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2025年02月28日(金)06時35分

NY外為市況=ドル高・円高

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日本時間午前6時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  149.76 + 0.66 (+ 0.44%) 150.16 / 148.75
ユーロ・ドル 1.0398 - 0.0087 (- 0.83%) 1.0493 / 1.0398
ポンド・ドル 1.2599 - 0.0077 (- 0.61%) 1.2689 / 1.2598
ドル・スイス 0.8997 + 0.0050 (+ 0.56%) 0.9006 / 0.8939
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<きょうの材料>
※経済指標
*米GDP改定値(第4四半期)(前期比年率)22:30
結果 2.3%
予想 2.3% 速報 2.3%
*個人消費
結果 4.2%
予想 4.1% 速報 4.2%
*GDPデフレータ
結果 2.4%
予想 2.2% 速報 2.2%
*PCEコアデフレータ
結果 2.7%
予想 2.5% 速報 2.5%
*米耐久財受注(1月速報値) 22:30
結果 3.1%
予想 2.0% 前回 -1.8%(-2.2%から修正)(前月比)
結果 0.0%
予想 0.3% 前回 0.1%(0.3%から修正)(除輸送・前月比)
*米新規失業保険申請件数(2月22日週)22:30
結果 24.2万人
予想 22.1万人 前回 22.0万人(21.9万人から修正)
*中古住宅仮契約件数(1月)0:00
結果 -4.6%
予想 -0.9% 前回 -4.1%(-5.5%から修正)(前月比)
※発言・ニュース
*トランプ大統領
・メキシコとカナダへの関税は3月4日に発動。
・中国への10%追加関税も3月4日に発動。
・4月2日の相互関税の日付は完全に有効なまま。
*植田日銀総裁
・長期金利が急上昇なら例外的な状況では機動的にオペを打っていく。
・長期金利は経済の見方などを反映して変動するもの。
・短期的な長期金利の動きについてはコメント控える。
・不確実性の高さを指摘する参加者が多かった。
・米経済政策について、まだ不確実なところが非常に多い。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
東京消費者物価指数(2月)08:30
予想 2.3% 前回 2.5%(生鮮食料品除くコア・前年比)
鉱工業生産(速報値)(1月)08:50
予想 -1.2% 前回 -0.2%(前月比)
予想 2.8% 前回 -1.6%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(1月)16:00
予想 0.4% 前回 -1.1%(前月比)
予想 1.7% 前回 1.8%(前年比)
フランス実質GDP(確報値)(第4四半期)16:45
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前期比)
予想 0.7% 前回 0.7%(前年比)
ドイツ失業率(2月)17:55
予想 6.2% 前回 6.2%
失業者数増減
予想 1.4万人増 前回 1.1万人増
ドイツ消費者物価指数(速報)(2月)22:00
予想 0.5% 前回 -0.2%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.5% 前回 -0.2%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.8%(前年比)
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(2月)16:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 3.5% 前回 4.1%(前年比)
【カナダ】
実質GDP(第4四半期・前期比年率)22:30
予想 1.6% 前回 1.0%
【米国】
個人所得(1月)22:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
個人支出
予想 0.3% 前回 0.7%(前月比)
PCEデフレータ(1月)22:30
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.6%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
予想 2.6% 前回 2.8%(コア・前年比)
卸売在庫(速報値)(1月)22:30
予想 0.0% 前回 -0.5%(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(2月)23:45
予想 40.6 前回 39.5
ラムスデン英中銀副総裁が講演
バーFRB副議長が銀行監督担当の副議長退任 ※FRB理事としての職務は継続
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 きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となり、150円台を一時回復して
いる。トランプ大統領がメキシコとカナダ、そして中国への10%の追加関税を3月4
日に発動すると述べた。4月2日の相互関税の日付は完全に有効なままとも言及。これ
を受けて市場はリスク回避の反応が出ており、為替市場はドル高・円高の反応が見られ
た。ドル円は上昇していたものの、ユーロ円やポンド円は下落。
 関税発動は4月以降とも見られていただけに、市場には驚きが広がったようだ。市場
は改めて不透明なトランプ大統領の関税政策へのリスクを感じ取っている模様。また、
月末接近ということもあり、このところのドル安の巻き戻しが出ていたとの指摘も出て
いる。実需のドル買い戻しが出易い状況下での関税のニュースだったのかもしれない。
 ただ、ドル円は積極的な上値追いまでは見られていない。150円台に入ると戻り売
り圧力も強まるようだ。明日は東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表になる
が、日銀の早期利上げへの市場の期待を裏付ける内容になる可能性もあり、円高を警戒
した動きは根強い。また、明日はFRBが重要視している1月のPCEデフレータも発
表される。
 ユーロドルは1.04ドルちょうど付近に下落。前日は1.05ドル台を回復してい
たが、1.05ドル台前半に来ている100日線で上値を止められた格好となった。
 インフレ圧力が高まる中、エコノミストはECBが利下げを一時停止する選択をする
可能性があると指摘している。ユーロ圏の基調インフレは圧力が緩和する中、ECBの
目標である2%に向かって低下している。しかし、エネルギー価格上昇により総合イン
フレが長期に渡って高止まりする可能性もあるという。また、サービスインフレや関税
の可能性もインフレ低下の道筋を脅かすリスクがあると指摘。
 その上で、ECBは来週の理事会で追加利下げを行う可能性が高いが、その後は利下
げペースを緩める選択をする可能性があるという。
 ポンドドルは1.26ドル割れを試す展開。1月中旬からのリバウンド相場の流れに
変化はなさそうだが、本日1.27ドル台後半に来ている200日線を前に若干上値が
重くなっている雰囲気もある。
 本日はスターマ―英首相がワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談を行ってい
る。ウクライナ問題や軍事基地といった安全保障が議題の中心のようで、通商関連のニ
ュースは少ない。トランプ大統領はEUには自動車などに25%の関税を課す方針を示
していたが、英国に関してはまだない。英政府は、英国は米国と貿易問題を抱えておら
ず、関税はないのではと考えているようだ。
 本日はディングラ英中銀委員の講演が伝わっていたが、「世界経済が分断されても、
秩序ある形で分断されれば、各国の経済が移行し、新たな地政学的展開を反映して価格
が再調整される間、金融政策による対応は必要ない」と述べていた。英中銀はサプライ
チェーンの混乱の程度次第で対応していくとの考えを示している。また、英国のインフ
レへの全体的な影響については、米国の輸入コスト上昇とドル高による直接的な影響
は、世界的な物価上昇圧力の低下によって相殺される可能性が高いとしている。
MINKABU PRESS