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2024年06月28日(金)05時36分

NY外為市況=160円台後半に戻す

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  160.79 - 0.02 (- 0.01%) 160.82 / 160.29
ユーロ・ドル 1.0704 + 0.0023 (+ 0.22%) 1.0726 / 1.0677
ポンド・ドル 1.2641 + 0.0019 (+ 0.15%) 1.2671 / 1.2613
ドル・スイス 0.8988 + 0.0014 (+ 0.16%) 0.8988 / 0.8957
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<きょうの材料>
【米国】
*実質GDP(確報値)(第1四半期)21:30
結果 1.4%
予想 1.5% 前回 1.3%
個人消費
結果 1.5%
予想 2.0% 前回 2.0%
GDPデフレータ
結果 3.1%
予想 3.0% 前回 3.0%
PCEコアデフレータ
結果 3.7%
予想 3.6% 前回 3.6%
*新規失業保険申請件数(06/16 - 06/22)21:30
結果 23.3万件
予想 23.4万件 前回 23.9万件(23.8万件から修正)
*継続受給者数(06/09 - 06/15)
結果 183.9万件
予想 182.3万件 前回 182.1万件(182.8万件から修正)
*卸売在庫(速報値)(5月)21:30
結果 0.6%
予想 0.1% 前回 0.2%(0.1%から修正)(前月比)
*中古住宅販売成約指数(5月)23:00
結果 -2.1%
予想 1.0% 前回 -7.7%(前月比)
結果 -6.6%
予想 -4.6% 前回 -0.8%(前年比)
*米7年債入札結果
最高落札利回り 4.276%(WI:4.279%)
応札倍率    2.58倍(前回:2.43倍)
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・第4四半期に1回の利下げ見込むと再表明。
・「利下げ」、「なし」、「利上げ」のシナリオも。
・最近のインフレ指標は失速シナリオを後押し。
・物価上昇の幅が縮小したのは有望な兆候。
・インフレは25年かそれ以降に2%への低下を予想。
・リスクは均衡しつつあるが、インフレが最大の懸念材料。
・25年に4回の利下げ見通しをドットプロットで示した。
・5月のCPI後も予想を変更せず。
・インフレが2%に戻ることを絶対的に確信する必要。
*ボーマンFRB理事
・利下げはまだ適切ではないと繰り返す。
・インフレが必要なら利上げも辞さないと繰り返す。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
完全失業率(5月)08:30
予想 2.6% 前回 2.6%
有効求人倍率
予想 1.25倍 前回 1.26倍
東京消費者物価指数(6月)08:30
予想 2.1% 前回 1.9%(生鮮食料品除くコア・前年比)
鉱工業生産(速報値)(5月)08:50
予想 2.0% 前回 -0.9%(前月比)
予想 0.2% 前回 -1.8%(前年比)
【英国】
実質GDP(確報値)(第1四半期)15:00
予想 0.6% 前回 0.6%(前期比)
予想 0.2% 前回 0.2%(前年比)
経常収支(第1四半期)15:00
予想 -170億ポンド 前回 -212億ポンド
【ユーロ圏】
失業率(6月)16:55
予想 6.0% 前回 5.9%
失業者数増減
予想 1.05万人 前回 2.50万人
【米国】
個人所得(5月)21:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
個人支出
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
PCEデフレータ(5月)21:30
予想 0.0% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.7%(前年比)
PCEコアデフレータ
予想 0.1% 前回 0.2%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.8%(前年比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(6月)22:45
予想 39.0 前回 35.4
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(6月)23:00
予想 65.6 前回 65.6
為替介入実績(5月30日-6月26日)
ECB消費者インフレ期待(5月)
ボウマンFRB理事が討論会参加(質疑応答あり)
バーキン・リッチモンド連銀総裁が会議出席(質疑応答あり)
イラン大統領選
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 きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが優勢となり、160円台後半に戻した。
前日は160円台を回復し、一気に160円台後半まで上昇。円安もさることながらド
ル高の動きもそれに加わった。ただ、本日はドル高が一服し、米国債利回りも下げたこ
とから、ドル円も160円台前半まで伸び悩む場面も見られていた。
 160円を一気に抜けたことで、日本の当局からのけん制発言も相次いでいたが、現
段階での実弾介入はないと思われているようで、下がったところでは押し目買いも活発
に出ていたようだ。NY時間に入ってその下げを取り戻した格好となっている。
 きょうは第1四半期の米GDP確報値が公表され、改定値から上方修正されていた。
ただ、GDPの7割を占める個人消費が改定値の2.0%から1.5%に大きく下方修
正された。エコノミストからは、個人消費の減速は景気にとって不吉な兆候となる可能
性があるとの指摘も出ていた。
 市場は明日の5月のPCEデフレータを待っている。ストラテジストからは、結果次
第でドル円が上げを加速させる場合は、財務省が再介入を行う可能性があるとの見方も
出ている。ただ、先日の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)のデー
タからは鈍化が見込まれ、その通りであれば、テクニカル的にも買われ過ぎの領域にあ
るドル円は売りが出易いという。過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは70を超
えている。
 ユーロドルも買い戻されていた。1.07ドル台に戻しており、6月中旬以降、何度
か試した1.06ドル台の下値水準はサポートされている。ただ、日曜日に第1回目の
仏選挙の投票を控える中、上値には慎重。また、ECBが市場の期待ほど利下げを実施
しないのではとの観測もユーロの上値を重くしているようだ。
 その仏選挙だが、ドイツのリントナー財務相は、選挙結果が仏国債の危険な急落の引
き金となった場合、ECBが介入して買い支えすることはドイツで違法になる可能性が
あると述べた。同財務相はIfo研究所のイベントで、このシナリオについて質問され
「ECBによる介入は経済的、憲法的にいくつかの問題を引き起こすだろう」と述べて
いた。
 ポンドドルは緩やかに買い戻され、一時1.2670ドル付近まで上昇。本日1.2
640ドル付近に来ている100日線を回復する展開が見られているが、英中銀の8月
利下げへの期待が根強く、かつFRBの利下げに慎重姿勢が伝わる中で、ポンドドルは
6月中旬以降の下向きの流れを継続している。
 本日は7月4日の英総選挙に向けてスナク首相と野党・労働党のスターマー党首の最
終のテレビ討論会が行われた。世論調査では互角との評価が出ている。労働党の優勢が
伝えられる中、スナク首相にとっては最後のチャンスだったのかもしれないが、形勢は
変わらなかったようだ。
 労働党が政権を取れば近隣諸国との関係改善が期待されているようだが、同党のマニ
フェストではEUへの再加盟を否定しており、単一市場や関税同盟への復帰も公約して
いない。そのため、ポンドの軌道を変えることはないとも見られている。
MINKABU PRESS