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2025年04月30日(水)05時39分

NY外為市況=ドル円は下値模索が続く

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  142.34 + 0.33 (+ 0.23%) 142.76 / 141.97
ユーロ・ドル 1.1389 - 0.0031 (- 0.27%) 1.1422 / 1.1370
ポンド・ドル 1.3408 - 0.0033 (- 0.25%) 1.3444 / 1.3381
ドル・スイス 0.8238 + 0.0038 (+ 0.46%) 0.8264 / 0.8199
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<きょうの材料>
【米国】
*求人件数(3月)23:00
結果 719.2万人
予想 750.0万人 前回 748.0万人(756.8万人から修正)
*コンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)23:00
結果 86.0
予想 88.0 前回 93.9(92.9から修正)
*ベッセント財務長官
 ベッセント財務長官は、米国と日本、インド、韓国の貿易協定に向けた話し合いが順
調に進んでいるとの認識を示した。ホワイトハウスで記者団に「インドとの合意は非常
に近いと思う」と語り、同国との協議が最も進んでいることを示唆した。さらに「韓国
との合意の輪郭が見えてきた。日本とも実質的な協議を進めている」と話した。
*ラトニック商務長官
・貿易協定の承認は保留中。
・ほぼ合意寸前の国名を明かさない。
・アップル<AAPL>のクックCEOは米国でアイフォーンを製造したいと考えており、
ロボットが必要だと述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
鉱工業生産(速報値)(3月)08:50
予想 -0.6% 前回 2.3%(前月比)
予想 1.2% 前回 0.1%(前年比)
【豪州】
消費者物価指数(CPI・月次)(3月)10:30
予想 2.3% 前回 2.4%(前年比)
消費者物価指数(CPI)(第1四半期)10:30
予想 0.8% 前回 0.2%(前期比)
予想 2.3% 前回 2.4%(前年比)
予想 0.6% 前回 0.5%(刈り込み平均・前期比)
予想 2.8% 前回 3.2%(刈り込み平均・前年比)
予想 0.7% 前回 0.5%(加重平均・前期比)
予想 2.9% 前回 3.4%(加重平均・前年比)
【中国】
製造業PMI(4月)10:30
予想 49.8 前回 50.5
サービス業PMI(4月)10:30
予想 50.8 前回 50.8
財新製造業PMI(4月)10:45
予想 49.7 前回 51.2
【ユーロ圏】
フランス実質GDP(速報値)(第1四半期)14:30
予想 0.1% 前回 -0.1%(前期比)
予想 0.7% 前回 0.6%(前年比)
ドイツ小売売上高(4月)15:00
予想 -0.5% 前回 0.3%(0.8%から修正)(前月比)
予想 2.4% 前回 0.1%(0.5%から修正)(前年比)
ドイツ失業率(4月)16:55
予想 6.3% 前回 6.3%
失業者数増減
予想 1.5万人 前回 2.6万人
ドイツ実質GDP(速報値)(第1四半期)17:00
予想 0.2% 前回 -0.2%(前期比)
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前年比)
予想 -0.4% 前回 -0.4%(季調前前年比)
ユーロ圏実質GDP(速報値)(第1四半期)18:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.1% 前回 1.2%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 2.1% 前回 2.3%(前年比)
【米国】
ADP雇用者数(4月)21:15
予想 12.4万人 前回 15.5万人(前月比)
雇用コスト指数(2025年 第1四半期)21:30
予想 1.0% 前回 0.9%(前期比)
実質GDP(速報値)(第1四半期・前期比年率)21:30
予想 0.4% 前回 2.4%
個人消費
予想 1.2% 前回 4.0%
GDPデフレータ
予想 3.0% 前回 2.3%
コアPCE価格指数
予想 3.0% 前回 2.6%
個人所得(3月)23:00
予想 0.4% 前回 0.8%(前月比)
個人支出
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
PCE価格指数(3月)23:00
予想 0.0% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.5%(前年比)
コアPCE価格指数
予想 0.1% 前回 0.4%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.8%(前年比)
赤沢再生相、再び米国を訪問(2日まで)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は下値模索が続き、瞬間的に141円台に下落する場
面も見られた。ただ、142円付近にはオプション絡みの買いオーダーが観測されてい
たほか、過度に摘み上がっている円ロングの巻き戻しも観測され、きょうのところは1
42円台をかろうじて維持している。ただ、下値攻めの流れは継続している状況。
 本日の市場は米株式市場が上昇し、米国債も買われ、利回りが低下するなど、全体的
に落ち着いていた。しかし、為替市場ではドル安も円高も続いている。明日から日銀決
定会合が開催され、木曜日に結果が公表される。ただ、今回は特に円相場を大きく動か
す材料にはならないとの指摘も出ている。
 円は安全資産からの需要で、金利差から推計される水準以上に上昇。そのような中、
貿易動向がリスクプレミアムを低下させるかを監視することが重要との指摘が一部から
出ている。もし、米国債のボラティリティが低下し続ければ、安全資産からの需要で積
み上がった円ロングに、短期的に圧力がかかり、円安が見られる可能性もあるとの見方
も出ていた。
 ただし、きょうのところは、その動きは出ていない。
 ユーロドルは1.14ドル台に上昇したものの、終盤に1.13ドル台に伸び悩む展
開。このところのユーロドルはドル安が一服していたことで、利益確定売りも出ていた
が、下押す動きまではなく、次の上値追いの波を待っている状況。1月からの上昇トレ
ンドはしっかりと堅持しており、1.16ドルを試す態勢にはあるようだ。
 エコノミストから、ECBは将来の供給ショックとインフレ急上昇に対し、より迅速
に対応すべきだとの指摘が出ていた。商品の供給が突然減少して価格を押し上げるショ
ックは、より発生しやすくなっているという。そのため、これらのショックが一時的で
あるとの期待から、ECBは対応を先送りすべきではないと主張している。実際、待ち
の姿勢はパンデミック後の価格急騰時に機能しなかったとも付け加えている。
 一方、信頼性が欠如している中期予測を基にした決定は避けるべきだとも述べてい
る。「ECBがこれらのショックを一時的と軽視せず、断固とした措置を講じない限
り、最近のインフレ局面は例外的なものに留まらないだろう」とも指摘した。
 ドル安が優勢となっていたものの、ポンドはさらに売りが優勢となり、ポンドドルは
戻り売りに押された。再び高値圏の1.34ドル台に上昇しているものの、1.34ド
ルに入るとロング勢の利益確定売りも入るようだ。
 エコノミストから、英経済成長に暗雲が漂う中、英中銀は慎重な利下げ姿勢を維持で
きるとの指摘が出ている。景気減速の兆候を受けて、英中銀は来月の金融政策委員会
(MPC)で利下げを決定すると見られているが、多くは0.25%ポイントの利下げ
を予想している状況。少数派からは0.50%ポイントの大幅利下げを選択する可能性
も指摘されているが、その可能性は低いという。
 このところの景況感調査は悪化しているものの、基礎的なハードデータは最近の混乱
前まで、英経済が順調に推移していたことを示している。従って、英中銀はあくまで大
幅な利下げの可能性を認めることだけで、火が点いたように慌てて対応しているような
振る舞いは避けることができるという。
MINKABU PRESS