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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円 142.43 - 1.27 (- 0.88%) 144.28 / 142.36
ユーロ・ドル 1.1373 + 0.0058 (+ 0.51%) 1.1381 / 1.1280
ポンド・ドル 1.3367 + 0.0071 (+ 0.53%) 1.3402 / 1.3260
ドル・スイス 0.8219 - 0.0003 (- 0.04%) 0.8266 / 0.8213
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<きょうの材料>
【米国】
*貿易収支(3月)21:30
結果 -1405.0億ドル
予想 -1320.0億ドル 前回 -1232.0億ドル(-1227.0億ドルから修正)
※発言・ニュース
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.342%(WI:4.354%)
応札倍率 2.60倍(前回:2.67倍)
*トランプ大統領、貿易の条件は自分が決める
トランプ大統領は6日、関税引き上げを回避したい貿易相手国に対し、関税水準を決
めるのは自分だと述べ、度重なる交渉に従事するというアプローチから距離を置く姿勢
を示した。
*トランプ大統領
トランプ大統領がカナダのカーニー首相と会談を行っており、「USMCA(米国・
メキシコ・カナダ協定)は実際は非常に効果的で、現在もそうだが、人々はそれを遵守
しなければならない」と述べた。大統領はまた、「USMCAを移行措置と説明し、そ
れが間もなく終了する。ただ、再交渉が必要かは分からない」とも語っている。
*ベッセント財務長官
ベッセント財務長官が本日、下院歳出委員会で議会証言を行い、連邦債務の上限枠内
での借り入れ能力が尽きるまでの警戒ゾーンに入っていると改めて述べた。ただ、具体
的な時間枠への言及は避けている。
*ドイツ議会、メルツ氏を首相に選出
ドイツ議会は本日、メルツ氏を新首相に選出した。2度目の投票で議会の支持を獲
得。630人の議員のうち325票の賛成を獲得した。最初の秘密投票で過半数を獲得
できなかったため、政権移行が延期され、同氏の政府運営能力に対する懸念も高まって
いた。
*カンザスシティー連銀総裁が会合欠席
FRBは本日からFOMCを開始した。明日の現地時間午後(日本時間8日未明)に
結果が公表される。FRBはシュミッド・カンザスシティー連銀総裁が会合を欠席する
と発表。夫人が死亡したことが欠席理由。同総裁は今回のFOMCで投票権を保有して
いるが、代わりに、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が代わりにFOMCで投票す
る。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
失業率(第1四半期)07:45
予想 5.3% 前回 5.1%
雇用者数増減
予想 0.1% 前回 -0.1%(前期比)
予想 -0.6% 前回 -1.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業新規受注(3月)15:00
予想 2.1% 前回 0.0%(前月比)
予想 1.0% 前回 -0.2%(前年比)
ユーロ圏小売売上高(3月)18:00
予想 -0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 1.6% 前回 2.3%(前年比)
【米国】
FOMC(5月)8日3:00
予想 4.25~4.50% 前回 4.25~4.50%
パウエルFRB議長会見 8日3:30頃
【ブラジル】
中銀政策金利(5月)8日06:30
予想 14.75% 前回 14.25%
中国外貨準備高(4月)
EU非公式外相会合(8日まで)
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きょうのNY為替市場、リスク回避の雰囲気が再び広がっており、為替市場はドル安
が優勢となった。ドル円も一時142.35円付近まで下落。ドル円は本日の下げで再
び21日線を下放れる展開が見られているほか、フォボナッチ50%戻しの水準が14
2.90円付近に来ており、その水準に早期に戻せないようであれば、61.8%戻し
の142.20円が目先の下値メドとして意識される。
市場ではトランプ関税に対する不透明感が依然として根強いが、ドルは長期的に下落
する可能性がストラテジストから指摘されている。米政策の不透明感が要因だという。
トランプ大統領の政策がチェック・アンド・バランスなしに策定されているように見
え、そのためドルは長期的に下落する可能性が高いと指摘。FRBの独立性に対する暗
黙の脅威もドル安要因の1つだと述べている。トランプ大統領が日曜日に言及した海外
で製作された映画に対する100%の関税の計画は、関税が依然脅威であることを示し
ているという。
さらに、米財政政策の拡張的姿勢を踏まえると、米国債が売られ、利回りが上昇する
リスクは依然浮上しているとも言及。その上で、先週までのドルの回復は一時的なもの
に留まると予想しているという。
ユーロドルは底堅い展開を継続し、1.13ドル台後半まで上昇。本日はアジア時間
に一時1.1280ドル近辺まで下落し、21日線を下回っていたが、ロンドン、NY
と買い戻しが優勢となり、21日線の水準をしっかりと維持している。上値は重くなっ
ているものの、上昇トレンドは継続しているようだ。
本日はドイツのメルツ氏が新首相に承認された。ドイツ連邦議会が2回目の投票で承
認。1回目は過半数に届かず、市場も不安視していたが、承認されたことで安心感につ
ながったようだ。ユーロの上げをサポート。
アナリストからは「新政権が100日計画を迅速に実施すれば、首相選出に2度の投
票が必要だったことは、すぐに消え去るだろう」とのコメントも聞かれた。2回の投票
は戦後ドイツで初めて。メルツ新首相は100日間でドイツ経済の立て直しを目指す
「100日計画」を掲げている。経済の停滞を打破するため、約1兆ユーロ規模の財政
出動を計画。防衛費に約4000億ユーロ、インフラおよび気候変動対策に約5000
億ユーロを充てる。ウクライナへの軍事支援も継続。
ポンドドルも買いが優勢となった。本日の21日線は1.3235ドル付近に来てい
たが、その上の水準をしっかりと堅持しており、今年に入ってからの上昇トレンドを維
持している。
今週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が8日木曜日に開催され、ポンドにとって
は最注目となる。0.25%ポイントの利下げが確実視されており、市場もそれを織り
込んでいる。注目は今後だが、英中銀が市場の利下げ期待が過剰だと示唆した場合、ポ
ンドは上昇の反応を示す可能性があるとの指摘がエコノミストから出ている。
市場は年内に、今週を含めて計0.90%ポイントの利下げを織り込んでいる。た
だ、英中銀がこれらの期待に応えるのは困難と思われ、選択肢は維持したいと考える可
能性があるという。さらに、労働党政権下での英国とEUの関係緊密化と、英国のトラ
ンプ関税の比較的低いエクスポージャーも、ポンドの支援材料となる見込みだとも述べ
た。
MINKABU PRESS