9日の東京株式市場は朝方にリスク選好の地合いが継続したが、その後は売り優勢の
流れとなり、日経平均株価は急速に値を消す展開を強いられた。
大引けの日経平均株価は前営業日比184円52銭安の4万3459円29銭と4日
ぶり反落。プライム市場の売買高概算は19億7977万株、売買代金概算は4兆76
43億円。値上がり銘柄数は616、対して値下がり銘柄数は952、変わらずは50
銘柄だった。
きょうの東京市場は荒れ模様の展開となり、朝方は日経平均が500円高超に買われ
るなど、大きく水準を切り上げ4万4000円台に乗せる場面があった。しかし、その
後は値を消し、後場に入るとマイナス圏に沈んだ。外国為替市場でドル安・円高方向に
振れたことなども嫌気され、日経平均は結局180円あまり値を下げ、ほぼ安値引けと
なっている。石破茂首相の退陣表明を受けて次期政権への期待感から買いが続いていた
が、空売り筋による買い戻しが一巡すると上値が重くなり、今度は利食い急ぎの地合い
に変わった。半導体関連の一角が買われ不動産や陸運などの内需株も高かった一方、非
鉄や鉄鋼など市況関連に売りがかさみ全体を押し下げた。個別でみても値下がり銘柄数
が後場に入り増加し、全体の6割近い銘柄が下落した。
個別では、ソフトバンクグループ<9984>、フジクラ<5803>がいずれも商いをこな
しながらも値を下げたほか、サンリオ<8136>も下値を探った。古河電気工業<5801>
が下落、ファーストリテイリング<9983>も安い。武田薬品工業<4502>も安く、三井
金属<5706>の下げが目立つ。学情<2301>が急落、ユニオンツール<6278>、大阪チ
タニウムテクノロジーズ<5726>、東洋エンジニアリング<6330>なども大幅安となっ
た。
半面、売買代金で群を抜いたアドバンテスト<6857>が大幅高で上場来高値を更新し
たほか、東京エレクトロン<8035>も頑強な値動き。IHI<7013>が物色人気を集
め、ソニーグループ<6758>、日立製作所<6501>もしっかり。SHIFT<3697>が
買われた。ニーズウェル<3992>、芝浦メカトロニクス<6590>が急伸をみせ、トレジ
ャー・ファクトリー<3093>、アイ・アールジャパンホールディングス<6035>、イチ
ネンホールディングス<9619>なども大きく水準を切り上げた。トクヤマ<4043>も人
気を博した。
出所:MINKABU PRESS