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2025年09月09日(火)05時33分

NY外為市況=一時147円台前半

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.49 + 0.06 (+ 0.04%) 148.58 / 147.34
ユーロ・ドル 1.1762 + 0.0045 (+ 0.38%) 1.1765 / 1.1692
ポンド・ドル 1.3547 + 0.0038 (+ 0.28%) 1.3557 / 1.3483
ドル・スイス 0.7932 - 0.0048 (- 0.60%) 0.8012 / 0.7928
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*米消費者のインフレ期待、1年先は3.2%に上昇
 NY連銀が8月の月次調査を発表し、米消費者の1年先インフレ期待が3.2%に上
昇した。トランプ政権が主要貿易相手国に強力な関税措置を発表した直後である5月以
来の高水準となった。
*ミランCEA委員長のFRB理事指名、上院銀行委が10日に採決へ
 ミランCEA委員長のFRB理事への指名で、米上院銀行委が10日に採決すると伝
わった。
*バイル仏首相が辞任へ、信任投票で敗北
 フランスのバイル首相は国民議会(下院)で行われた信任投票で敗北した。バイル首
相は不人気な財政改革への支持を集めようと動議を提出したが、各党が反対で結束。首
相支持はわずか194人に留まり、364人は不信任に票を投じた。
*EU、新たな対ロ制裁検討 米国との協調も探る
 EUは、ウクライナ戦争終結に向け、プーチン大統領に圧力をかける新たな手段とし
て、ロシアの銀行やエネルギー企業6社前後を対象とする新たな制裁措置を検討してい
ると伝わった。
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<明日の材料と事前予想>
主な経済指標の発表はなし
米3年債入札(580億ドル)
米労働省労働統計局(BLS)非農業部門雇用者数の暫定基準改定発表(2024年4
月-2025年3月)
第80回国連総会開幕(ニューヨーク)
アップルが新製品発表イベント「Awe dropping.」開催
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 きょうのNY為替市場はドル安が継続し、ドル円は一時147.30円台前半に下
落。前日に石破首相の辞任表明で円安が進み、週初のオセアニア時間に上に窓を開けた
形となっていたが、その窓が埋まった格好となった。
 市場は来週の9月FOMCを前に、今週の米消費者物価指数(CPI)に注目してい
る。FOMC前の最後の主要指標となる。予想では総合指数の前月比が7月の0.2%
から0.4%に加速し、前年比は2.7%から2.9%に上昇すると見込まれている。
コア指数の前年比は3.1%と7月と変わらずの見通し。エコノミストからは、「企業
は関税導入前に大量に積み上げた在庫をほぼ使い切っており、関税負担に対して脆弱な
状態となっている。そのため消費者への価格転嫁が起きやすい状況にある」との声も出
ていた。
 短期金融市場では年内3回の利下げ確率を80%程度まで高めている。今月の利下げ
は完全に織り込まれ、焦点は0.50%ポイントの大幅利下げがの有無に移っている。
ただ、その可能性は現時点で10%程度。大幅利下げに至るには、今週のインフレ指標
がかなり弱い必要があるとの声も出ている。
 ただ、米CPIは高めの予想が多く、「企業は関税導入前に大量に積み上げた在庫を
ほぼ使い切っており、関税負担に対して脆弱な状態となっている。そのため消費者への
価格転嫁が起きやすい状況にある」との指摘も出ていた。
 ユーロドルは買いが続き、1.1765ドル付近まで一時上昇。21日線を上回り堅
調な推移を見せている。一方、ユーロ円は伸び悩んだものの173円台での推移が続い
た。
 本日は仏国民議会(下院)でバイル首相に対する信任投票が実施され、事前の予想通
りに首相は敗北した。警戒感から新規ポジションの構築を控えているとの指摘も出てい
たが、結果判明後のユーロの反応は限定的となった。
 一方、今週にECB理事会を控え、ユーロの強気ポジションへの需要は堅調。オプシ
ョン市場では1週間物のボラティリティが年初来の平均よりも低い水準で推移してい
る。
 ポンドドルも買い戻しが続いた。1.35ドル台半ばまで上昇し、21日線の上を維
持。一方、ポンド円は前日の石破首相の辞任表明による円安から、東京時間に一時20
0円台を回復したものの維持できていない。しかし、199円台後半で推移し、底堅い
推移は続いていた。
 ストラテジストは、英国の厳しい財政見通しを背景にポンドは中期的に下落する可能
性があると指摘。「増税が迫っており、成長鈍化とともにポンドの一段安は避けられな
い」と述べている。
 ただ、ポンド下落は緩やかなものになる可能性が高く、投資家は非常に忍耐強く待つ
か、投機筋がポンドの持ち高を手仕舞う局面を利用して、より良い参入水準を探る必要
があるという。
MINKABU PRESS