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2025年10月21日(火)05時36分

NY外為市況=150円台後半で上下動

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  150.72 + 0.11 (+ 0.07%) 151.20 / 150.28
ユーロ・ドル 1.1644 - 0.0011 (- 0.09%) 1.1676 / 1.1639
ポンド・ドル 1.3407 - 0.0020 (- 0.15%) 1.3443 / 1.3400
ドル・スイス 0.7923 - 0.0010 (- 0.13%) 0.7943 / 0.7906
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*米中首脳会談、台湾問題も議題に
 トランプ大統領は中国との通商交渉再開を前に、米国が重視する問題としてレアアー
スと合成麻薬フェンタニル、大豆、台湾を挙げた。習主席との会談では台湾の領有権に
関する中国の野心についても議論すると述べた。来週韓国で開かれるアジア太平洋経済
協力会議(APEC)首脳会議で、習主席と会う予定だという。ただし、中国が台湾の
支配を強化する見返りとして、貿易上の譲歩を申し出ることを期待しているかとの質問
に対して、トランプ大統領は回答を避けた。
*米豪首脳 重要鉱物とレアアースの合意書に署名
 きょうは豪州のアルバニージー首相とトランプ大統領がワシントンで会談を行い、米
豪は重要鉱物とレアアースへのアクセス拡大に向けた合意書に署名した。米国は中国の
サプライチェーンへの依存を減らそうと取り組んでいる。アルバニージー豪首相は「重
要鉱物の加工拡大が可能となり、今後6カ月で10億ドルを拠出される。日本も重要鉱
物プロジェクトに関与している」と述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
公共部門ネット負債(9月)15:00
予想 208億ポンド 前回 177億ポンド
【カナダ】
消費者物価指数(CPI)(9月)21:30
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 2.2% 前回 1.9%(前年比)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済統計の発表は延期になる可能性
臨時国会召集、首班指名選挙実施へ
氷見野日銀副総裁がユーラシアグループ主催「GZEROサミットジャパン2025」出席
ラガルドECB総裁がノルウェー銀行主催気候会議出席
APEC財務相会合(韓国、22日まで)
国際鉱業資源会議 (IMARC) (豪州、23日まで)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は150円台後半での上下動に終始した。東京時間に
一時151円台まで買い戻される場面が見られたものの、海外市場に入ると、150円
台前半まで一時下落。ただ、NY時間にかけて下げ渋っている。先週は米地銀の貸倒損
失への懸念と米利下げ観測を背景としたドル安から、ドル円も節目の150円を割り込
んでいたが、週明けになって買い戻された。
 東京時間には日本の政治的な不確実性が解消されたことが円安を誘発したようだ。自
民と維新による連立政権が発足することになり、維新の藤田共同代表も自民と合意に至
ったと述べている。これで明日、高市氏が日本初の女性首相に選出され、当日のうちに
組閣を行い高市政権が発足する見通し。
 投資家は今後の利下げペースの手掛かりを求めて、金曜日に発表される9月の米消費
者物価指数(CPI)の発表を注視している。同統計は当初先週水曜日に発表予定だっ
たが、政府機関閉鎖により発表が延期していた。来週のFOMCでの追加利下げを正当
化する内容になるとの見方も出ているようだ。
 ユーロドルは動意薄の展開。1.16ドル台半ばでの振幅に留まり、本日のレンジは
25ポイント程度。チャート的には21日線と100日線の間におり、次の展開待ちと
いった状況。一方、ユーロ円は日本の政治情勢を受けて、一旦175円台前半まで下落
したものの、175円台後半まで戻している。こちらは21日線の上を維持しており、
上向きの流れは維持しているものの、上値に慎重になっている状況。
 金曜日にS&Pがフランスの格付けを「AA-」から「A+」に引き下げた。ただ、
ユーロは特にネガティブな反応を見せていない。週明けの仏国債も安定的に推移してい
る。格下げは織り込み済みだったが、S&Pが事前に発表していた格付けスケジュール
から逸脱したため、予想より早くは発表された。
 ただ、フランスのルコルニュ首相が先週、不信任決議を乗り切り、ユーロは回復して
いるが、アナリストからは「フランスを楽観視するのは難しい」との声が出ている。ル
コルニュ首相の年金制度改革凍結の決定は、一時的な政治的猶予をもたらすとしても、
予算決定を複雑にすると指摘。「政府の脆弱性を考えると、ユーロからフランスへの懸
念を完全に切り離すのは時期尚早だ」と述べている。
 ポンドドルも動意薄の展開が見られ、1.34ドル台前半での振幅が続いた。21日
線付近での推移が続いており、次の展開待ちの雰囲気となっている。一方、ポンド円は
202円台前半で推移。21日線の上での推移が続いており、上向きのトレンドは維持
されているものの、調整の動きが続いている。
 ストラテジストからは、ポンドは英国債利回りとの正の相関が低下しており、相対的
に高い英国債利回りがポンドを支えることができていないという。11月26日の秋季
予算案の発表を前に英財政への懸念が高まる中、相対的に高い英国債利回りがポンドを
支えることができていないとの指摘が出ている。トラス元首相の退陣直前の数週間以来
となる市場の力学の再来を示しているという。トラス元首相が、裏付けのない減税案を
発表したことで2022年に市場を混乱させた。
 為替市場ではポンドに対して弱気なポジションが取られているが、秋季予算案で資金
調達ギャップがより小さく、かつ歳出削減を優先する姿勢が示されれば、ポンドは強含
む可能性があるという。
MINKABU PRESS