経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年06月13日(木)05時55分

NY外為市況=ドル円は下に往って来い

--------------------------------------
日本時間午前5時54分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.73 - 0.40 (- 0.25%) 157.37 / 155.72
ユーロ・ドル 1.0810 + 0.0069 (+ 0.64%) 1.0852 / 1.0735
ポンド・ドル 1.2797 + 0.0057 (+ 0.45%) 1.2860 / 1.2733
ドル・スイス 0.8944 - 0.0032 (- 0.36%) 0.8983 / 0.8893
------------------------------------
<きょうの材料>
【米国】
*消費者物価指数(CPI)(5月)21:30
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.3%
予想 3.4% 前回 3.4%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.3%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
結果 3.4%
予想 3.5% 前回 3.6%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +373万(4億5965万)
ガソリン +256.6万(2億3351万)
留出油  +88.1万(1億2337万)
(クッシング地区)
原油 -159.3万(3382万)
()は在庫総量
*FRB政策金利 13日3:00
結果 5.25~5.50%
予想 5.25~5.50% 前回 5.25~5.50%
※発言・ニュース
*パウエルFRB議長
・インフレで確信強めるにはさらに良好なデータ必要。
・インフレは大幅に緩和されたが、まだ高過ぎる。
・FRBは需給を引き下げるために制限的スタンスを維持。
・FRBはGDPが昨年のペースから減速すると予想。
・雇用の増加ペースは依然堅調だが、第1四半期よりは鈍化。
・移民の増加ペースが堅調で新規雇用を後押し。
・FOMCは労働市場の力強さが続くと予想。
・われわれは良いインフレを想定。
・良いインフレの数字について具体的には述べない。
・2.6%、2.7%のインフレならいいところだ。
・政策はインフレだけでなく、データの総合性に左右。
・けさのCPIについて説明を受けた。
・大半の当局者は会議の途中で予測を更新することはない。
・求人倍率と賃金上昇率は低下。失業率は若干上昇。
・雇用統計の差異を調整できないこともある。
・全体としては、雇用市場は堅調だが冷え込んでいる。
・FOMCでは誰も利上げは想定していない。
・FOMCは金利はパンデミック前の水準には戻らないと考え始めた。
*FOMC声明
・インフレはここ数カ月で緩やかにさらに進展。
・採決は全会一致。
*デギンドスECB副総裁
・不確実性のレベルが非常に大きい
・この先6カ月間の金利の道筋は確定していない。
・基調インフレのすべての指標が同じ方向に進んでいる。
・予想の下方修正と上方修正によるサプライズを理解せよ
・インフレ予測は僅かに上方修正。
・インフレ見通しの主なリスクはサービス業。
・新たな賃金データはECBの予想シナリオと一致。
・慎重にゆっくりと動く必要。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【英国】
RICS住宅価格指数(5月)08:01
予想 -4.0% 前回 -5.0%
【豪州】
雇用者数増減(5月)10:30
予想 2.70万人 前回 3.85万人
失業率
予想 4.0% 前回 4.1%
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)18:00
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
予想 -1.9% 前回 -1.0%(前年比)
【米国】
生産者物価指数(PPI)(5月)21:30
予想 0.1% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.2%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.5%(コア・前月比)
予想 2.5% 前回 2.4%(コア・前年比)
新規失業保険申請件数(06/02 - 06/08)21:30
予想 21.9万件 前回 22.9万件
ウィリアムズNY連銀総裁、イエレン米財務長官がNYエコノミッククラブ主催会議出席
テスラ年次株主総会
G7首脳会議(15日まで)
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル円は一時155円台に下落したものの後半に156円台
後半に戻した。この日の米消費者物価指数(CPI)が2カ月連続でインフレの鈍化傾
向を示したことから、市場は利下げ期待を復活させ、年内2回の利下げを織り込む動き
を見せていた。それに伴ってドル円も155円台まで急速に下落。
 その後のFOMCが注目されたが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)
は1回の利下げ予想に留まった。市場も米CPI後の2回の利下げ期待を後退させ、ド
ル円も買い戻しが強まったが、なお高い確率で2回の利下げを織り込んでいる。一部か
らは「今回のドット・プロットは5月の米CPIを考慮していない可能性が高い」との
指摘も出ていた。ディスインフレがさらに続けば、年内に2回の利下げが実施される可
能性が高いという。
 なお、その後のパウエル議長の会見は、インフレの進展に言及したものの、まだ高過
ぎるとし、確信を強めるにはさらに良好なデータ必要との認識を示していた。タカ派な
雰囲気まではないが、ハト派でもなく、バランスを取った発言に終始している印象。
 ユーロドルは後半に伸び悩んだものの、1.08ドル台を回復している。本日の上げ
で200日線と100日線を回復しており、明日以降の動きが注目される。
 ECBによると、世界の準備通貨に占めるユーロの割合が昨年低下し、2017年以
降で最低となったと報告した。各国はユーロ建て資産を1年間で約1%ポイント減ら
し、第4四半期末の外貨準備に占めるユーロの割合を20%に低下させた。2022年
は21%、2017年は19.2%だった。
 ユーロの人気が低下した理由としてECBは、ウクライナ戦争でロシアに課された制
裁関連措置とスイス中銀による為替介入を挙げている。ECBはロシアが外貨準備の約
40%をユーロで保有していると指摘。昨年末の外貨準備高は全体で約11.2兆ユー
ロ。ECBによると、ドル、円、非伝統的準備通貨のシェアは上昇したという。一方、
バランス上はユーロの国際的な役割は2023年もほぼ安定しているとも述べている。
 ポンドドルも買い戻しが強まり、一時1.28ドル台半ばまで上昇したものの、1.
28ドルちょうど付近に伸び悩んでいる。英国では7月4日に総選挙が控えており、市
場も行方を注目している。世論調査では野党・労働党の優勢が伝えられており、政権交
代が視野に入っているようだ。労働党政権になれば、EUとの関係が再構築されポンド
にとって有利との指摘もあれが、エコノミストからはポンドや英国債に与える影響は軽
微との見方も出ている。
 投資家の関心は、英中銀が利下げに踏み切る可能性がある8月の政策委員会を前にし
た経済指標に向けられるという。選挙は目先の目くらましにはなるが、影響は最小限に
留まると見ているようだ。また、短期金融市場では8月利下げの確率を50%程度で見
ているが、市場は過小評価しているとも述べた。
MINKABU PRESS