経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年10月08日(火)05時31分

NY外為市況=ドル円は上げ一服

--------------------------------------
日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.13 - 0.57 (- 0.38%) 149.13 / 147.86
ユーロ・ドル 1.0974 0.0000 ( 0.00%) 1.0987 / 1.0954
ポンド・ドル 1.3083 - 0.0039 (- 0.30%) 1.3134 / 1.3060
ドル・スイス 0.8541 - 0.0043 (- 0.50%) 0.8603 / 0.8534
------------------------------------
<きょうの材料>
※経済指標
*米消費者信用残高
 8月の米消費者信用残高は前月比89億ドル増加した。市場予想は120億ドル増だ
った。クレジットカードなどを含む回転信用残高が14億ドル減少。自動車ローンや学
資ローンなどの非回転信用は103億ドル増加した。
※発言・ニュース
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
・リスクのバランスは失業率の方にシフト。
・労働市場は依然として堅調。この状態を維持したい。
・2%目標に戻る過程でインフレに大きな自信。
・商業用不動産によるシステミック・リスクの兆候は見られない。
・FRBはバランスシート縮小に向けた道筋にある。
・前回の予測では中立金利を3%前後と想定。
・中立金利がどの程度になるかについては大きな不確実性がある。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
・ECBは勝利宣言を早急に行うべきではない。
・物価上昇の基調は依然として高過ぎる。
・インフレは正しい軌道に乗っている。
・しかし、まだ克服されたわけではない。
・最近のインフレ低下の主因はエネルギーコスト低下にある。
・コアインフレを見ると状況はそれほど良くはない。
・9月の利下げには賛成したが、追加利下げが自動的に行われる理由にはならない。
*ハリケーン「ミルトン」がカテゴリー5に発達
 ハリケーン「ミルトン」がカテゴリー5のに勢力を強め、フロリダ州西海岸に接近。
住民たちは内陸部への避難を開始している。米ハリケーンセンター(NHC)による
と、ミルトンの最大風速は時速160マイル(257キロメートル)に達しており、現
地時間月曜日の午前1時には時速90マイルであった。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【日本】
経常収支(8月)08:50
予想 30000億円 前回 31930億円
予想 24250億円 前回 28029億円(季調済)
貿易収支
予想 -5324億円 前回 -4827億円
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産指数(8月)15:00
予想 N/A 前回 -2.4%(前月比)
予想 N/A 前回 -5.3%(前年比)
【カナダ】
国際商品貿易(8月)21:30
予想 0.6億カナダドル 前回 6.8億カナダドル
【米国】
貿易収支(8月)21:30
予想 -713億ドル 前回 -788億ドル
豪中銀議事録(9月24日開催分)
ハウザー豪中銀副総裁が講演
クーグラーFRB理事、シュナーベルECB理事らがECB金融政策会議「金融政策、量的引き
締め、インフレ」出席
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
コリンズ・ボストン連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ボスティック・アトランタ連銀総裁が米経済見通しについて講演
ムサレム・セントルイス連銀総裁が米経済および金融政策について講演
独立国家共同体(CIS)首脳会議(ロシア)
-----------------------------------
 きょうの為替市場はドル買いが一服する中、ドル円も伸び悩む展開となり、NY時間
に入って一時147円台に値を落とす場面も見られた。ただ、底堅さは堅持しており、
150円台回復を目指す流れは温存されている。
 先週の想定外の強い米雇用統計を受けて、FRBの利下げ期待が後退。短期金融市場
では、11月FOMCでの0.50%ポイントの利下げの可能性が完全に排除され、
0.25%ポイントについても完全には織り込まれていない状況。ドルの底堅さは堅持
されていたようだ。
 先週の上げでドル円は完全にリバウンド相場の流れに復帰しており、心理的節目の1
50円を回復し、200日線が控える151円まで到達するか注目される。ただ、石破
政権は日銀の拙速な利上げには否定的な見解を示唆していたものの、エコノミストの間
では12月の追加利上げに対する期待も根強くあり、150円を突破して再び160円
を目指す展開までを期待している向きは少くないようだ。
 中東情勢の緊迫化も依然として気掛かりとなっている。原油相場が77ドル台まで上
昇したが、先週のイランによるミサイル攻撃に対するイスラエルの対応を世界が待ち構
えている状況。リスク回避の雰囲気が広がるようであれば、ドル円も戻り売りに押され
る可能性も留意される。
 ユーロドルも買い戻しの気配が出ていたものの上値は重く1.09ドル台での推移が
続いた。下げを一服させてはいたものの、先週ブレイクした1.10ドルの回復を試そ
うという気配まではない。ただ、一部からは若干の回復の可能性は期待できるとの声も
出ている。ECBとFRBの利下げ期待の調整はひとまず終了しており、今後数日中に
ユーロドルはやや買い戻される可能性があるという。
 しかし、来週17日のECB理事会を前に金利見通しが大きく動くことも考えにく
く、また米経済指標が大幅に軟化しない限り、ドルとユーロの2年物のスワップ金利差
は現在の1.25%ポイントから大幅に縮小することはないとしている。ECBは10
月の理事会で利下げに踏み切る可能性が高く、市場もそれを望んでいることから、最終
的にユーロは下落して行く可能性が高いとも指摘している。
 ポンドドルは一時1.3060ドル付近まで下落していたものの、NY時間に入ると
下げ渋る動きを見せた。しかし、積極的に買い戻そうという気配もなく、1.30ドル
台後半での推移が続いている状況。心理的節目で9月にサポートされていた1.30ド
ルを視野に入れた展開は継いている。
 ここにきて市場のポンドに対する信頼感が揺らいでおり、一部の為替ストラテジスト
からは中期的に10%近く下落するとの見方も出ている。先週、ベイリー英中銀総裁が
利下げについて「もう少し積極的」かつ「もう少し活発」になる可能性があると新聞の
インタビューで言及していたが、これがポンドの重石となり、先週のポンドは約2%下
落し、2023年2月以来の大幅安となった。
 先週の米雇用統計を受けて米利下げ観測が後退したことをもポンドに打撃を与えてい
る。一部からは、今後数カ月でポンドドルは1.20ドルまで下落するとの予想も出て
いるようだ。
MINKABU PRESS