経済ニュース

<< 一覧に戻る

2025年10月09日(木)05時34分

NY外為市況=一時153円ちょうど

--------------------------------------
日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  152.71 + 0.81 (+ 0.53%) 153.00 / 151.74
ユーロ・ドル 1.1627 - 0.0030 (- 0.26%) 1.1661 / 1.1599
ポンド・ドル 1.3398 - 0.0028 (- 0.21%) 1.3438 / 1.3371
ドル・スイス 0.8021 + 0.0039 (+ 0.49%) 0.8029 / 0.7977
------------------------------------
<きょうの材料>
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +371.5万(4億2026万)
ガソリン -160.1万(2億1909万)
留出油  -201.8万(1億2156万)
(クッシング地区)
原油 -76.3万(2270万)
*()は在庫総量
*FOMC議事録
・数名の委員が据え置きを支持。
・大半は年内の追加利下げが適切と述べた。
・多くがインフレ見通しの上振れを強調。
・雇用情勢の下方リスクが高まっている。
・スタッフはインフレの上方リスクを認識。持続的となる可能性。
・一部は政策は特に引き締め的ではないと主張。
・複数名がバランスシート関連課題に言及。
・数名が関税を除けばインフレは目標値近いと発言。
・労働市場は小幅な軟化か、ほとんど変化なしの見通し。
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.117%(WI:4.114%)
応札倍率    2.48倍(前回:2.65倍)
*米、EUに対し貿易上の新たな譲歩や措置を要求と伝わる
 米国はEUに対し、貿易上の新たな譲歩やその他の措置を要求している。貿易戦争の
瀬戸際にあった米欧関係は最近結んだ合意で修復に向かっていたが、米国の要求はこの
合意を骨抜きにしかねない内容だと、EU当局者が明らかにした。
*ルコルニュ仏首相
・マクロン大統領は48時間以内に新首相を指名できる見込み。
・次期閣僚は大統領への野心を持つべきでない。
・210人以上の議員が安定基盤を要望している。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツ貿易収支(8月)15:00
予想 149億ユーロ 前回 148億ユーロ
日本5年利付国債入札(2兆4000億円程度)
豪消費者インフレ期待(10月)
ECB議事録(9月10日-11日開催分)
米30年債入札(220億ドル)
パウエルFRB議長が挨拶(事前収録)
ボウマンFRB副議長が挨拶
ベッセント米財務長官とボウマンFRB副議長が対談
バーFRB理事が経済会議出席
バーFRB理事、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がイベント出席
ユーロ圏財務相会合
※米政府機関閉鎖の影響で米新規失業保険申請件数と卸売在庫の発表は延期の見通し
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って伸び悩んだものの、本日も円安が
進行し、ドル円は一時153円ちょうどまで上げを加速させていた。ドル円の急速な上
げが波及しているのか、全体的に為替市場はドル高が優勢となっていたが、NY時間に
入って戻り売りも出ていた。
 ドル円については、ファンド勢も積極的に買いを入れているほか、ショートカバーや
投機筋の買いも観測されていた。市場の一部からは円キャリートレード復活の声も出て
いるようだが、さすがに過熱感は高まっており、過熱感を測るテクニカル指標であるR
SIは買われ過ぎの水準である70に到達した。
 来週にも実施される首班指名を無事通過できれば、高市政権が誕生する流れだが、市
場ではそれと伴に日銀の利上げペースが想定ほど早くはないのではとの憶測が広がって
いる。
 一部からは、そろそろ財務省による為替介入を気にする声も出ている。3週間で7円
ほど急速に円安・ドル高が進む中、155円が可能性として意識される水準だという。
ただ、介入リスクは現時点で差し迫ったものではなく、中にはドル円を押し目で拾うよ
う助言している日本の大手金融機関もあるという。当局からの発言は増えることが予想
されるものの、変動スピードは介入を正当化するほどではない述べている。
 ユーロドルは終盤に下げ渋ったものの、一時1.15ドル台に下落。一方、ユーロ円
は一時177円台後半まで上昇し、ユーロ発足以来の高値を更新していたものの、伸び
悩んだ。
 アナリストは、フランスのルコルニュ首相の辞任を受けて、年内にフランスが議会選
挙を実施する場合、短期的にユーロは下押し圧力を受ける可能性があると指摘してい
る。選挙が実施されれば政治的な不確実性の期間が長引き、ユーロにリスクが生じると
いう。
 同アナリストはこれまでユーロドルの年末目標を1.20ドルまで上昇としてきた
が、その場合、可能性は低くなると述べている。ただし、議会選挙の実施だけで、これ
まで年内の大半に渡って続いているユーロの上昇基調が持続的に反転するとは考えてい
ないとも付け加えた。
 ポンドドルは急速に戻り売りに押され、1.33ドル台に再び下落。特段の売りの材
料は見当たらなかったが、100日線と21日線に上値を拒まれ、上値が重くなってい
たことから、短期筋の見切り売りが出ていたようだ。一方、ポンド円は一時205円台
まで上昇していたものの、現在は204円台前半での推移となっている。さすがに過熱
感は否めない。
 きょうは英中銀チーフエコノミストのピル委員の発言がNY時間に入って伝わってい
たが、「中央銀行は広範な経済目標に引き込まれるべきでない。金融政策当局はインフ
レ抑制という本来の使命に専念すべきだ」と述べていた。
 「根本的な不確実性と深刻な構造変化が進む世界において、中央銀行が経済成長を狙
うようなアプローチを追求するべきではない」とし、追加利下げへの慎重姿勢も垣間見
せていた。「金融政策の目的は中期的な物価安定の実現であり、中央銀行はその目標に
集中し続けるべきだ」と強調していた。
MINKABU PRESS