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2025年05月03日(土)05時33分

NY外為市況=下に往って来いの展開

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.99 - 0.40 (- 0.28%) 145.92 / 143.73
ユーロ・ドル 1.1298 + 0.0008 (+ 0.07%) 1.1381 / 1.1274
ポンド・ドル 1.3272 - 0.0006 (- 0.05%) 1.3331 / 1.3265
ドル・スイス 0.8263 - 0.0034 (- 0.41%) 0.8319 / 0.8206
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<きょうの材料>
※経済指標
*非農業部門雇用者数(NFP)(4月)21:30
結果 17.7万人
予想 13.8万人 前回 18.5万人(22.8万人から修正)
*失業率(4月)
結果 4.2%
予想 4.2% 前回 4.2%
*平均時給(4月)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.8%
予想 3.9% 前回 3.8%(前年比)
*米耐久財受注(3月・改定値) 21:30
結果 9.2%
予想 9.2% 速報 9.2%(前月比)
結果 0.0%
予想 0.0% 速報 0.0%(除輸送・前月比)
*米製造業受注(3月)
結果 4.3%
予想 4.5% 前回 0.5%(0.6%から修正)(前月比)
※発言・ニュース
*自動車関税、米は日本を特別扱いせず 月内に集中協議へ
 トランプ政権の高関税政策を巡り、日米両政府は現地時間の1日、ワシントンで2回
目の閣僚交渉を行った。日本政府関係者によると、米側は自動車の追加関税に加え、多
くの国・地域に課す一律10%の相互関税は協議対象から外したい意向とみられ、日本
を適用除外などの特別扱いとすることに難色を示したという。
*カナダのカーニー首相、石破首相と電話会談
 カナダのカーニー首相は石破首相と電話協議を行ったと、カナダ首相府が声明で明ら
かにした。カーニー首相は、インド太平洋地域の重要性と太平洋国家としてのカナダの
役割を強調。両首脳は貿易、防衛、経済的結びつきの強化についても協議。今後も緊密
な連絡を保つことで一致したとしている。
*OPECプラス
 OPECプラス」は5日に予定していたビデオ会議を2日前倒しし、3日に開催す
る。複数の加盟国代表者が明らかにした。ビデオ会議では6月の産油量を協議。会合で
は大幅な追加増産を決定すると見られている。OPECプラス、6月に日量約40万バ
レルの追加増産で協議と伝わる
*イスラエル軍、シリア大統領官邸付近を攻撃
 イスラエル軍は、シリアの大統領官邸に近い標的を攻撃した。シリアでは政府軍とイ
スラム教少数派のドルーズ派との武力衝突が続き、両国のドルーズ派からイスラエル政
府に支援を求める声が上がっていた。
トランプ大統領、6月14日に軍事パレード開催へ
 トランプ大統領が6月14日に軍事パレードを開催すると伝わっている。FOXニュ
ースが伝えた。
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<明日の材料と事前予想>
【米国】
非製造業PMI(確報値)(4月)22:45
予想 51.4 前回 51.4
コンポジットPMI(確報値)
予想 51.2 前回 51.2
ISM非製造業景気指数(4月)23:00
予想 50.2 前回 50.8
こどもの日祝日
労働節祝日のため中国市場は休場
仏誕節祝日のため香港市場は休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は下に往って来いの展開が見られた。この日発表の米
雇用統計は予想を上回る内容となったものの、ドルは次第に売りが優勢となった。ドル
円も144円台後半から143円台後半に1円以上下落したが、米国債利回りが上昇し
ているほか、米株式市場も上げを継続していることから、次第にドル買いが復活し、ド
ル円も序盤の下げを取り戻した。145円台まで買い戻されている。
 来週はFOMCが予定されているが、本日の米雇用統計から、トランプ大統領の要請
とは裏腹に、パウエルFRB議長が利下げに前向きになることは無さそうだ。市場もF
RBの利下げ期待を後退させており、早くても7月以降に後退させている。前日は6月
利下げを織り込む動きが出ていた。来週のイベントに向けて、今年に入って積み上げた
ドルショートを調整しようという動きが活発に出ていた可能性もありそうだ。
 本邦勢は週末から大型連休の後半に入るが、ここにきて短期的に円安との見方も出始
めている。前日の日銀決定会合で年内の利上げ観測が後退していること、2回目の日米
通商交渉で為替が議題とならなかったこと、そして何よりも、円ロングが積み上がり過
ぎていることなどが理由としてあがっている。
 ユーロドルは上に往って来いの展開。一時1.1380ドル付近まで上昇した後、
1.13ドルちょうど付近に戻している。1.14ドル台回復を試す雰囲気は見られて
いなかったものの、21日線の水準はサポートされている格好。本日の21日線は1.
1280ドル付近に来ていた。
 トランプ大統領の貿易戦争がすでにユーロ圏のインフレを低下させているとの指摘が
出ている。主に原油下落を通じてインフレを低下させているという。ECB内では、一
部のメンバーがサービスインフレの上昇リスクを懸念しているものの、6月と9月に追
加利下げを実施すると見ているようだ。エネルギーコストの低下とサービス部門のコス
ト緩和で、インフレは夏にECBの2%目標を下回るという。
 ポンドドルは一時1.33ドル台に上昇したものの、1.32ドル台に伸び悩む展
開。ここ数日の下げで上値も重くなってきているようだ。来週はFOMCとともに英中
銀も政策委員会(MPC)を開催し、市場では0.25%ポイントの利下げが確実視し
ている。中でもディングラ委員は0.50%ポイントの大幅利下げを主張する可能性も
高いと見られている。
 トランプ政権は貿易摩擦がほぼ無い英国にも10%の基礎的な相互関税を課してき
た。目先は短期的なインフレ環境の厳しさから、英中銀は利下げに慎重姿勢を見せる可
能性はあるが、成長の下振れリスクが高まったことも示唆すると見られている。また、
英中銀は今回のMPCで、ガイダンスに変更を加える可能性がある。ガイダンスから
「段階的」という言葉を削除し、連続利下げの可能性を示唆するとの見方も出ているよ
うだ。
MINKABU PRESS