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2025年03月20日(木)05時31分

NY外為市況=148円台に急落

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.71 - 0.56 (- 0.38%) 150.15 / 148.62
ユーロ・ドル 1.0901 - 0.0044 (- 0.40%) 1.0947 / 1.0861
ポンド・ドル 1.3002 + 0.0001 (+ 0.01%) 1.3011 / 1.2955
ドル・スイス 0.8777 + 0.0010 (+ 0.11%) 0.8809 / 0.8763
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<きょうの材料>
※経済指標
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +174.5万(4億3697万)
ガソリン -52.7万(2億4057万)
留出油  -281.2万(1億1478万)
(クッシング地区)
原油 -100.9万(2346万)
*()は在庫総量
*FRB政策金利 3:00
結果 4.25~4.50%
予想 4.25~4.50% 前回 4.25~4.50%
※発言・ニュース
*パウエル議長
・調査は景気の不透明感の高まりを示唆。
・調査は関税がインフレ期待を高めていることを示唆。
・新しい政策とその効果に関する不確実性は高い。
・インフレ期待上昇はかなりの部分が関税に起因。
・FRBは政策調整を急ぐ必要はない。
・関税でインフレ抑制の進展遅れる可能性も。
・関税によるインフレ期待の加速は一時的な可能性。
・関税による重大な影響を見込むのは時期尚早。
・リセッションの確率は上がったが高くはない。
・見通しは明らかになると思うが、いつになるかは不明。
・ミシガン大消費者信頼感指数のインフレ期待は異常。
FOMC経済見通し()は12月時点
*実質GDP
25年 1.7%(2.1%)
26年 1.8%(2.0%)
27年 1.8%(1.9%)
長期 1.8%(1.8%)
*失業率
25年 4.4%(4.3%)
26年 4.3%(4.3%)
27年 4.3%(4.3%)
長期 4.2%(4.2%)
*PCEデフレータ
25年 2.7%(2.5%)
26年 2.2%(2.1%)
27年 2.0%(2.0%)
長期 2.0%(2.0%)
*PCEコアデフレータ
25年 2.8%(2.5%)
26年 2.2%(2.2%)
27年 2.0%(2.0%)
*FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)
2025年末
3.625% 2人
3.875% 9人
4.125% 4人
4.375% 4人
中央値は3.875%
*FOMC声明
・経済見通しの不透明性が高まった。
・バランスシートのランオフを4月1日に減速開始。
・ウォラー理事がバランスシート方針に反対。金利は支持。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
雇用者数増減(2月)09:30
予想 3.2万人 前回 4.4万人
失業率
予想 4.1% 前回 4.1%
【中国】
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート)(3月)10:00
予想 3.1% 前回 3.1%(1年)
予想 3.6% 前回 3.6%(5年)
【英国】
ILO失業率(11-1月)16:00
予想 4.4% 前回 4.4%
週平均賃金(11-1月)16:00
予想 5.9% 前回 5.9%(除く賞与)
英中銀政策金利(3月)21:00
予想 4.50% 前回 4.50%
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(2月)16:00
予想 0.3% 前回 -0.1%(前月比)
予想 1.0% 前回 0.5%(前年比)
【スイス】
中銀政策金利(2025年 第1四半期)17:30
予想 0.25% 前回 0.50%
【米国】
経常収支(第4四半期)21:30
予想 -3300億ドル 前回 -3109億ドル
フィラデルフィア連銀景況指数(3月)21:30
予想 10.0 前回 18.1
新規失業保険申請件数(03/09 - 03/15)21:30
予想 22.2万件 前回 22.0万件
景気先行指数(2月)23:00
予想 -0.2% 前回 -0.3%(前月比)
中古住宅販売件数(2月)23:00
予想 393万件 前回 408万件
東京市場は春分の日の祝日
ECB経済報告
ラガルドECB総裁、欧州議会経済金融委員会(ECON)で講演
EU首脳会議
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 きょうのNY為替市場、午後のFOMCにドル安の反応が見られ、ドル円は148円
台に急落。一時は150円台を回復する場面も見られていた。FRBは予想通りに政策
を据え置いたが、注目されていた委員の金利見通し(ドット・プロット)は前回と変わ
らずの年内2回の利下げを見込んだ。また、経済見通しでは今年のGDP見通しを大幅
に下方修正した一方、インフレ見通しは上方修正している。
 さらにFRBは保有資産の縮小、いわゆるランオフのペースを4月1日から減速させ
ると発表した。エコノミストからは、この措置は利下げに等しいとの指摘も出ていた。
ドット・プロットでの年内2回の利下げ見通しは、市場の期待を正当化する内容ではあ
るが、一部からは根強いインフレから利下げ見通しを後退させるのではといった見方
や、逆に利上げシナリオなども浮上していたが、その見方は否定した格好となった。そ
れらがドル安の反応を引き出したようだ。
 ドル円は結局、150円台を維持できずに失速した格好となっている。
 ユーロドルは序盤に1.08ドル台に値を落としていたが、FOMCを通過して下げ
渋る展開となった。本日は2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)確報値が公表に
なっていたが、エコノミストは、ユーロ圏のインフレが低下する中、ECBが次の2回
の理事会で利下げを行う可能性が高いと指摘した。2月のユーロHICPは総合で2.
3%に低下した。重要な指標であるサービスインフレも低下しており、ECBの理事が
インフレが持続的に低下傾向にあると確信する可能性が高いと述べている。
 同エコノミストは「サービスインフレが引き続き低下することで、ECBは追加利下
げを行うと考えている」とし、来月と6月にそれぞれ0.25%ポイントの利下げを予
想しているという。
 ポンドドルもユーロドルと同様の展開。FOMC前に戻り売りが強まり、1.29ド
ル台半ばに値を落としていた。ここ数日、3月に入ってからの急速な買い戻しに一服感
が出てきていた中、本日は戻り売りが強まっている模様。
 明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されている。政策は据え置きが確実
視されており、声明や委員の投票行動が注目を集めそうだ。エコノミストからは、金利
に関する委員の投票が全会一致になる可能性は極めて低いとの指摘が出ている。
 9名の委員の投票はより均衡し、成長への下振れリスクを警告する発言が出れば、ポ
ンドには重荷になるかもしれない。とはいえ、英中銀のガイダンスの劇的な変更を正当
化するようなデータは出ておらず、年内2回の利下げを支持する市場の見方は妥当と思
われるとも述べた。
MINKABU PRESS