感で利回り上昇
=NY為替概況
 きょうのNY為替市場、ドル高が強まり、ドル円も一時149円付近まで上昇する場
面が見られた。ロンドン時間に森山幹事長が辞意を表明とのニュースが流れ、円安が進
む場面が見られた。石破政権が崩壊なら、次の首相は積極財政派の人物がなる可能性も
あり、日銀の利上げへのプレッシャーも増すとの思惑から円安シナリオという見方があ
るようだ。
 ただ、基本的にはドル高がドル円を押し上げている。米国債利回りが上昇しており、
ドルをサポート。米連邦控訴裁判所が金曜日に「トランプ大統領の包括的な対外関税の
大半は違法」と判断したことが市場に再び不透明感を与えている。同裁判所は7対4の
判決で「広範な課税権限は議会にのみある」と結論づけたことが要因となっている模
様。
 米国債利回りの上昇については、もし、裁判所の判決通りになった場合、米国が関税
収入で得た数十億ドルを返還しなければならない可能性を懸念している。すでに逼迫し
た財政状況をさらに悪化させるとの見方が利回りを押し上げているようだ。
 今週は金曜日の米雇用統計を始め、重要指標が目白押しで、FRBの利下げ期待に何
らかの変化が出るのではとの警戒感も出ている模様。現在、短期金融市場では、ほぼ9
0%の確率で9月の利上げを織り込んでいる状況。
 ユーロドルは売りが強まり、一時1.16ドル台前半まで下落。きょうの下げで21
日線を下回り、明日以降の動きが警戒される。一方、ユーロ円はドル円の上昇もあり、
173円台まで一時上昇。21日線を上放れる展開が見られており、172円付近のレ
ンジ相場から抜け出せるか注目される。
 この日は8月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)が発表になっていたが、これ
についてエコノミストは「8月のインフレデータで最も重要なのは、全体のインフレは
やや上昇した一方で、サービスインフレが僅かに低下した点だ」と指摘。サービス価格
のインフレは、4月の4.0%から低下傾向を続け、7月の3.2%から8月には3.
1%へと低下している。
 ただし、この水準は依然としてECBの目標である2%を上回っており、ECBに追
加的な対応を迫る理由にはならないとも述べている。ECB理事の過半数がさらなる利
下げに賛成するのは、大幅な景気悪化が確認された場合に限られ、そうした兆候も現在
は見られないことから、当面は据え置かれる見通しだとも述べている。
 ポンドドルも売りが強まり、1.33ドル台半ばまで一時下落。きょうの下げで21
日線と100日線を一気に下抜けており、明日以降の展開が警戒される。一方、ドル
円、ユーロ円は上昇していたものの、ポンド円は売りが強まり198円台に下落。一時
200円台を回復する場面が見られたものの、戻り待ちの売りオーダーが並んでいるよ
うだ。
 本日はポンドの売りが強まったものの、英国債利回りは上昇。アナリストはそれを正
当化される動きだと述べている。英国の厳しい財政状況を踏まえると、ポンド下落と長
期ゾーンの英国債下落(利回り上昇)は正当化されるように見えると述べた。
 「最近の英国債利回り上昇は秋季予算案の発表を前に、厳しい現実に対する市場の意
識を一層高めている」と指摘している。
MINKABU PRESS