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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円 147.85 + 0.58 (+ 0.39%) 148.11 / 146.54
ユーロ・ドル 1.0912 + 0.0078 (+ 0.72%) 1.0947 / 1.0830
ポンド・ドル 1.2948 + 0.0069 (+ 0.54%) 1.2966 / 1.2873
ドル・スイス 0.8833 + 0.0023 (+ 0.26%) 0.8836 / 0.8773
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<きょうの材料>
※経済指標
*米求人件数(1月)23:00
結果 774.0万人
予想 760.0万人 前回 750.8万人(760.0万人から修正)
※発言・ニュース
*米3年債入札結果
最高落札利回り 3.908%(WI:3.902%)
応札倍率 2.70倍(前回:2.79倍)
*トランプ大統領
トランプ大統領は11日、カナダから輸入される鉄鋼およびアルミニウムに対する関
税を50%に引き上げると、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に
投稿した。カナダのオンタリオ州が、米国向けの電力価格を25%引き上げたことへの
報復としている。トランプ大統領はこれまで、25%の関税を課すと述べていたが、今
回の措置で税率を倍に引き上げる。大統領は今回の措置は明日3月12日の朝に発効す
ると述べた。一方、カナダが米国産乳製品などへの関税を引き下げなければ、4月2日
にカナダの自動車部品に対する関税を大幅に引き上げると表明。これにより「カナダの
自動車産業は事実上、永久に閉鎖されることになるだろう」と続けた。
*トランプ大統領
・ゼレンスキー大統領を再度ホワイトハウスに招きたい。
・明日、ロシアの人と面談する。
・マーケットは上下するものだ。
・金利は低下した。
・カナダ関税削減を検討。
・対カナダ関税50%の引き下げを検討中。
・鉄鋼、アルミのカナダ関税倍増を撤回する可能性。
・カナダに対しては恐らく別の関税決定を下すだろう。
・景気後退はまったく予想していない。
・株安は自身の懸念ではない。
*カーニー次期カナダ首相
・トランプ関税はカナダの労働者と企業への攻撃。
・米が自由で公平な貿易にコミットするまで関税維持へ。
・関税で米が最大限の影響を被るようにする。
*オンタリオ州、25%の電力サーチャージ停止で合意
カナダのオンタリオ州のフォード首相は米国の3州向けの25%の電力サーチャージ
の停止で合意したと発表。4月2日の期限を前に、USMCA(米国・メキシコ・カナ
ダ協定)の更新について協議するとも述べた。
*ウクライナ、30日間停戦の米国案を受け入れる用意
ウクライナは米国が提案している30日間の停戦案を受け入れる用意があると述べ
た。一方、米国は情報共有と安全保障の支援再開に合意したとも伝わっている。また、
ウクライナの声明によると、米国と天然資源取引で近く合意する可能性にも言及した。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
国内企業物価(2月)08:50
予想 -0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 4.0% 前回 4.2%(前年比)
【米国】
消費者物価指数(CPI)(2月)21:30
予想 0.3% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.9% 前回 3.0%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.4%(コア・前月比)
予想 3.2% 前回 3.3%(コア・前年比)
【カナダ】
中銀政策金利(3月)22:45
予想 2.75% 前回 3.00%
ラガルドECB総裁がECBウォッチャー会議開会挨拶
トランプ政権、すべての鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する25%の関税を発効
G7外相会合(カナダ、14日まで)ウクライナへの継続的支援などについて協議
OPEC月報
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きょうのNY為替市場でドル円は147円台後半まで買いもどされている。円安が先
行し、一時148円台を回復する場面も見られた。
本日もトランプ関税に翻弄した1日となった。午前中はトランプ大統領がカナダ産の
鉄鋼とアルミニウムに従来の25%の倍の50%の関税を課すと伝わったが、オンタリ
オ州のフォード首相が25%の電力サーチャージの停止で合意したと発表。今度はトラ
ンプ大統領も50%の関税は引き下げを検討と述べている。
市場は目まぐるしい展開を見せていたが、ドル円は147円台での上下動に終始して
いた。
本日は日本の10-12月期のGDP2次速報が発表になっていたが、1次速報から
下方修正されていた。個人消費も前期比変わらずに修正されている。ただ、日銀の利上
げへの見方に変化はない。7月か9月が有力視されており、場合によっては6月の可能
性も排除していない状況。
ユーロドルはきょうも買戻しが続く中、一時1.09ドル台半ばまで上げ幅を伸ばし
た。ドイツ国債の利回りは依然として上昇が続いており、10年債は再び2.90%台
に上昇している。一方、米経済への懸念からドル安が続いており、ユーロドルの買い戻
しを支援している。ウクライナが、米国が提案した30日間の停戦案を受け入れる用意
があると伝わったこともユーロをサポートした。
ストラテジストからは、米成長懸念がインフレリスクを上回るようであれば、ユーロ
ドルはさらに上昇の可能性もあるとの指摘が出ている。投資家の関心は明らかに米成長
リスクに移っており、明日発表の米消費者物価指数(CPI)がインフレの粘着性を示
した場合でも、市場がそれに対するFRBの政策への影響を見過ごすことを選択した場
合、ユーロドルは短期的にさらに上昇する可能性があるという。12カ月以内に1.1
2ドルまでの上昇の可能性もあるという。
目先は節目の1.10ドルが意識されるが、さすがに過熱感は否めず、過熱感を測る
テクニカル指標であるRSIは75と買われ過ぎの水準である70を上回って来てい
る。
本日もポンドドルは買い戻しが続き、一時1.2965ドル付近まで上昇。ポンドは
脆弱なリスク心理が改善の兆しを見せる一方、ここに来て米経済の不安感が台頭してお
り、ドル安が優勢となる中、ポンドドルは1月中旬からのリバウンド相場を継続してい
る。
英国債のイールドカーブがスティープ化しており、2-10年債の利回り格差は20
22年以来の水準に広がっている。この日は英小売協会の2月の小売売上高が公表され
ていたが、予想を下回る内容で、英景気の低迷が長引く可能性も指摘されている。その
ような中、英中銀の追加利下げ期待は根強く、2年債など短期ゾーン利回りが圧迫され
ていることで、イールドカーブがブルスティープ化している状況。
この日の英小売売上高は、英消費者が景気の先行き不透明感から支出に慎重な姿勢を
崩していないことを示唆しており、食品を除く大半のカテゴリーで販売額が減少。弱い
小売売上高は、リーブス英財務相が3月26日に発表する経済声明に影響を与える可能
性も指摘されている。
MINKABU PRESS