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2025年10月07日(火)05時34分

NY外為市況=150円台を維持

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日本時間午前5時34分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  150.34 + 2.87 (+ 1.95%) 150.48 / 149.05
ユーロ・ドル 1.1711 - 0.0031 (- 0.26%) 1.1731 / 1.1652
ポンド・ドル 1.3485 + 0.0005 (+ 0.04%) 1.3490 / 1.3417
ドル・スイス 0.7949 - 0.0009 (- 0.11%) 0.7994 / 0.7947
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*トランプ大統領、中・大型トラックに25%の関税賦課へ
 トランプ大統領は、米国に輸入される全ての中型および大型トラックに対して、11
月1日から25%の関税を課すと表明した。国内産業の保護に向けて関税対象を再び拡
大した。
*ベッセント財務長官
 ベッセント財務長官が高市氏の自民党総裁選勝利に祝意を表明。Xに投稿した。
*ラガルドECB総裁
・成長への逆風、来年には弱まるはずだ。
・インフレは2%目標に依然近い。
・成長に対するリスクはより均衡した。
・賃金の伸びは一層鈍化する。
*公明党・創価学会に連立離脱論が浮上
 自民党新総裁に高市氏が就任したことを受け、公明党や支持母体の創価学会に連立離
脱論が浮上してきた。日本経済新聞が伝えた。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
景気動向指数(速報値)(8月)14:00
予想 107.0 前回 106.1(景気先行指数)
予想 113.0 前回 114.1(景気一致指数)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業新規受注(8月)15:00
予想 1.3% 前回 -2.9%(前月比)
予想 2.9% 前回 -3.4%(前年比)
【カナダ】
国際商品貿易(8月)21:30
予想 -57.0億カナダドル 前回 -49.4億カナダドル(国際商品貿易)
Ivey購買部協会指数(9月)23:00
予想 N/A 前回 50.1(Ivey購買部協会指数)
※米政府機関閉鎖の影響で米貿易収支の発表は延期の見通し
日本30年利付国債入札(7000億円程度)
中国外貨準備高(9月)
米3年債入札(580億ドル)
ミランFRB理事が政策見通しについて講演(質疑応答あり)
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がAIイベント出席
ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会出席(質疑応答あり)
香港市場は中秋節翌日のため休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時149円台に伸び悩む動きが見られたものの、
終盤に150円台に戻す展開となった。自民党総裁選で積極財政派の高市氏が新総裁に
決まり、事前の市場のシナリオ通りに円相場は円安の動きが強まった。一方、週明けの
日本株は急騰。
 財政拡大路線への懸念からの円安とは思われるが、日本国債の利回りはロンドン時間
に入ってから上昇したものの、本日はフランス首相の辞任のニュースもあり、他国の国
債利回りも上昇。日本国債もその流れに沿った動きとも取れ、さほど急激な動きは見ら
れていない。また、CDS市場でも日本国債5年物のスプレッドはさほど変化は見られ
ていない。こちらの方はいまのところ、落ち着いた反応を見せているようだ。
 序盤の下げは、高市総裁に近いとも言われている元内閣参与の本田氏のインタビュー
がきっかけ。本田氏は日銀の利上げについて、10月は難しいとの見方を示す一方、1
2月の可能性には言及していた。「いまのような環境であれば0.25%引き上げても
問題はない。仮に12月にやるとしても、米国は心配だが、そんなに混乱しなければ大
丈夫だろう」と述べていた。
 短期金融市場では、今月末の決定会合での利上げ確率は先週の55%程度から25%
程度に急低下している一方、12月については52%程度の確率で見ている。
 ユーロドルは、フランスのルコルニュ首相辞任のニュースで仏資産が急落し、ユーロ
もロンドン時間に売りが強まった。ユーロドルは一時1.16ドル台半ばまで下落した
ものの、NY時間に入って下げを解消し、1.17ドル台に戻す展開。一方、ユーロ円
はフランス首相の辞任のニュースが飛び込んだものの、力強い動きが続いており、17
6円付近で推移している。
 ただ、仏首相辞任を深読みし過ぎないよう市場は慎重になるべきだとの指摘も聞かれ
る。フランスの政治リスクを通してだけでユーロ相場を考えるのは、視野が狭過ぎると
いう。ここ数週間のフランス政治関連の報道に相場はほとんど反応しておらず、本日の
動きは単に投資家が飛び付いただけかもしれないと指摘している。
 米政府機関閉鎖でドル側の材料が出にくくなっていることも背景にあり、仏首相辞任
によるユーロ下落は長続きしそうにないという。
 ポンドドルは買い戻しが出て、1.34ドル台後半まで上昇。ただ、21日線と10
0日線の下で推移は続いており、上値の重い雰囲気に変化はないが、下値を試す動きも
ない状況。一方、円安の動きからポンド円は202円台に急伸し、本日高値圏での推移
が続いた。年初来高値を一気に更新しているが、今年夏までの上向きの流れに完全に戻
させるか注目される。
 次回の英中銀の政策決定はベイリー総裁の1票に左右される可能性が高いとの見方が
エコノミストから出ている。現在の金融政策委員会(MPC)はバランスは取れている
ものの意見が大きく割れている。先週ブリーデン委員は、「最近のインフレの高まりは
追加的なインフレ圧力にはつながらない」との見方を示す一方、タカ派のマン委員は
「より長期の据え置きを望む」と述べている状況。この委員会内の明確な対立状況を踏
まえると、最終判断はベイリー総裁に委ねられる可能性が高いという。
 「われわれは、ベイリー総裁が労働市場の下振れリスクや緩やかな利下げサイクルに
言及し、11月利下げに前向きな姿勢を示すかに注目している」と述べている。
MINKABU PRESS