9日の東京株式市場は大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は一時1700円以上も
下落する場面があった。その後は下げ渋ったものの引け際に大口売りが出て約1300
円の大幅安で取引を終えている。
大引けの日経平均株価は前営業日比1298円55銭安の3万1714円03銭と大
幅反落。プライム市場の売買高概算は27億5165万株、売買代金概算は5兆529
5億円。値上がり銘柄数は148、対して値下がり銘柄数は1473、変わらずは16
銘柄だった。
きょうの東京市場は再びリスクオフ一色に染まり、全体の90%の銘柄が下落する全
面安商状となった。前日の米国株市場ではNYダウが朝高後に一貫して水準を切り下
げ、結局300ドルあまりの下落となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価
指数も漸次下値を探る動きで2%超下げるなど引け味の悪い展開だった。これを受けて
東京市場でも投資家のセンチメントが悪化している。外国為替市場で円高に振れたこと
も警戒された。トランプ米政権による相互関税が午後に発動され、中国を筆頭に世界経
済への影響が懸念されるなか、幅広い銘柄に売りがかさんだ。相互関税に対し、中国も
全面対決の姿勢をみせており、機関投資家の持ち高を減らす動きや、個人投資家の追い
証発生に伴う投げ売りが下げを助長した。なお、売買代金は5兆5000億円台と前日
を上回る水準をこなした。
個別では、売買代金首位となった三菱重工業<7011>が軟調なほか売買代金上位のI
HI<7013>、川崎重工業<7012>など防衛関連の下げが目立つ。また、三菱UFJフ
ィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクも再び下値を探る展開に。ディスコ<
6146>、アドバンテスト<6857>など半導体主力株やフジクラ<5803>なども大きく水
準を切り下げた。ソフトバンクグループ<9984>も大幅安。リクルートホールディング
ス<6098>が大きく値を下げ、武田薬品工業<4502>も安い。武蔵精密工業<7220>が
値下がり率トップに売り込まれ、安川電機<6506>も急落した。
半面、フジ・メディア・ホールディングス<4676>が高く、KDDI<9433>、ニト
リホールディングス<9843>もしっかり。日本製鋼所<5631>が大きく買われた。神戸
物産<3038>が値上がり率トップに買われ、パルグループホールディングス<2726>も
大幅高。ロート製薬<4527>、グッドコムアセット<3475>も高い。
出所:MINKABU PRESS