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2025年04月18日(金)05時34分

NY外為市況=142.40円付近

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  142.39 + 0.51 (+ 0.36%) 143.08 / 141.62
ユーロ・ドル 1.1368 - 0.0031 (- 0.27%) 1.1409 / 1.1336
ポンド・ドル 1.3268 + 0.0024 (+ 0.18%) 1.3273 / 1.3203
ドル・スイス 0.8191 + 0.0058 (+ 0.71%) 0.8231 / 0.8125
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<きょうの材料>
【米国】
*米住宅着工件数(3月)21:30
結果 132.4万件
予想 142.0万件 前回 149.4万件(150.1万件から修正)
*建設許可件数(3月)21:30
結果 148.2万件
予想 145.0万件 前回 145.9万件
*米新規失業保険申請件数(4月12日週)21:30
結果 21.5万人
予想 22.5万人 前回 22.4万人(22.3万人から修正)
*フィラデルフィア連銀製造業景気指数(4月)21:30
結果 -26.4
予想 2.2 前回 12.5
【ユーロ圏】
*ECB理事会(4月)21:15
中銀預金金利
結果 2.25%
予想 2.25% 前回 2.5%
*トランプ大統領
 EUとの貿易合意について「米国が合意に達する自信があるか」と記者団に問われ、
「非常に自信がある」と述べた。一方、「貿易合意の発表を急がない」とも述べてい
る。
*トランプ大統領
 24日に米国とウクライナが鉱物資源協定に署名すると述べた。大統領は、イタリア
のメローニ首相と本日ホワイトハウスで会談した際、「鉱物資源に関する取り決めがあ
り、来週の木曜日には署名するだろう」とし、「彼らはこの協定に従うと考えている」
と述べた。
*ベッセント米財務長官
 日本との通商協議について「非常に満足のいく方向に進んでいる」とXに投稿した。
長官は「両国は米国民にとって最善の合意に向けた道を進んでいる」と述べている。
*ゲオルギエワIMF専務理事
 景気後退はないとしつつも、米国主導の世界貿易の再起動によって世界経済が減速す
ると警告。トランプ大統領の関税外交により保護主義が急進することで、高まる不確実
性がコストを生み、経済活動を鈍化させ、生産性を阻害すると述べた。
*フィラデルフィア連銀
 フィラデルフィア連銀は6月30日で退任するハッカー総裁の後任としてシカゴ連銀
で研究部門の責任者を務めているアンナ・ポールソン氏を次期総裁に任命する人事を発
表した。7月1日から。同連銀初の女性総裁となる。
*ウィリアムズNY連銀総裁
 トランプ政権の関税措置がインフレを上昇させ、成長を鈍化させ、失業率を押し上げ
る可能性が高いとしたうえで、FRBの金利政策の変更に当面の必要性はないと述べ
た。「金融政策は適切な位置にあると考えている。政策金利の引き上げを当面行う必要
性は見当たらない」とインタビューで答えた。
*ラガルドECB総裁
・経済見通しは異例の不確実性により曇っている。
・経済成長の下振れリスクは高まっている。
・貿易戦争で物価見通しの不透明性が増している。
・第1四半期の経済は成長した可能性が高い。
・大半のインフレ指標は2%への回帰を示唆。
・堅調な市場センチメントの中、ユーロは上昇。
・利下げは全会一致。
・0.50%の利下げを主張した者はいなかった。
・関税がインフレに与える影響はまだ不明。
・新たなショックに注意が必要。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
全国消費者物価指数(3月)08:30
予想 3.7% 前回 3.7%(前年比)
予想 3.2% 前回 3.0%(生鮮食料品除くコア・前年比)
予想 2.9% 前回 2.6%(生鮮・エネ除くコアコア・前年比)
グッドフライデー祝日のため米国・欧州・英国・オセアニア・香港市場は休場
バンス副大統領がイタリアを訪問しメローニ首相と会談
デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、不動産市場について講演(質疑応答あり)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は再び141円台に下落する場面が見られたものの、
142円台半ばまで買い戻される展開となった。本日も米株式市場が上値の重い展開と
なる中、ドル円は上値の重い展開が続いていた。
 ただ、トランプ大統領が「EUとの貿易合意に強い自信がある」と述べていたほか、
ベッセント財務長官が「日本との協議は極めて満足のいく方向に動いている」と述べて
いたことで、ドル円は買い戻されている。
 市場ではドル円に弱気な見方が多く、140円割れは時間の問題との指摘も多い。し
かし、短期的にドル円に強気な見方を示すアナリストもいる。円ロングが過剰に積み上
がっており、ドル円はショートカバーが出易いと指摘。米商品先物協会(CFTC)の
IMM投機筋の建玉報告では、円ロングの急増が確認されているが、これらの投機筋は
150円付近またはそれ以上で円ロングを積み上げており、ここから145円まで戻し
たとても、利益を確定できる水準にあるとも指摘している。
 明日からイースター休暇で流動性低下する中、本日は積み上げた円ロングの調整も出
ていたようだ。
 ユーロドルは戻り売りが優勢となり、一時1.1340ドル付近まで値を落とす場面
が見られた。1.14ドル台の上値抵抗は根強いようだが、下押す動きまではない。過
熱のサインが点灯しているものの、上昇トレンドは堅持している。米国離れが指摘され
る中で、資金の逃避先として、引き続きユーロが選択されているようだ。
 本日はECB理事会が開催され、予想通りに中銀預金金利を引き下げた。昨年6月に
金融緩和局面に入ってから利下げは7回目。ECBはインフレ抑制のプロセスが軌道に
乗っているとの認識を示し、声明から「景気抑制的」の文言を削除した。
 その一方、欧州が逆風に直面しているとも強調。ラガルド総裁はその後の会見で「異
例の不確実性により経済見通しは曇った。経済成長の下振れリスクは高まっている」と
述べ、トランプ関税の完全な影響が明確になるには時間がかかるとの認識を示してい
た。ユーロドルは上下動したものの、大きな動きには至っていない。
 本日もポンドドルは買いが続き、8日続伸。2024年3月以来の高値水準を維持し
ている。英中銀は貿易戦争のリスクが残る中、予想以上に利下げを拡大する可能性ある
との見方がエコノミストから出ている。トランプ大統領が関税措置を一時停止したにも
かかわらず、英経済に与える影響は予想以上に深刻化し、英中銀の利下げペースが加速
する可能性があるという。理由として以下を挙げている。
 1、トランプ政権の過去1週間の態度変更は既に高まっていた不確実性をさらに増大
させた。2、ポンドはドルに対して弱含んでおらず、英製品はより魅力的になっていな
い。3、英財政政策は現在計画されているよりも緊縮的になる可能性がある、などと指
摘。また、貿易戦争がさらにエスカレートしなくても、英中銀が予想以上に利下げを行
うリスクは高まっているとも付け加えていた。
MINKABU PRESS