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2024年06月11日(火)05時31分

NY外為市況=ドル円は157円付近

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  157.05 + 0.30 (+ 0.19%) 157.20 / 156.52
ユーロ・ドル 1.0764 - 0.0037 (- 0.34%) 1.0809 / 1.0733
ポンド・ドル 1.2732 + 0.0013 (+ 0.10%) 1.2739 / 1.2688
ドル・スイス 0.8965 - 0.0001 (- 0.01%) 0.8983 / 0.8954
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*米3年債入札結果
最高落札利回り 4.659%(WI:4.648)
応札倍率    2.43倍(前回:2.63倍)
*NY連銀消費者調査
 NY連銀が5月の消費者調査を公表していたが、1年先のインフレ期待は3.2%
と、前回の3.3%から小幅に低下。3年先のインフレ期待は2.8%で横ばい。5年
先は前回の2.8%から3.0%に僅かに上昇した。一方、米消費者は株式市場の見通
しに強気になっていることが明らかとなり、過去3年間で最も楽観的であることが示さ
れた。
*ラガルドECB総裁
・金利は一直線に下がる道筋にない。
・金利を据え置く期間が複数回あるかもしれない。
・中立金利はパンデミック前よりも高い公算大。
・ディスインフレは十分に進んだ。さらに継続する。
・ECBはあらかじめ決まった金利の道筋にはいない。
・ECBはまだインフレ退治の勝利宣言はしない。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
ILO失業率(4月)15:00
予想 4.3% 前回 4.3%
週平均賃金(4月)15:00
予想 5.7% 前回 5.7%(前年比)
予想 6.1% 前回 6.0%(除く賞与・前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(4月)21:30
予想 5.1% 前回 -11.7%(前月比)
レーンECBチーフエコノミストが会議出席「ユーロ圏のインフレ:金融政策に与える影
響」
ビルロワドガロー仏中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が会議出席
OPEC月報
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 きょうのNY為替市場、全体的に小動きの中で、ドル円は157円付近での推移。先
週末の米雇用統計が予想以上にインフレの粘り強さを示唆す内容となったことで、ドル
円も157円台を回復。本日は上げが一服していたものの、底堅い値動きが続いてい
る。
 市場は今週の米消費者物価指数(CPI)とFOMCの結果発表待ちの雰囲気が強ま
っている。投資家はそれらのイベントを分析し、利下げのタイミングとペースについて
何らかのヒントを得ようとしている。
 一部からは「先週の米雇用統計は雇用の粘り強さを示し、FRBはタカ派スタンスに
転じると考えられるが、下半期の利下げの可能性を排除することはない。基本シナリオ
は9月と12月の2回の利下げで、2番目に可能性が高いのは1回の利下げだ」と指摘
し、FOMC委員の金利見通し(ドットプロット)およびパウエル議長の会見は、予想
ほどタカ派的でないかもしれないとの声も聞かれる。
 本日はユーロの下落が目立ち、ユーロドルは一時1.07ドル台前半に下落したほ
か、対円、ポンドでもユーロは下落していた。週末の欧州議会選挙でフランスとドイツ
の与党が敗北を喫したことで、EU内の政治不安がユーロを圧迫。
 選挙ではフォンデアライエン欧州委員長が率いる中道右派が過半数を確保する見通し
となり、特にフランスでは極右政党の大勝が見込まれ、マクロン仏大統領が議会下院を
解散し総選挙実施の意向を示した。
 先週末の強い米雇用統計でユーロドルは戻り売りが強まっていたが、本日はその動き
を加速させ、200日線を一気に割り込んでいる。早期にその水準を回復できないよう
であれば、4月中旬からのリバウンド相場に黄色信号が点灯する。
 ポンドドルはNY時間に入って買い戻しの動きが見られ、1.27ドル台に戻した。
本日は欧州議会選挙の結果を受けたユーロ下落にポンドも対ドルで連れ安の動きが見ら
れ、一時1.26ドル台に下落していた。21日線を一時下回っていたが、NY時間の
買戻しでその水準は維持されている。
 明日は2-4月の英雇用統計が発表される。ILO失業率は3カ月平均で4.3%と
前回と変わらずの水準が見込まれている。そして注目の週平均賃金(除く賞与)も前年
比6.1%と前回から若干の伸び拡大が見込まれており、予想通りであれば、インフレ
鈍化を裏付ける内容とはなりそうにない。
 来週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されており、据え置きが確実視され
ている。短期金融市場では9月か11月の利下げを織り込んでいるが、9月までなら6
5%程度の確率、11月までなら完全織り込みといった状況。ECBは先週の理事会で
利下げを開始したが、追加利下げには慎重姿勢を示している。FRBも利下げ開始に慎
重なことが予想される中で、英中銀の動向も注目される。
MINKABU PRESS