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2025年09月30日(火)05時32分

NY外為市況=148円台に下落

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.66 - 0.83 (- 0.56%) 149.63 / 148.47
ユーロ・ドル 1.1725 + 0.0022 (+ 0.19%) 1.1755 / 1.1699
ポンド・ドル 1.3430 + 0.0028 (+ 0.21%) 1.3457 / 1.3390
ドル・スイス 0.7978 - 0.0001 (- 0.01%) 0.7988 / 0.7952
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<きょうの材料>
【米国】
*米中古住宅仮契約件数(8月)23:00
結果 4.0%
予想 0.0% 前回 -0.3%(-0.4%から修正)(前月比)
*ムサレム・セントルイス連銀総裁
・政策金利は緩やかな引き締めから中立の間。
・今後2-3四半期は目標を上回るインフレを予想。
・関税が価格に与える影響を正確に把握するのは極めて困難。
・労働市場は軟調だが完全雇用に近い状態。
・FRBは慎重な対応が必要。
・インフレの大半は関税要因ではない。
・労働市場は軟化を続けるが、ほぼ完全雇用状態。
*ウィリアムズNY連銀総裁
・金融政策は引き続き引き締めぎみ。
・基礎的なインフレは低下傾向が続くと考える。
・関税はインフレに軽微または中程度の影響を与えている。
・労働市場は驚くほど回復力がある。
・雇用目標へのリスクは若干高まっている。
・インフレの上方リスクの一部は低下した。
・関税を除けば、インフレは低下傾向にある。
・労働市場は驚くほど回復力がある。
*ハマック・クリーブランド連銀総裁
・インフレは高過ぎる。トレンドは誤った方向へ。
・労働市場に脆弱性の兆候が見え始めている。
・その他の労働市場指標は概ね安定。
・現時点で最も懸念するのはインフレ期待。
・期待は概ね安定しているが上昇の兆候。
・引き締め政策の維持が必要。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
鉱工業生産(速報値)(8月)08:50
予想 -0.8% 前回 -1.2%(前月比)
予想 -0.5% 前回 -0.4%(前年比)
【中国】
製造業PMI(9月)10:30
予想 49.7 前回 49.4
サービス業PMI(9月)10:30
予想 50.2 前回 50.3
【豪州】
中銀政策金利(9月)13:30
予想 3.60% 前回 3.60%
【英国】
実質GDP(確報値)(第2四半期)15:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前期比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(8月)15:00
予想 0.5% 前回 -0.9%(前月比)
予想 2.5% 前回 3.0%(前年比)
ドイツ失業率(9月)16:55
予想 6.3% 前回 6.3%
失業者数増減
予想 1.0万人 前回 -0.9万人
ドイツ消費者物価指数(速報)(9月)21:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.2%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.1%(前年比)
【米国】
住宅価格指数(7月)22:00
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(9月)22:45
予想 43.3 前回 41.5
JOLTS求人件数(8月)23:00
予想 715.0万人 前回 718.1万人
コンファレンスボード消費者信頼感指数(9月)23:00
予想 95.8 前回 97.4
日銀主な意見(9月18日-19日開催分)
ラガルドECB総裁が国際金融政策会議「地政学的緊張と貿易摩擦」講演
ジェファーソンFRB副議長が国際金融政策会議「地政学的緊張と貿易摩擦」講演
グールズビー・シカゴ連銀総裁がシカゴ連銀主催農業会議出席(質疑応答あり)
米会計年度末
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 きょうのNY為替市場は期末接近の中、ドルは戻り売りが強まり、ドル円は148円
台半ばに下落。先週は心理的節目の150円を試す動きも見られていたが、結局、達成
できずに一旦後退している。
 米政府機関閉鎖への懸念がドルを圧迫している模様。明日9月30日は米政府の会計
年度末だが、米下院ではつなぎ予算案が可決されているものの、米上院では共和、民主
双方が歩み寄れないでいる。これまでも度々見られた光景で、市場も慣れっこになって
いるが、今回は若干深刻なようだ。万一、10月1日から米政府機関が閉鎖となれば、
10月3日の米雇用統計は発表が延期になる可能性が高まる。
 アナリストは、ドルは通常このような局面の前に下落し、資金問題が解決されると反
発する傾向があると指摘。トランプ大統領は閉鎖になれば、政府職員を大量解雇すると
脅しているが、すでに労働市場の減速が意識される中で、政府機関の閉鎖は新たな逆風
になると見られている。「長期の閉鎖になれば、市場がFRBの利下げサイクルを正確
に織り込む能力を阻害しかねない」とのコメントも聞かれる。
 ドル円については日銀の利上げ期待の高まりによる円高圧力も加わっていたようだ。
利上げに慎重と見られていた野口審議委員が「政策金利調整の必要性がこれまで以上に
高まりつつある」と語っていたことに敏感に反応。市場では10月利上げの可能性を高
め、短期金融市場では66%程度まで確率が上昇している。
 ユーロドルは1.17ドル台半ばに戻している。本日の21日線が1.1735ドル
付近に来ているが、その水準を回復する動き。ユーロ自体の材料は少なく、ユーロドル
は専らドルの材料に左右されている。
 きょうはスペインの9月の消費者物価指数(HICP)が発表になっていたが、前月
の2.7%から3.0%に加速し、ECBの利下げサイクル終了の見方を補強する内容
となった。明日はフランスとドイツのHICP、そして水曜日にはユーロ圏全体の速報
値が発表になるが、上記の見方を裏付けるとも見られている。
 本日はECBチーフエコノミストのレーン理事の発言が伝わっていたが、インフレに
ついて「上下いずれの方向にも大きなリスクは見られない」と述べ、当面は金利を据え
置こうとしていることを示唆していた。
 ポンドドルも買い戻しが出ており、1.34ドル台半ばまで一時上昇。一方、ポンド
円はドル円の下落のほか、円高の動きも出ていることから199円台に下落した。20
0円台を維持できずにいる。
 本日は英労働党大会が開催され、リーブス英財務相のスピーチに市場の関心が集まっ
ていたが、ポンドも英国債も反応は限定的だった。リーブス財務相は「公的財政を立て
直す」と誓ったものの、歳出削減や増税には言及しなかった。また、トラス元首相のよ
うに財源の裏付けのない減税に触れながら、「労働党は決して保守党が普通の労働者に
したようなことはしない」と強調していた。さらに「今後数カ月でさらなる試練に直面
するだろう」と述べ、世界的な逆風が意思決定を一層難しくしていると警告した。
 労働党政権が歳出削減による財政赤字削減計画を撤回する兆しを見せれば、ポンドは
ネガティブな反応を見せるともみられていたが、それはなかった。
MINKABU PRESS