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2025年09月16日(火)05時30分

NY外為市況=147円台での推移

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.41 - 0.27 (- 0.18%) 147.80 / 147.23
ユーロ・ドル 1.1763 + 0.0029 (+ 0.25%) 1.1774 / 1.1716
ポンド・ドル 1.3607 + 0.0051 (+ 0.38%) 1.3620 / 1.3539
ドル・スイス 0.7944 - 0.0022 (- 0.28%) 0.7973 / 0.7936
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*NY連銀製造業景気指数(9月)21:30
結果 -8.7
予想 5.0 前回 11.9
【カナダ】
*卸売売上高(7月)21:30
結果 1.2%
予想 1.2% 前回 1.0%(0.7%から修正)(前月比)
*製造業売上高(7月)21:30
結果 2.5%
予想 1.6% 前回 0.3%(前月比)
※発言・ニュース
*トランプ大統領、大幅利下げを実施すべき
 トランプ大統領はパウエル議長に対し、「直ちに、かつ当初に考えていたよりも大幅
な利下げを実施すべきだ」と要請した。自身のSNSに投稿した。
*トランプ大統領、中国の習主席と19日に話すと表明
 トランプ大統領は、中国の習近平国家主席と19日に話すと述べた。
*トランプ大統領、企業決算を四半期から半年ごとに変更すべき
 トランプ大統領は、企業が四半期ごとに決算を報告する現行制度について「半年ご
と」に変更すべきだと主張した。業務やコスト削減につながるとし、米証券取引委員会
(SEC)の承認を条件に提案している。
*ベッセント財務長官
 ベッセント米財務長官は15日、TikTokを巡り、米中による解決が「非常に近
い」と語った。ベッセント長官とグリア米国通商代表部(USTR)代表は、マドリッ
ドで中国と通商協議を行っており、15日で2日目となる。
*クックFRB理事、文書に「別荘」と正しく記載
 購入物件を「主たる住居」と偽り、低金利の住宅ローンを申請したとして、トランプ
大統領が解任しようとしているクックFRB理事は、問題の物件のうちの1件を、少な
くとも2件の文書で「別荘」または「別宅」と記載していたと伝わった。
*コッハー・オーストリア中銀総裁
・リスクは現在、より均衡している。
・貿易リスクがインフレ圧力かデフレ圧力かは判断できない。
・欧州では中央銀行の独立性が疑問視されていない。
・インフレリスクはかなり均衡している。
・ECBの金利は現状適切。
・ECBは弾薬を温存すべき。
・ECBにおいて、金利見通し(ドット・プロット)導入の説得力ある論拠はない。
*ビルロワドガロー仏中銀総裁
 ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言が伝わっており、バイル前首相の予算案は税の公
平性で改善の余地あると述べた。その上で仏中銀は26年のGDPを0.9%、27年
を1.1%と予測。伴に0.1%ポイント下方修正した。また、フランスは2029年
の赤字目標を3%に維持すべきとも述べている。
*ブルラード氏
 ブラード・前セントルイス連銀総裁の発言が伝わっており、自身がFRB議長に就任
する可能性について、ベッセント財務長官とそのチームと協議したと述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
ILO失業率(7月)15:00
予想 4.7% 前回 4.7%
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(9月)18:00
予想 21.0 前回 34.7
ユーロ圏鉱工業生産指数(7月)18:00
予想 0.6% 前回 -1.3%(前月比)
予想 0.6% 前回 0.2%(前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(8月)21:15
予想 27.40万件 前回 29.41万件
消費者物価指数(CPI)(8月)21:30
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.0% 前回 1.7%(前年比)
【米国】
小売売上高(8月)21:30
予想 0.2% 前回 0.5%(前月比)
予想 0.4% 前回 0.3%(自動車除くコア・前月比)
輸入物価指数(8月)21:30
予想 -0.3% 前回 0.4%(前月比)
予想 0.0% 前回 -0.2%(前年比)
鉱工業生産指数(8月)22:15
予想 0.0% 前回 -0.1%(前月比)
設備稼働率
予想 77.4% 前回 77.5%
企業在庫(7月)23:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
NAHB住宅市場指数(9月)23:00
予想 33  前回 32
米20年債入札(130億ドル)
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 きょうのNY為替市場、全体的にドル売りがやや優勢となる中、ドル円は一時147
円台前半に値を落とした。本日の21日線は147.55円付近に来ていたが、基本的
にはその付近での上下動が継続している。100日線と200日線の間でのレンジ取引
に変化はない。
 市場は今週のFOMCの結果を待っている。先月のジャクソンホールのシンポジウム
でのパウエル議長の発言以降、雇用やインフレの指標を経て、市場はFRBの利下げへ
の期待を高めている。一部で観測されている0.50%ポイントの大幅利下げはないと
見られているようだが、ほぼ利下げを確実視しているようだ。
 短期金融市場でも完全に0.25%ポイントの利下げを織り込んでおり、利下げ再開
自体は既定路線と考えられている。そのような中、市場は今回同時に発表されるFOM
C委員の金利見通し(ドット・プロット)に関心が移っている。
 市場は今回を含めて3回、年内に予定されているすべてのFOMCでの利下げを完全
に織り込む動きが見られている。ドット・プロットが果たして市場の期待に沿った内容
となるか注目される。いずれにしろ、FOMCまでは様子見の雰囲気が広がることも予
想される。
 ユーロドルは1.1770ドル近辺まで上昇し、ユーロ円は173円台半ばでの推移
となった。174円に強い上値抵抗が観測されており、その水準には慎重なものの下押
す動きもなく、年初来高値での取引が続いている。
 アナリストは、ユーロドルは今週から再開されるFRBの利下げで、年末までに1.
20ドルまで上昇する可能性があると述べている。米企業の税金支払いなどの季節要因
が9月のドル買いを支えているが、10月以降はFRBが年内に計0.75%ポイント
の利下げが予想されるため、ドルは下落するという。
 同アナリストはまた、ECBは利下げサイクルを終了した可能性が高い中、ユーロド
ルの上昇余地は広範なドル安に左右されるとも述べている。
 なお、短期金融市場は、FRBが年内の残りのFOMCである9月、10月、12月
にそれぞれ0.25%ポイントの利下げを実施する確率を完全に織り込んでいる。
 ポンドドルは1.36ドル台に上昇。一方、ポンド円は200円台を維持しており、
年初来高値圏での推移を続けている。
 今週は英中銀も政策委員会(MPC)が予定されているが、据え置きがほぼ確実視さ
れている。インフレが高水準で推移しており、英中銀も追加利下げに慎重になっている
状況。リーブズ財務相が11月に発表する秋季予算案で、増税が予想される中、英景気
の先行きには不透明感が根強いものの、インフレへの懸念も根強い。英中銀はFRBと
同様に「雇用の伸びが鈍る一方、公共料金など政策要因で物価が押し上げられる」とい
う難しい状況でバランスを探っている。
 市場はむしろ、今回は10月からの量的引締め(QT)の減速を注目しており、保有
する国債の縮小ペースを減速させると見込まれている。英中銀は2022年初めにQT
を開始し、保有する国債をピーク時の8950億ポンドから今年8月末までに5860
億ポンドへと減らしてきた。直近12カ月では年1000億ポンドを削減している。た
だし、10月以降はこれを年700億ポンド程度のペースに減速するとエコノミストは
見込んでいる。
MINKABU PRESS