経済ニュース

<< 一覧に戻る

2025年07月24日(木)05時30分

NY外為市況=一時146円台前半

--------------------------------------
日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  146.46 - 0.17 (- 0.12%) 147.21 / 146.11
ユーロ・ドル 1.1773 + 0.0019 (+ 0.16%) 1.1775 / 1.1711
ポンド・ドル 1.3581 + 0.0048 (+ 0.35%) 1.3584 / 1.3515
ドル・スイス 0.7922 - 0.0001 (- 0.01%) 0.7950 / 0.7911
------------------------------------
<きょうの材料>
【米国】
中古住宅販売件数(6月)23:00
結果 393万件
予想 402万件 前回 404万件(403万件から修正)
*米20年債入札結果
最高落札利回り 4.935%(WI:4.951%)
応札倍率    2.79倍(前回:2.58倍)
*米国とEU、15%関税合意に近づく
 米国とEUが15%関税合意に接近との報道が伝わった。米国が欧州からの輸入品に
15%の関税を課すことを含む貿易協定の締結に近づいているという。
*トランプ大統領
 前日に日米の貿易協議が急転直下で合意し、日本からの輸入品の相互関税は15%に
決まった。トランプ大統領はSNSで、日本は米国との貿易合意の一部として、数十億
ドル相当の防衛装備品などを購入することに合意したと投稿。
*日本からの投資額5500億ドル、トランプ大統領の「裁量で」
 ホワイトハウスのレビット報道官は、日本が米国に投資することで合意した5500
億ドルについて、トランプ大統領の裁量に委ねることになると述べた。
*ラトニック米商務長官
 日本は自動車関税の引き下げを「買った」
*ジョンソン下院議長
 ジョンソン米下院議長はインタビューで、「パウエル議長には幻滅している」と述べ
た。トランプ大統領は、金利据え置きを続けるパウエル議長への不満をことあるごとに
表明している。
*EU、合意せず関税を実行した場合、1000億ユーロ相当の製品に報復関税
 EUは米国との合意が成立せず、トランプ大統領が8月1日以降にEUからの輸出品
の大半に30%の関税を課すという脅しを実行に移した場合、1000億ユーロ相当の
米国製品に30%の報復関税を課す計画だと伝わった。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツGfK消費者信頼感調査(8月)15:00
予想 -19.3 前回 -20.3
ドイツ製造業PMI(速報値)(7月)16:30
予想 49.5 前回 49.0
ドイツ非製造業PMI(速報値)(7月)16:30
予想 50.0 前回 49.7
ユーロ圏製造業PMI(速報値)(7月)17:00
予想 49.8 前回 49.5
ユーロ圏サービス業PMI(速報値)(7月)17:00
予想 50.6 前回 50.5
ECB政策金利(7月)21:15
予想 2.00% 前回 2.00%
ラガルド総裁会見 21:45
【英国】
製造業PMI(速報値)(7月)17:30
予想 48.0 前回 47.7
サービス業PMI(速報値)(7月)17:30
予想 52.9 前回 52.8
【カナダ】
小売売上高(5月)21:30
予想 -0.9% 前回 0.3%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.3%(コア・前月比)
【米国】
新規失業保険申請件数(07/13 - 07/19)21:30
予想 22.6万件 前回 22.1万件
製造業PMI(速報値)(7月)22:45
予想 52.7 前回 52.9
非製造業PMI
予想 53.0 前回 52.9
コンポジットPMI
予想 52.8 前回 52.9
新築住宅販売件数(6月)23:00
予想 63.5万件 前回 62.3万件
中国・EU首脳会談
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル円は後半に下げ渋ったものの、序盤は売りが先行し、一
時146.10円付近まで下落する場面が見られた。本日の21日線が146.20円
付近に来ており、その水準に一時顔合わせした。21日線はサポートされている。
 ドルは主要通貨に対してまちまちな動きを見せる一方、円は日米の合意と、本人は否
定はしているものの、石破首相の進退に関する憶測が高まっており、市場も神経質な展
開が見られていた。
 円安シナリオも根強くある。主要国の中で、米国との交渉で最初に合意に漕ぎ着けた
のが日本だったが、それでもモデルは円に対して弱気のままだとの指摘が出ていた。円
への逆風となっているのは、実質金利が極めてマイナスである点と、巨額の財政赤字、
そして低迷する経済に加えて悪化する人口動態といった構造的な要因だという。
 今回の日米の合意は、こうした問題を解決するものではない。むしろ米国が高関税を
固定し、自国に新たな資本を投じることを約束させている点で、問題を多少なりとも悪
化させる可能性さえあるという。
 また、政局が流動化しているが、アナリストからは次期首相が高市氏ならば円安シナ
リオの可能性があるとの指摘も出ていた。高市氏は積極財政派で、財政拡大が予想され
るほか、日銀に利上げを遅らせるよう圧力かけるのではないかという思惑から、円安に
繋がる可能性があるという。
 きょうのユーロドルはNY時間に入って買いが優勢となり、1.17ドル台後半まで
買い戻された。ドルが軟調に推移していることに加え、日米の合意を受けて、EUも1
5%で合意に接近との報道も流れ、ユーロはサポートされた。
 米国は日本と同様にEUからの輸入品に15%の関税賦課で協定締結に接近している
という。ただ、航空機、蒸留酒、医療機器など一部の製品は対象から除外する見通し。
この15%関税には米国が設定した基礎税率10%が含まれており、既存の関税率が約
4.8%であることを踏まえると、15%は実質的に現行水準の関税を踏襲するものだ
という。
 一方、明日はECB理事会が開催される。今回は据え置きがほぼ確実視されており、
市場は9月理事会に向けたヒントを探っている。理事会前にEUと米国が合意するか確
認する必要はありそうだが、もし15%で決まったとしても、影響を検証する時間が必
要となり、今回は明確なヒントを示す可能性は低いとも見られているようだ。ただ少な
くとも、市場の9月利下げへの期待を打ち消すようなメッセージを発することは無いと
も見られている。
 ポンドドルは3日続伸し、1.35ドル台後半まで上昇。本日の21日線がその付近
に来ており、顔合わせした格好となっている。本日のポンドは対ユーロでも上昇してい
るが、ポンドに関しては英財政問題を背景に対ユーロでの最近の下落は今後も続く見通
しだとの指摘がアナリストから出ている。理由として英国の厳しい財政状況を挙げてい
る。
 前日発表されたデータでは、6月の英政府借入額が予想を上回る207億ポンドに達
し、月次の記録が始まった1993年以降、6月としては2番目に高い数字となった。
「この数字は英財政の持続可能性へのリスクに再び注目を集めるものだ」という。この
ような状況から、今後のポンドのリスクは下向きに傾いていると指摘している。
MINKABU PRESS