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2025年09月26日(金)05時29分

NY外為市況=150円うかがう展開

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日本時間午前5時28分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  149.78 + 0.88 (+ 0.59%) 149.93 / 148.56
ユーロ・ドル 1.1666 - 0.0072 (- 0.61%) 1.1754 / 1.1646
ポンド・ドル 1.3343 - 0.0104 (- 0.77%) 1.3467 / 1.3324
ドル・スイス 0.7996 + 0.0044 (+ 0.55%) 0.8014 / 0.7943
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<きょうの材料>
【米国】
*GDP確報値(第2四半期)(前期比年率)21:30
結果 3.8%
予想 3.3% 改定 3.3%
*個人消費
結果 2.5%
予想 1.7% 改定 1.6%
*GDP価格指数
結果 2.1%
予想 2.0% 改定 2.0%
*PCEコア価格指数
結果 2.6%
予想 2.5% 改定 2.5%
*米耐久財受注(8月・速報値) 21:30
結果 2.9%
予想 -0.3% 前回 -2.7%(-2.8%から修正)(前月比)
結果 0.4%
予想 0.0% 前回 1.0%(除輸送・前月比)
*米新規失業保険申請件数(9月20日週)21:30
結果 21.8万人
予想 23.3万人 前回 23.2万人(23.1万人から修正)
*米中古住宅販売件数(年率)(8月)23:00
結果 400万件
予想 395万件 前回 401万件
*米7年債入札結果
最高落札利回り 3.953%(WI:3.947%)
応札倍率    2.40倍(前回:2.49倍)
*トランプ大統領
 トランプ大統領は、自身の貿易政策によって大きな打撃を受けている米国の農家を支
援するために、関税で徴収した資金を使用すると述べた。
*ミランFRB理事
・金利は1.50-2.00%ほど抑制的だと思う。
・他のFRB理事の多くよりも、自分は成長に楽観的。
・今年下半期の成長が3%に届く可能性がかなりある。
・関税収入は中立金利を押し下げている。
・今後6カ月で中立金利により近づきたい。
・住宅関連費用のインフレは向こう6-12カ月で低下する。
*シュミッド・カンザスシティー連銀総裁
・政策は若干引き締めぎみだが、適切な位置付け。
・0.25%ポイントの利下げは合理的なリスク管理措置。
・インフレは依然高過ぎるが、労働市場は均衡状態を維持。
・FRBの監督役割縮小を求める動きは誤った方向性。
・FRBの独立性は健全な規制の核心でもある。
・労働市場に急激な減速リスクを示唆。
*ボウマンFRB副議長
・労働市場は予想以上に脆弱と発言
・インフレから雇用への重点移行が適切。
・関税は一時的な価格影響をもたらす。
・FRBが使用するデータは期待ほど正確ではない。
・銀行は成長のために合併する必要はない。
・銀行資産基準の精査必要性を指摘。
*ローガン・ダラス連銀総裁
・新たな基準金利を準備する時期が来た。
・代替案には三者間GCレポ、SOFR金利を含む。
・マネーマーケットは変化しており、FF金利の誘導目標は時代遅れ。
・目標値の更新は金融政策に支障をきたさない。
・レポ金利はFRBにとってより堅牢な目標を提供。
・現時点ではFF利は有効な目標であり続ける。
・フェドファンドとの連動性は脆弱で突然断絶する可能性。
・目標更新はバランスシート運営を妨げない。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
東京消費者物価指数(9月)08:30
予想 2.8% 前回 2.5%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【米国】
個人所得(8月)21:30
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
個人支出
予想 0.3% 前回 0.5%(前月比)
PCE価格指数
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 2.7% 前回 2.6%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.3%(コア・前月比)
予想 2.9% 前回 2.9%(コア・前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(9月)23:00
予想 55.4 前回 55.4
自民党総裁選立候補者5人による演説会(名古屋)
ECB消費者インフレ期待(8月)
バーキン・リッチモンド連銀総裁、米経済見通しについて講演(質疑応答あり)
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 きょうの為替市場はNY時間に入ってドル高が強まり、ドル円は一時149円台後半
に上昇。前日突破した200日線を上放れる展開を見せ、心理的節目の150円を試し
に行くか注目される。
 この日発表の第2四半期の米GDP確報値が上方修正となり、個人消費も大幅な上方
修正となった。同時刻に発表になった米新規失業保険申請件数も予想を下回るなど強い
内容となったことで米国債利回りの上昇とともに、ドル円を押し上げた。
 今週の市場はFRB幹部の発言を注視しているが、先週のFOMCで示された金利見
通し(ドット・プロット)が示唆するほど、FRB幹部は利下げに前向きにはなってい
ない様子もうかがえる。労働市場の冷え込みは認識しているものの、根強い高インフレ
が利下げ姿勢にブレーキをかけているようで、それがドル高を招いているようだ。
 本日の強い米経済指標はFRB幹部の見方を裏付ける内容とも言えるが、市場も年内
の利下げ期待をさらに後退させている。短期金融市場では、来月のFOMCでの利下げ
確率をこれまでの100%から84%程度まで低下させており、12月までであれば、
1回の利下げは100%で織り込んでいるものの、上記のドット・プロットで示された
2回の利下げとなると60%程度の確率まで低下させている状況。
 ユーロドルも売りに押され、1.1665ドル付近まで下落。21日線を下放れる展
開が見られているが、目先は1.15ドル台後半に来ている100日線が下値メドとし
て意識されそうだ。一方、ユーロ円は174円台で上下動。ドル円は上値追いが強まっ
ているものの、ユーロの下げがユーロ円を圧迫。ただ、年初来高値を更新し続けてお
り、力強さに変化はない。
 ECBの利下げサイクルはすでに終了との見方が市場では広がっているが、エコノミ
ストも同様の見解を示している。インフレは概ね抑制されており、ECBは直近2回の
理事会で政策金利を据え置いた。同エコノミストによると、ECBが示した見通しは中
期的に物価安定の使命が維持されると見ていることを示唆しているという。
 このため、ECBは年内および来年を通じて中銀預金金利を2.00%に据え置く見
込みだと述べている。ただし、0.25%ポイントの追加利下げの可能性を完全には否
定できないとも付け加えた。
 ポンドドルは1.33ドル台前半まで一時下落し、21日線を下放れる展開が見られ
た。一方、ドル円の上昇にもかかわらず、ポンド円は上値の重い展開が見られ、200
円台を維持できていない。ポンドは対ユーロでも下落しており独歩安の展開。
 今週の英国債入札は需要が低迷し、英国債利回りが上昇していた。それでもポンドは
下落。脆弱な英財政状況への懸念が背景にありそうだ。英10年債利回りは3週間ぶり
高水準である4.75%まで上昇。
 エコノミストは「英財政状況の持続可能性への懸念とインフレの高止まりにより、投
資家は英国債保有に対してより高いリターンを求めている。このため、ポンドは英中銀
の据え置き見通しや利回り上昇の恩恵を受けていない」と指摘している。
MINKABU PRESS