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2024年06月18日(火)05時34分

NY外為市況=一時158円手前まで上昇

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  157.73 + 0.33 (+ 0.21%) 157.96 / 157.16
ユーロ・ドル 1.0734 + 0.0031 (+ 0.29%) 1.0738 / 1.0686
ポンド・ドル 1.2705 + 0.0018 (+ 0.14%) 1.2710 / 1.2659
ドル・スイス 0.8898 - 0.0009 (- 0.10%) 0.8932 / 0.8896
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<きょうの材料>
*NY連銀製造業景気指数(6月)21:30
結果 -6.0
予想 -14.0 前回 -15.6
*ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
・政策の上振れと下振れのリスクバランスが取れて来た。
・経済が予想通りに推移すれば、年内の1回の利下げが適切。
・不確実性の中、2回または無しの可能性も残る。
・政策は制限的であり、インフレを2%に近づける位置にある。
・最新のCPIは大歓迎。
・成長鈍化、トレンド以上の成長、失業率上昇を予想。
*パウエル議長が7月9日に上院で証言
 パウエルFRB議長が7月9日に米上院の銀行委員会で金融政策に関する半期に一度
の証言を行う。同委員会のシェロッド・ブラウン委員長の事務所が17日に発表した。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
中銀政策金利(6月)13:30
予想 4.35% 前回 4.35%
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(6月)18:00
予想 50.0 前回 47.1
ユーロ圏消費者物価指数(確報)(5月)18:00
予想 2.6% 前回 2.6%(前年比)
予想 2.9% 前回 2.9%(コア・前年比)
【米国】
小売売上高(5月)21:30
予想 0.3% 前回 0.0%(前月比)
予想 0.2% 前回 0.2%(自動車除くコア・前月比)
企業在庫(4月)23:00
予想 0.3% 前回 -0.1%(前月比)
鉱工業生産指数(5月)22:15
予想 0.4% 前回 0.0%(前月比)
設備稼働率
予想 78.6% 前回 78.4%
日銀国債買い入れオペ(1-3年、3-5年、5-10年、10-25年)
コンウェイNZ中銀チーフエコノミスト、イベント「インフレ:2%回帰への道」講演
クーグラーFRB理事がピーターソン国際経済研究所で経済見通しおよび金融政策につい
て講演(質疑応答あり)
グールズビー・シカゴ連銀総裁が2024マーシャルフォーラム参加
クックFRB理事が2024マーシャルフォーラム「米英戦略経済対話」出席
コリンズ・ボストン連銀総裁がイベント講演
ローガン・ダラス連銀総裁が講演
ムサレム・セントルイス連銀新総裁が経済および金融政策について講演(質疑応答あ
り)※投票権持つのは2025年
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 きょうのNY為替市場、ドル円は上値追いが続き158円手前まで一時上昇した。ド
ル自体は方向感のない値動きとなっているものの、根強い円安がドル円の下値をサポー
トしている。ただ、以前ほどドル高の勢いもないことから、160円を試しそうな雰囲
気まではまだない。
 先週のFOMC、日銀、米インフレ指標を通過して、ドル円は底堅く推移している。
FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)は3月の年内3回から1回に下方修正
され、予想通りのタカ派への変更ではあったものの、市場は年内2回の利下げ期待を織
り込んでいる。鈍化期待を示唆した米インフレ指標の方に市場は重点を置いているよう
だ。
 一方、日銀は国債購入減額の方針こそ示したものの、今回は具体策の発表は見送っ
た。7月の決定会合で発表するとしている。追加利上げについても何もヒントを示さな
かった。海外勢中心に日銀の正常化期待が高まっているが、今回の決定は予想通りでは
あったものの、物足りなかった模様。
 春闘での賃金引上げ発表以降、中小企業を含めた全体の賃金動向とその持続性、そし
て個人消費に好影響が出ているのか何も確認できていない。そのような中で、日銀も正
常化の方向性は示しているものの、慎重姿勢を堅持しているようだ。
 ユーロドルは先週の下げが一服し、1.07ドル台に戻した。欧州議会選挙での右派
の勝利、マクロン仏大統領の総選挙実施、フランスでのルペン氏率いる右派政党・国民
連合(RN)の支持拡大、そしてフランス国債の急落といった一連の流れで、ユーロド
ルは売りが強まり、先週末には1.0670ドル近辺まで下落していた。
 本日はフランス国債への売り圧力が一服しており、ユーロも下げを一服させている状
況。ルペン氏が次期国政選挙で勝利した場合でも、マクロン大統領と協力すると発言し
たことが安心感に繋がっている。勝利してもマクロン大統領を追い出すつもりはないと
述べた。ただ、市場ではなお懐疑的な見方も根強い。この問題が落ち着かない限り、ユ
ーロを買い戻しも躊躇されそうだ。
 ポンドドルは先週末の下げを一服させ、1.27ドル台に戻した。先週はフランスの
政局不安を材料にしたユーロ安にポンドも連れ安となり、ポンドドルは1.26ドル台
半ばまで下落していた。21日線をブレイクした格好となっており、早急に戻させるか
注目される。
 その意味でも今週のポンド関連のイベントは重要になる。19日に英消費者物価指数
(CPI)などのインフレ指標が公表されるほか、20日には金融政策委員会(MP
C)が予定されている。今回は据え置きが有力視されているが、委員の投票は7対2で
の据え置きになるとの見方が出ている。2名の委員が利下げに投票すると予想している
という。失業率が4.4%に上昇し、英CPIは19日に目標の2%達成が予想される
など、最近のデータは利下げ開始を支持している。しかし一方で、今後の賃金データと
サービスインフレに対する懸念も根強い状態。
 英中銀は8月に利下げを実施する可能性が高いと予想しているが、短期金融市場では
現在、その確率を50%未満で織り込んでいるとも述べていた。
MINKABU PRESS