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2025年09月18日(木)05時32分

NY外為市況=結局、ドル高に

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.02 + 0.54 (+ 0.37%) 147.05 / 145.49
ユーロ・ドル 1.1809 - 0.0058 (- 0.49%) 1.1919 / 1.1808
ポンド・ドル 1.3625 - 0.0022 (- 0.16%) 1.3726 / 1.3620
ドル・スイス 0.7892 + 0.0032 (+ 0.41%) 0.7894 / 0.7829
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<きょうの材料>
※経済指標
*米住宅着工件数(8月)21:30
結果 130.7万件
予想 136.5万件 前回 142.9万件(142.8万件から修正)
*建設許可件数(8月)21:30
結果 131.2万件
予想 137.0万件 前回 136.2万件
*FRB政策金利 18日3:00
結果 4.00~4.25%
予想 4.00~4.25% 前回 4.25~4.50%
【カナダ】
*カナダ中銀政策金利 22:45
結果 2.50%
予想 2.50% 前回 2.75%
※発言・ニュース
*FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)
2025年末
2.875% 1人
3.625% 9人
3.875% 2人
4.125% 6人
4.375% 1人
中央値は3.625%
2026年末
中央値は3.375%
*パウエル議長
・リスクバランスは雇用への下方リスクにシフト。
・インフレは最近上昇、やや高止まり状態。
・成長鈍化は主に消費減速を反映。
・雇用減速の大部分は労働力人口の減少を反映。
・8月のPCEインフレは前年比2.7%を予想。
・コアPCEインフレは前年比2.9%上昇を予想。
・基本シナリオでは関税のインフレへの影響は短命。
・FRBは独立性を維持する強い決意。
・関税の労働市場への影響は確かにあり得る。
・関税がインフレに与える影響、今後積み上がり続ける。
・この日の決定はリスク管理の利下げと考えてよい。
・今回の会合で0.50%の利下げは広く支持されなかった。
・雇用数値修正、もはや堅調でない労働市場を意味。
*FOMC声明
・雇用のダウンサイドリスクが上昇。
・ミラン理事が0.50%の大幅利下げを主張。
・失業率が小幅に上昇したものの、依然低い水準。
・インフレが上昇し、やや高い水準にある。
*カナダ中銀声明
・声明から利下げに関するガイダンスを削除。
・景気減速とインフレリスク低下を踏まえ利下げは適切。
・報復関税撤廃で消費者物価上昇リスクが低下。
・リスク・不確実性に注視し「慎重に」対応。
・貿易構造の変化は経済に重しとなる一方、コスト増も招く。
・コストの上昇幅や価格転嫁の程度は予測困難。
・預金金利を2.45%に設定。(政策金利より0.05%ポイント低い水準)
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
実質GDP(第2四半期)07:45
予想 -0.3% 前回 0.8%(前期比)
予想 0.1% 前回 -0.7%(前年比)
【日本】
機械受注(7月)08:50
予想 -1.5% 前回 3.0%(前月比)
予想 5.4% 前回 7.6%(前年比)
【豪州】
雇用統計増減(8月)10:30
予想 2.18万人 前回 2.45万人
失業率
予想 4.2% 前回 4.2%
【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(7月)17:00
予想 N/A 前回 358億ユーロ(季調済)
【英国】
英中銀政策金利(9月)20:00
予想 4.00% 前回 4.00%
【米国】
新規失業保険申請件数(09/07 - 09/13)21:30
予想 24.2万件 前回 26.3万件
フィラデルフィア連銀景況指数(9月)21:30
予想 1.8 前回 -0.3
景気先行指数(8月)23:00
予想 -0.2% 前回 -0.1%(前月比)
ラガルドECB総裁がイベント開会挨拶
ナーゲル独連銀総裁が欧州経済について講演
EU環境相会合
2025年天然ガス産業発展会議(北京、19日まで)
ファーウェイ・コネクト2025(上海、20日まで)
フランス労働組合が大規模ストライキ実施へ
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 きょうのNY為替市場、午後のFOMCとを受けて目まぐるしい展開となった。ドル
円は一旦145円台半ばに急落したものの、動きが一巡すると次第にドル高が優勢とな
り、147円台に上昇する展開。
 大方の予想通りにFRBは利下げを再開。一方、注目のFOMC委員の金利見通し
(ドット・プロット)では年内あと2回の利下げが予想されていた。10月と12月の
年内残りのFOMCで利下げを予想していることを意味する。ただ、短期金融市場の事
前の期待通りではあった。
 ドット・プロットの公表直後にドル安が強まり、ドル円は145円台半ばに急落。1
00日線を一旦割り込んだ。事前の予想コンセンサスでは年内あと1回の利下げだった
だけにハト派な内容との受け止めだったようだ。
 ただ、その後のパウエル議長の会見が始まると、徐々にドル高が優勢となった。一部
で指摘されていた「噂で買って事実で売る」の反応が出ていたと思われ、ドル円は14
6円台後半まで急上昇し、100日線でサポートされた格好となった。明日以降の動き
が注目される。
 なお、トランプ大統領の指名を受けて前日に就任したミラン理事は大幅利下げを主
張。ドットプロットでも今年末に2.875%(2.75-3.00%)を見込んだ委
員が1人いたが、恐らくミラン理事の可能性がありそうだ。0.50%と0.75%の
利下げの計算。
 ユーロドルはFOMC後、一旦1.19ドル台に上昇後、1.18ドル台前半に下落
する展開。ユーロ円はロンドン時間の下げを取り戻す展開が見られ、173円台での推
移。
 ユーロドルに関しては中期的には強気な見方も根強い。FRBは本日から利下げサイ
クルを再開したが、ECBはすでに利下げサイクルを終了したとも見られている。次の
ECBの行動は利下げとの見方はまだ根強いものの、しばらくは据え置きが濃厚と見ら
れ、その間、FRBとの金融政策格差は縮小が続きそうだ。いずれ1.20ドルを目指
す展開になるのではとの見方も多い。
 ポンドドルも1.37ドル台に上昇後、1.36ドル台前半に下落する展開。一方、
ポンド円は200円台を回復している。200円台の上値抵抗はあるものの、しっかり
と上向きの流れは維持。
 明日は英中銀も金融政策委員会(MPC)の結果を発表する。英中銀は利下げに慎重
になっており、今回は据え置きが濃厚。そのような中、ポンドの投資家にとっては一時
的な注目材料に留まるとの見方も出ている。
 ただアナリストは、英中銀の据え置きは英ファンダメンタルズの現状を考慮すると、
ポンドにとってそれほどポジティブではないと指摘。英経済の弱さと財政リスクが中期
的にポンドを圧迫する可能性があるとも付け加えた。
 本日はカナダ中銀が政策を発表。こちらも予想通りに利下げを再開。ただ、カナダド
ルの反応は小幅に留まった。声明では利下げに関するガイダンスを削除したほか、カー
ニー首相の米国への報復関税撤廃で消費者物価の上昇リスクが低下したと言及。そのほ
か、リスク・不確実性に注視し慎重に対応するとしていた。
MINKABU PRESS