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2025年12月17日(水)06時38分

NY外為市況=154円台で上下動

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日本時間午前6時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.73 - 0.50 (- 0.32%) 155.25 / 154.40
ユーロ・ドル 1.1747 - 0.0006 (- 0.05%) 1.1804 / 1.1736
ポンド・ドル 1.3423 + 0.0047 (+ 0.35%) 1.3456 / 1.3355
ドル・スイス 0.7952 - 0.0010 (- 0.13%) 0.7971 / 0.7926
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<きょうの材料>
【米国】
*非農業部門雇用者数(NFP)(11月)22:30
結果 6.4万人
予想 5.0万人 前回 10.5万人減
*失業率(11月)
結果 4.6%
予想 4.5% 前回 N/A
*平均時給(11月)
結果 0.1%
予想 0.3% 前回 N/A(前月比)
結果 3.5%
予想 3.6% 前回 N/A(前年比)
*非農業部門雇用者数(NFP)(10月分)22:30
結果 10.5万人減
予想 N/A 前回 10.8万人(11.9万人から修正)
*米製造業PMI(12月・速報)23:45
結果 51.8
予想 52.1 前回 52.2
*米非製造業PMI(12月・速報)23:45
結果 52.9
予想 54.0 前回 54.1
*米コンポジットPMI(12月・速報)23:45
結果 53.0
予想 53.9 前回 54.2
*トランプ大統領
・次期FRB議長選びでウォラー理事と面談へ
*ベッセント財務長官
・インフレは来年上半期で大幅な低下を見込む。
・経済は第1、第2四半期に上向き始める。
・中国が1兆ドルの貿易黒字を継続することは不可能。
*ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
・トランプ大統領はFRB議長が親しい友人であってはならないという考えに否定的。
・FRBは次へ進む時。大統領が近く発表予定。
・民間部門の雇用は堅調な上昇軌道にある。
・トランプ大統領は金利はさらに引き下げ可能と考えており、多くの関係者が同意見。
・FRBの金利は世界の流れから乖離しているようだ。
・もし私がFRBにいたら当局者と交渉する。
・供給ショックがプラスに作用する中、利下げ余地は大きい。
・大幅な赤字削減が経済と低金利の鍵。
・関税が撤廃された場合、ホワイトハウスは代替案を用意。
・AIにより生産性の伸びは2.5-3.0%と予測。
・AIで訓練された労働者は生産性と賃金が向上。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・失業率上昇の背景には構造的問題がある。
・労働市場よりインフレが差し迫ったリスク。
・2026年末のインフレは2.5%超と予想。
・12月の会合では政策金利据え置きを支持。
・引退の決断は私自身の判断。自ら下した。
・インフレ目標の長期未達成は信頼性を損なう。
・労働市場は減速中だが、マイナス転換点には至らず。
・雇用減少への解決策としてFRBの積極緩和は不適切。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
通関ベース貿易収支(11月)08:50
予想 640億円 前回 -2260億円
予想 -2111億円 前回 -42億円(季調済)
機械受注(10月)08:50
予想 -2.1% 前回 4.2%(前月比)
予想 3.7% 前回 11.6%(前年比)
【英国】
消費者物価指数(CPI)(11月)16:00
予想 0.0% 前回 0.4%(前月比)
予想 3.5% 前回 3.6%(前年比)
予想 3.3% 前回 3.4%(コア・前年比)
小売物価指数(RPI)(11月)16:00
予想 0.0% 前回 0.3%(前月比)
予想 4.1% 前回 4.3%(前年比)
予想 4.1% 前回 4.2%(前年比・除くモーゲージ利払い)
生産者物価指数(PPI)(11月)16:00
予想 0.1% 前回 -0.3%(仕入・前月比)
予想 0.6% 前回 0.5%(仕入・前年比)
予想 0.1% 前回 0.0%(出荷・前月比)
予想 3.3% 前回 3.6%(出荷・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(12月)18:00
予想 88.4 前回 88.1
ユーロ圏消費者物価指数(HICP・確報値)(11月)19:00
予想 2.2% 前回 2.2%(前年比)
予想 2.4% 前回 2.4%(コア・前年比)
【NZ】
実質GDP(第3四半期)18日06:45
予想 0.9% 前回 -0.9%(前期比)
予想 1.3% 前回 -0.6%(前年比)
日本証券業協会会長、定例会見
米20年債入札(130億ドル)
ウォラーFRB理事が講演(質疑応答あり)
ウィリアムズNY連銀総裁が挨拶(質疑応答なし)
ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会出席(質疑応答あり)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は154円台での推移が続いた。この日発表の11月
の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が6.4万人増と予想を上回った。一
方、10月分は10.5万人減と政府機関閉鎖の影響で減少していたが、11月に回復
した格好。ただ、11月分の失業率は4.6%まで上昇している。
 FRBの来年の追加利下げを裏付ける内容とまでは言えないものの、米労働市場の冷
え込みは示す内容ではあった。なお、米雇用統計発表後の短期金融市場では、来年2回
の利下げ期待に変化はない。
 ドル円は発表直後こそドル安の反応から154.40円近辺まで下げ幅を拡大したも
のの、すぐに切り返している。155円を割り込むと買いオーダーも観測されており、
下がったところでは下値を拾う動きが出ているようだ。
 来年はドル安との見方も多いが、円安期待も依然根強い。日米の金利差はさらなる縮
小が想定されるものの、それでも他の主要国と比較すれば金利差はあり、もうしばらく
円キャリー取引が続くと見ているのかもしれない。
 ユーロドルは一時1.18ドル台に上昇したものの、その後は伸び悩む展開。一方、
ユーロ円は182円台半ばに上昇したものの、181円台に伸び悩む展開。ドル安が優
勢となる中、ユーロはリバウンド相場を継続している。
 今週はECB理事会が開催されているが、据え置かれる見通し。ECBの次の行動は
利上げとの指摘も出ているものの一部からは、利下げの可能性は排除できないとの見方
も出ている。最近一部のECB理事がよりタカ派な姿勢を示し、次の動きは再び利上げ
になる可能性を示唆している。しかし、内需が引き続き弱く、インフレが目標を下回る
場合、来年に追加利下げの可能性があるという。
 しかし、現時点でインフレは抑制され、賃金上昇も緩やかになっており、ECBは現
行水準を維持することに満足しているとも述べている。
 ポンドドルは買いが優勢となり、1.34ドル台を回復。一時1.34ドル台半ばま
で上昇し、10月17日以来の高値水準を回復する場面も見られた。一方、ポンド円は
207円台後半に上昇。利益確定の動きが出ているものの21日線は堅持している。
 ポンドドルは100日線と200日線にしっかりとサポートされ、リバウンド相場を
継続しているが、来年は逆風に直面する可能性があると指摘している。英中銀がさらに
利下げする可能性があることや、英国の政治リスクが背景にある。先日の英予算案の発
表以降、スターマー政権の基盤が緩み始めており、首相交代の可能性も浮上している状
況。
 万一、そのような事態になった場合、左派寄りの首相への交代となれば、市場は好意
的に受け止めない可能性が高いという。
MINKABU PRESS