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2025年11月22日(土)06時31分

NY外為市況=156円台前半に一時下落

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日本時間午前6時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.44 - 1.03 (- 0.65%) 157.54 / 156.20
ユーロ・ドル 1.1517 - 0.0011 (- 0.10%) 1.1552 / 1.1491
ポンド・ドル 1.3104 + 0.0031 (+ 0.24%) 1.3110 / 1.3039
ドル・スイス 0.8080 + 0.0022 (+ 0.27%) 0.8099 / 0.8036
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<きょうの材料>
【米国】
*米製造業PMI(11月・速報)23:45
結果 51.9
予想 52.0 前回 52.5
*米非製造業PMI(11月・速報)23:45
結果 55.0
予想 54.6 前回 54.8
*米コンポジットPMI(11月・速報)23:45
結果 54.8
予想 54.5 前回 54.6
*ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(11月)00:00
結果 51.0
予想 50.3 前回 50.3
*卸売在庫(確報値)(8月)00:00
結果 0.0%
予想 N/A 前回 -0.2%(前月比)
*ウィリアムズNY連銀総裁
・FRBが近いうちに再び利下げを行う余地がある。
・雇用への下方リスクが高まっている。
・インフレの上方リスクは和らいでいる。
・依然としてやや景気抑制的だと見ている。
・政策スタンスを中立に近づけるめに調整余地がある。
*ミランFRB理事
・自分の票が決定打になるなら0.25%ポイントの利下げに絶対に賛成票を投じる。
*ローガン・ダラス連銀総裁
・12月の追加利下げは困難と判断。
・金融情勢の追い風を相殺するためFRBは行動が必要。
・間もなくFRBのバランスシート拡大再開を予想。
・据え置きにより引き締め効果を評価可能。
*コリンズ・ボストン連銀総裁
・政策金利を据え置くことが当面は適切。
・労働市場については、冷え込みつつあるようだ。
・ただ、急速なペースというわけではない。
・関税の影響が経済全体に浸透すれば、物価上昇圧力は徐々に和らぐ。
・インフレは年内から来年初めにかけて高止まりする可能性。
・一度水準が調整されれば、それ以上の影響は生じない。
・しかし、プロセスには時間がかかる。
*米経済指標動向
・10月分の米CPIは公表せず
・11月分は12月18日。
・実質平均時給についても同様の措置。
・10月分については調査を伴わないデータの大部分は取得できており、可能な場合は
11月分の公表時に掲載。
・第3四半期の雇用コスト指数は12月10日。
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<月曜日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(11月)18:00
予想 88.5 前回 88.4
勤労感謝の日振替休日
米2年債入札(690億ドル)
ラガルドECB総裁がAIイベント出席
ナーゲル独連銀総裁が討論会出席
EU貿易相会合、ラトニック米商務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表出席
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 きょうのNY為替市場、ドル円は戻り売りが優勢となり、一時156円台前半まで下
落する場面も見られた。前日は158円をうかがう展開を見せていたものの、ロング勢
も一旦後退しているようだ。ここ数日の急速な上昇に過熱感も高まる中、本邦勢も明日
からの3連休を前にロングポジションを軽くしていたのかもしれない。
 本日はウィリアムズNY連銀総裁の発言が伝わり、「近いうちに再び利下げを行う余
地がある」と述べていた。総裁の発言を受けて、短期金融市場では12月利下げの確率
を75%まで一気に上昇させている。為替市場もドル安の反応が出ていたが、大きな動
きには至っていない。
 基本的な雰囲気に変化はない。FRBの12月利下げは見送られるとの観測が根強い
ほか、日銀の年内利上げも見送られるとの観測もある中、日米の金利差縮小は想定より
もペースが遅いと見られている。日銀については、日経新聞が日銀の増(ます)審議委
員のインタビューを報じており、「利上げ判断が近づいている。何月かは言えないが、
距離感としては近いところにいる」と述べていた。その報道も円の買い戻しを誘発して
いたようだ。
 円キャリー取引の流れに変化はないと思われるが、来週は感謝祭ウィークでもあり、
来週にかけてドル円も持ち高調整が出る可能性はありそうだ。
 ユーロドルは売りが続き、サポートとして意識された1.15ドルを一時割り込ん
だ。本日で6日続落。ECBの利下げサイクルはすでに終了する中、ドルがユーロドル
のドライバーとなっているが、ドル高が続いており、ユーロドルを押し下げる動きが続
いている。一方、ユーロ円はドル円とともに戻り売りに押され、180円を割り込む場
面も見られた。
 本日は11月調査のユーロ圏PMI速報値が発表になっていたが、製造業が再び50
を割り込んでいた一方、サービス業は予想を上回るなど、複雑な状況を示している。エ
コノミストは「全体的には上向きを示しているが、過去のサイクルで経済回復の原動力
となった製造業部門はまだ勢いを得ていない」と指摘。ただ、来年初からドイツで予想
される財政刺激策が状況をいくらか明るくする可能性はあるとも付け加えている。
 また、ECBがこの日、第3四半期のユーロ圏の妥結賃金を公表。前年比1.9%上
昇となり、第2四半期の4.0%から大幅に減速し、予想も下回った。賃金の伸び減速
が確認されており、ECBが言及している「根強いサービスインフレは緩和する」との
見通しを裏付ける結果となった。
 ポンドドルはNY時間に入って買い戻しが出ており、1.31ドル台に下げ渋った。
下向きの流れは続いており、本日も一時1.3040ドル近辺まで下落していたもの
の、1.30ドル台は維持された格好。ただ、上値は重い。一方、ポンド円は戻り売り
に押されており、204円台前半まで下落する場面もみられていた。ドル円の下落と伴
に円ショートの調整が出ているようだ。
 この日発表の英小売売上高や英PMIといった英経済指標は全般的に弱い内容となっ
ていたが、来週の予算案の発表を控えて、景気の先行きへの不透明感が広まる中、英経
済は拡大に苦戦していることが示されていた。
 リーブス英財務相が来週秋季予算案を公表するが、所得税増税は断念との報道もあっ
たものの、予算案は景気の先行きへの重荷となる可能性が高いと見られており、「ポン
ド売りが正しいトレードになる」との見方も出ている。「どうしても回避できない結論
は、景気を収縮させる方向になるということだ」という。
MINKABU PRESS