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2025年05月28日(水)05時36分

NY外為市況=ドル円は買い優勢

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.31 + 1.46 (+ 1.02%) 144.45 / 142.12
ユーロ・ドル 1.1333 - 0.0054 (- 0.47%) 1.1407 / 1.1324
ポンド・ドル 1.3509 - 0.0055 (- 0.41%) 1.3587 / 1.3500
ドル・スイス 0.8272 + 0.0061 (+ 0.74%) 0.8280 / 0.8188
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*住宅価格指数(3月)22:00
結果 -0.1%
予想 0.2% 前回 0.0%(0.1%から修正)(前月比)
*コンファレンスボード消費者信頼感指数(5月)23:00
結果 98.0
予想 87.1 前回 85.7(86.0から修正)
*S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(3月)22:00
結果 4.07%
予想 4.5% 前回 4.53%(4.5%から修正)(前年比)
*米耐久財受注(4月・速報値) 21:30
結果 -6.3%
予想 -7.8% 前回 7.6%(9.2%から修正)(前月比)
結果 0.2%
予想 0.0% 前回 -0.2%(0.0%から修正)(除輸送・前月比)
※発言・ニュース
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
・政策の不確実性が通り過ぎるのを待っている状態が続いている。
・センチメント低下による消費への影響は確認されていない。
・人々は投資判断において忍耐強くなっている。
・データは経済が同じ軌道にあることを示している。
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
 先行きの見通しが不透明なことから企業は雇用や将来の投資決定を保留していると述
べた。総裁はインタビューで、発表済みのデータからは経済の軌道がこの1、2年ほど
変わっておらず、低い失業率と2%目標に向かっているインフレが示されていると指
摘。ただし、関税の発動後にどうなるのかについては多くの疑問が残ると述べた。
*トランプ政権、ハーバード大との残る全ての契約も打ち切りへ
 トランプ政権は、ハーバード大学との残るすべての連邦政府契約(1億ドル相当と推
定)を解除する方針を固め、同大学との対立を激化させている。政権は連邦政府機関に
対して、ハーバード大学との契約を再審査し、非必須と判断された契約を解除し、必要
に応じて他の業者への移行を指示した。同大学が反ユダヤ主義への対応を十分に行わな
かったことを理由に挙げている。
*トランプ政権、学生ビザ申請者の面接予約を停止
 ルビオ米国務長官は世界各地の米国大使館に対し、学生ビザ申請者の面接予約を一時
停止するよう命じた。トランプ政権はソーシャルメディアのプロフィールを巡る審査の
厳格化を検討しているという。
*トランプ大統領
 トランプ大統領は数日以内に、ロシアに対して新たな制裁を科す可能性があると伝わ
った。
*ハセットNEC委員長
 ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長が米CNBCに出演し、
「さらにいくつかの合意が見られる可能性が高く、週内にもまとまり得る」と語った。
インドは、合意締結という点に関して最終段階に近い国の一つだとも述べている。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
消費者物価指数(CPI・月次)(4月)10:30
予想 2.3% 前回 2.4%(前年比)
【NZ】
NZ中銀政策金利(5月)11:00
予想 3.25% 前回 3.50%
【ユーロ圏】
フランス実質GDP(確報値)(第1四半期)15:45
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
予想 0.8% 前回 0.8%(前年比)
ドイツ失業率(5月)16:55
予想 6.3% 前回 6.3%
ドイツ失業者数増減
予想 1.0万人 前回 0.4万人
【米国】
リッチモンド連銀製造業指数(5月)23:00
予想 -11 前回 -13
日本40年利付国債入札(5000億円程度)
ECBユーロ圏消費者インフレ期待(4月)
米5年債入札(700億ドル)
FOMC議事録(5月6日-7日開催分)
氷見野日銀副総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、日銀金融研究所主催国際コンファランス
出席(質疑応答あり)
内田日銀副総裁、ウォラーFRB理事、ロンバルデッリ英中銀副総裁、日銀金融研究所主
催国際コンファランス「グローバル経済における金融政策」出席
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、慶応義塾大学主催イベント出席(質疑応答あり)
OPECプラス閣僚級会合
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 きょうのNY為替市場、リスク回避の雰囲気が後退し、ドル円は買い戻しが優勢とな
った。連休中にトランプ大統領の関税政策が再び急変。大統領はEUに対する関税を6
月1日から50%に引き上げる方針を示していたが、それを7月9日に延期すると発
表。市場は、トランプ大統領の朝令暮改に慣れてきた面もあるが、素直にポジティブな
反応を見せていた。
 この日発表の5月調査分の米消費者信頼感指数が予想外の大幅な改善となったことも
ドル円を押し上げた。一時144.45円付近まで上昇。トランプ関税の猶予期間が設
定され、米中協議の進展も伝わっていたことが、米株式市場の5月の反騰を通じて、米
消費者のセンチメントに大きく影響したようだ。ただ、一時的な現象との見方も出てい
た。
 一方、日本政府が債券市場の安定化策を検討しているとの観測がいくつか伝わった。
日本の財務省が6月20日に債券市場参加者を集めた国債市場特別参加者(プライマリ
ー・ディーラー)と会合を開くと伝わっている。これを受けて、日本国債の超長期債利
回りが低下したことも、ドル円を下支えしている模様。それに伴って米国債利回りも低
下し、30年債が5%を下回っている。日本国債の利回り低下は、本邦勢の米国債への
需要とそれに伴うドル資産の安定に繋がると考えられている模様。
 ただ、ドル離れへの懸念は根強いことに変化はなく、145円に接近すると売りオー
ダーも多数観測されている模様。
 ユーロドルは1.13ドル台前半に下落。ただ、主要中銀の中でECBだけが利下げ
観測を強めている中、上値が重くなっている雰囲気に変化はない。
 ユーロのドル代替手段の可能性が言われる中で、今後も上昇する可能性あるとの指摘
がエコノミストから出ている。ユーロをドルの代替手段として機能させるというアイデ
アを本気で欧州の政策当局者が推進し続ける場合、投資家はユーロ高に賭ける動きを強
めるという。
 ラガルドECB総裁は、トランプ大統領の予測不能な政策がユーロの基軸通貨として
の役割を強化する機会を生み出していると述べていた。ただ、ドルと競合するために
は、ユーロは継続的なEU共同債発行のための信頼できる計画が必要なほか、欧州の政
治的分断もユーロのグローバルな役割に関する野心に対する逆風として残っているとも
指摘。それでも、この方向での真剣な動きはユーロを上昇させる可能性があるという。
 ポンドドルは戻り売りに押され1.35ドルちょうど付近まで下落。やや過熱感も見
られていた中で本日は利益確定売りが出ていたようだ。
 エコノミストは、英中銀が利下げに慎重なアプローチを取っていることを考えるとポ
ンドの最近の上昇は正当化されると述べている。先週発表された英消費者物価指数(C
PI)が予想を上回ったことは、英中銀の利下げに対する慎重姿勢を裏付けていると指
摘。
 英国が米関税の影響を受けにくいことやEUとの関係強化の見通し、英経済の底堅い
需要も、ポンドの上昇を正当化しているという。
MINKABU PRESS