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2025年03月06日(木)06時35分

NY外為市況=一時148円台半ばに下落

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日本時間午前6時35分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.90 - 0.89 (- 0.59%) 150.18 / 148.40
ユーロ・ドル 1.0791 + 0.0165 (+ 1.55%) 1.0797 / 1.0602
ポンド・ドル 1.2897 + 0.0102 (+ 0.80%) 1.2901 / 1.2768
ドル・スイス 0.8912 + 0.0018 (+ 0.20%) 0.8915 / 0.8856
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<きょうの材料>
※経済指標
*ADP雇用統計(2月)22:15
結果 7.7万人
予想 14.0万人 前回 18.6万人(18.3万人から修正)
※発言・ニュース
*米地区連銀報告(ベージュブック)
・経済は1月中旬以降、活動が若干上向いた。
・賃金は緩慢ないし緩やかに。
・物価は緩やかに上昇。
*ラトニック米商務長官
・現在の経済指標はバイデン時代のデータ。
・バイデン前大統領はトランプ大統領にお粗末な経済を残した。
・トランプ大統領はそれを修正しようとしている。
・予算を均衡させれば、金利は下がる。
・最高の株式市場、米経済を見るだろう。
・不確実性がこの経済に食い込むことはありえない。
*トランプ政権、メキシコとカナダへの関税を自動車メーカーに1カ月延期を検討
 トランプ政権は、メキシコとカナダに新たに課された関税を自動車メーカーに1カ月
遅らせることを検討していると伝わった。ホワイトハウスの高官は、状況はまだ流動的
だとしており、ラトニック米商務長官は、最初の関税に対する例外措置が検討されてい
ることを示唆した。トランプ大統領は4月2日から、自動車輸入を含む新たな関税引き
上げを計画している。
*カナダ、米国がすべての関税解除するまで対抗措置やめず
 カナダのトルドー首相は、トランプ大統領が同国に対する関税を全て解除するまで、
報復措置を維持する意向だ。ブルームバーグがカナダ政府高官の話として伝えた。トル
ドー首相とトランプ大統領は5日の午前遅くに会談する予定だという。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
貿易収支(1月)09:30
予想 53.00億豪ドル 前回 50.85億豪ドル
【ユーロ圏】
ユーロ圏小売売上高(1月)19:00
予想 N/A 前回 -0.2%(前月比)
予想 N/A 前回 1.9%(前年比)
ECB理事会(3月)22:15
中銀預金金利
予想 2.50% 前回 2.75%
ラガルドECB総裁会見 22:45頃
【米国】
貿易収支(1月)22:30
予想 -913億ドル 前回 -984億ドル
非農業部門労働生産性指数(確報値)(第4四半期)22:30
予想 1.2% 前回 1.2%(前期比)
単位労働費用
予想 3.0% 前回 3.0%(前期比)
新規失業保険申請件数(02/23 - 03/01)22:30
予想 23.3万人 前回 24.2万人
【カナダ】
国際商品貿易(1月)22:30
予想 13.0億カナダドル 前回 7.1億カナダドル
Ivey購買部協会指数(2月)7日0:00
予想 N/A 前回 47.1
連合25年度春闘要求集計結果
ウォラーFRB理事が経済見通しについて対談
EU特別首脳会議
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 きょうのNY為替市場はドル安・円高が強まり、ドル円は一時148円台半ばまで下
落する場面が見られた。この日発表のISM非製造業景気指数が予想を上回ったこと
で、149円台まで買い戻される場面もあったものの上値を抑えられている。
 ドル円は再び下値模索の展開が強まっているが、この日発表の2月のADP雇用統計
が予想を大きく下回る内容だったことから、ドル売りが強まったほか、円高の動きも継
続している。
 トランプ関税と米景気の先行き不安が引き続き市場の焦点の中心にあるが、トランプ
政権が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)下での規制を準拠している特定の商
品を対象に軽減措置を検討していると伝わった。特に自動車に関して4月2日まで関税
を延期するという。米株式市場が大幅に反発したこともあり、ドル円も後半に149円
ちょうど付近まで買い戻された。
 ユーロドルは買い戻しが加速し、1.08ドル付近まで急伸。ドイツ国債の利回りが
急上昇しており、10年債利回りは2.79%に上昇し、ユーロをサポートした。
 メルツ次期独首相が大規模な財政改革の一環として5000億ユーロの特別基金を設
立すると発表したことが手掛かり。ドイツにとってこれは歴史的な財政政策の大転換
で、市場は支出拡大が欧州経済を後押しすると期待している。メルツ氏率いるキリスト
教民主・社会同盟(CDU・CSU)陣営と、対立する社会民主党(SPD)は、数カ
月にわたる連立政権樹立のプロセスを待たずに投資を促進する計画を急ピッチで進めて
いる。
 特別基金に加え、防衛費としてGDPの1%以上を支出する場合には、憲法上の借り
入れ制限(債務ブレーキ)の対象外とすることを提案した。市場からはゲームチェンジ
ャーとの声も聞かれ、ユーロロングを増やしているという。
 ポンドドルは買いが続き、1.29ドル近辺まで上昇。約4カ月ぶりの高値水準。本
日の上げで200日線を上放れしており、明日以降の動きが注目される。
 本日はベイリー英中銀総裁を始め、英中銀委員が議会で証言を行っている。英中銀は
金融政策は引き続き景気抑制的であるべきとの見解や、慎重な利下げスタンスを維持し
ていく姿勢が材料視も示されていた。
 ベイリー総裁はリーブス英財務相の国民保険引き上げは企業の人件費を2%押し上
げ、インフレを0.1-0.2%押し上げるとの見解を示していた。
MINKABU PRESS