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2025年09月19日(金)05時31分

NY外為市況=ドル高が強まる

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.99 + 1.00 (+ 0.68%) 148.27 / 146.77
ユーロ・ドル 1.1784 - 0.0029 (- 0.25%) 1.1848 / 1.1750
ポンド・ドル 1.3551 - 0.0075 (- 0.55%) 1.3661 / 1.3534
ドル・スイス 0.7928 + 0.0040 (+ 0.51%) 0.7938 / 0.7872
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<きょうの材料>
※経済指標
*米新規失業保険申請件数(9月13日週)21:30
結果 23.1万人
予想 24.0万人 前回 26.4万人(26.3万人から修正)
*フィラデルフィア連銀製造業景気指数(9月)21:30
結果 23.2
予想 1.7 前回 -0.3
*米景気先行指数(8月)23:00
結果 -0.5%
予想 -0.2% 前回 0.1%(-0.1%から修正)(前月比)
*英中銀政策金利(9月)20:00
結果 4.00%
予想 4.00% 前回 4.00%
※発言・ニュース
*明日、米中首脳が電話会談
 ホワイトハウスは米中首脳が明日、電話会談を行うと発表した。米東部時間の午前9
時(日本時間19日22時)に行う予定。
*トランプ大統領、クックFRB理事解任で最高裁に上告
 トランプ大統領はクックFRB理事を解任できるよう米最高裁判所に上告した。米司
法省は本日、クック理事の職務継続を認めた連邦地裁の判決の効力停止を最高裁に求め
ている。
*トランプ大統領
 英国を国賓で訪問中のトランプ大統領がスターマ―首相と共同会見を行っており、プ
ーチン大統領がウクライナでの戦争を継続していることに触れ、「本当に失望させられ
た」と述べた。
*ハセットNEC委員長
 トランプ大統領からFRB議長候補とも見なされているハセット米国家経済会議(N
EC)委員長が米CNBCのインタビューに答えており、前日のFRBの利下げ決定に
ついて「玉虫色の判断」ではあるが、「慎重で賢明な決断だった」と述べた。
*ベイリー英中銀
・英中銀が市場の変動を助長するのは望まない。
・量的引き締め(QT)について、市場にストレスはないと思う。
・追加利下げの可能性は依然として高いと見ている。
・ただ、タイミングと規模は8月以前よりも不透明。
・市場の価格形成が示す様子見姿勢は「適切」。
・QTのペース縮小は賢明で現実的な対応。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
日銀政策金利(9月)時刻未定
予想 0.5% 前回 0.5%
消費者物価指数(8月)08:30
予想 2.9% 前回 3.1%(前年比)
予想 2.7% 前回 3.1%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(9月)08:01
予想 -18 前回 -17
公共部門ネット負債(8月)15:00
予想 123億ポンド 前回 11億ポンド
小売売上高(8月)15:00
予想 0.5% 前回 0.6%(前月比)
予想 0.6% 前回 1.1%(前年比)
予想 0.7% 前回 0.5%(除自動車燃料・前月比)
予想 0.8% 前回 1.3%(除自動車燃料・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(8月)15:00
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -1.7% 前回 -1.5%(前年比)
【カナダ】
小売売上高(7月)21:30
予想 -0.8% 前回 1.5%(前月比)
予想 -0.6% 前回 1.9%(コア・前月比)
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁はAI関連イベント出席
EU財務相理事会(20日まで)
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 きょうのNY為替市場はドル高が強まり、ドル円は一時148円台に上昇した。この
日発表の米新規失業保険申請件数が米雇用の底堅さが示したこともフォローとなった。
日米とも株式市場が堅調に推移していることもあり、円安の動きもドル円をサポートし
ていた模様。
 明日は日銀決定会合が予定され、据え置きが確実視されている。一部からは、植田総
裁は年内利上げの可能性を示唆するとの観測もあるが、早期利上げに慎重姿勢が見られ
るようであれば、円売り圧力が一段と強まる可能性も指摘されている。また、積極財政
派として知られる高市氏が自民党の総裁選に立候補を表明している。明日、具体的な政
策などを説明すると伝わっていることも円安を誘発していた模様。
 一方、FRBの方は前日に利下げを再開。パウエル議長は、今回は「リスク管理的な
利下げ」と表現していたが、市場は連続利下げの期待を高めている。短期金融市場では
来年の夏までに計1.00%以上の利下げを織り込んでいる状況。
 為替市場はFOMC後、激しい上下動の末、結局ドル高の反応となっているが、あく
までポジション調整と見られている。ECBは利下げサイクルを大方終了し、英中銀は
方向こそ利下げではあるものの、慎重になっている状況。そのような中で、今後FRB
と主要国との金融政策の格差縮小が予想される中、基本的な潮の流れはドル安と見られ
ているようだ。
 ユーロドルは一時1.18ドル台半ばまで上昇していたが、1.17ドル台に下落。
1.1750ドル付近まで下落する場面も見られた。21日線が1.17ドル台前半に
来ており、目先の下値サポートとして意識される。一方、ユーロ円は174円台前半と
本日高値圏で推移。円安がユーロ円をサポートしており、昨年7月以来の高値圏での推
移が続いている。
 ECBは追加利下げの可能性は残しているものの、すでに利下げサイクルは終了との
見方が多い。そのような中、逆に経済回復が進めば、ECBは来年の第4四半期に「利
上げ」の可能性があるとの指摘も出ている。その頃には成長が回復しているはずだとい
う。
 ポンドドルは売りが強まり、一時1.3535ドルまで下落。21日線をうかがう展
開も見せていた。本日の21日線は1.3515ドル付近。日足ベースのローソク足は
前日に長い上髭を付けて失速し、本日も陰線を示現。チャート的にはやや下値警戒感を
高める兆候も出ている。
 本日は英中銀が政策金利を予想通りに据え置いた。注目されていた来月からの量的引
締め(QT)についても、予想通りに年700億ポンドにペースを縮小。ベイリー総裁
は根強い高インフレを警戒して、追加利下げに慎重姿勢を強調していた。ただ、全て概
ね市場の予想通りだったこともあり、ポンドの反応は限定的となった。市場では、次回
11月6日のMPCも据え置きとの見方が強まっている。少なくとも11月26日にリ
ーブス財務相が公表する秋の予算案を確認する必要あるという。
 なお、ポンド円は一時201円台まで上昇し年初来高値を更新していたものの、20
0円台半ばに伸び悩む展開。NY時間に入ってドル円が下落し、ポンド円も上値が重く
なったようだ。ただ、200円台は堅持されており、上向きの流れは継続している。
MINKABU PRESS