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2025年05月29日(木)05時31分

NY外為市況=一時145円台に上昇

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.83 + 0.50 (+ 0.35%) 145.08 / 143.85
ユーロ・ドル 1.1295 - 0.0033 (- 0.29%) 1.1345 / 1.1284
ポンド・ドル 1.3471 - 0.0036 (- 0.27%) 1.3522 / 1.3450
ドル・スイス 0.8269 - 0.0004 (- 0.05%) 0.8291 / 0.8245
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
リッチモンド連銀製造業指数(5月)23:00
結果 -9
予想 -11 前回 -13
*FOMC議事録
・不確実性の中で慎重なアプローチが適切。
・不確実性の解消待つ状況は整っている。
・関税は予想を大幅に上回る規模と範囲。
・スタッフは景気後退の可能性を主要な予測と同程度に高いと指摘
・今後、困難なトレードオフの可能性があるとの見方。
*米5年債入札結果
最高落札利回り 4.071%(WI:4.075%)
応札倍率    2.39倍(前回:2.41倍)
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<明日の材料と事前予想>
【米国】
実質GDP(改定値)(第1四半期・前期比年率)21:30
予想 -0.3% 前回 -0.3%
個人消費
予想 1.8% 前回 1.8%
GDPデフレータ
予想 3.7% 前回 3.7%
コアPCE価格指数
予想 3.5% 前回 3.5%
新規失業保険申請件数(05/18 - 05/24)21:30
予想 22.9万件 前回 22.7万件
中古住宅販売成約指数(4月)23:00
予想 -1.1% 前回 6.1%(前月比)
予想 N/A 前回 -0.1%(前年比)
米7年債入札(440億ドル)
グールズビー・シカゴ連銀総裁、マキナック政策会議出席(質疑応答あり)
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論会参加(質疑応答あり)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は買いが優勢となり、一時145円台に上昇する場面
が見られた。トランプ大統領がEUに対する関税の引き上げを7月9日に延期すると発
表したことをきっかけに、市場は先週の不安定な状況から落ち着きを取り戻している。
それに伴ってドル円も買い戻しが優勢となっている状況。
 トレーダーからは、一部のヘッジファンドがドル円にショートカバーを出していると
の声も出ている。急上昇していた日本国債の利回りも安定し、それに伴って米国債も安
定していることから、ショートポジションを解消したようだという。ただ、ドル離れへ
の懸念も根強くある中、145円台に入ると売り圧力も強まるようだ。
 買い戻しが出ているドル円だが、現在の最大のリスクは、米経済見通しの軟化、関税
の影響、ドル離れへの期待の高まりなどが挙げられる。一方、円ロングが過剰に積み上
がっており、きっかけがあればその巻き返しが出やすい状況にもある。前日の米消費者
信頼感指数のような予想外に強い米経済指標などが出て、市場の雰囲気がさらに改善す
れば、それが一気に出る可能性もありそうだ。
 ユーロドルは戻り売りが優勢となっており、1.12ドル台に下落している。本日の
21日線が1.1270ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。
 来週6月5日にECB理事会が予定されている。市場では0.25%ポイントの利下
げ期待では一致しているものの、その後については見方が分かれている。中銀預金金利
は2.00%まで低下し、ECBの中立金利のレンジ(1.75-2.25%)の中間
点に到達するが、それ以降は当面休止との見方と、7月、9月も利下げを実施し、中銀
預金金利を1.50%まで引き下げるとの見方が出ている。
 ただ、ECBは理事会ごとのデータ依存型の対応姿勢を強調すると予想されることか
ら、明確に次の行動を示唆することはないとも見られている。
 ポンドドルも戻り売りに押されており、一時1.34ドル台半ばに下落する場面が見
られた。ただ、今年に入ってからの上昇トレンドを崩しそうな動きまでは見られていな
い。
 エコノミストは、英中銀が10月から積極的な量的引き締めを停止するとの見方を背
景に、英国債利回りは今後数カ月間で緩やかに低下する可能性が高いと指摘している。
さらに、英債務管理庁(DMO)が長期債の発行を減らすとの決定も、利回りの緩やか
な低下を後押しするという。
 英国債利回りは財政への懸念や、関税による世界経済への不安から上昇圧力に直面す
る可能性が指摘されている。なお、英国は直接的な関税の影響は小さい。
MINKABU PRESS