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2024年10月02日(水)05時31分

NY外為市況=ドル円に再び売り

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  143.56 - 0.07 (- 0.05%) 144.53 / 142.98
ユーロ・ドル 1.1067 - 0.0068 (- 0.61%) 1.1144 / 1.1046
ポンド・ドル 1.3280 - 0.0095 (- 0.71%) 1.3389 / 1.3237
ドル・スイス 0.8463 + 0.0007 (+ 0.08%) 0.8482 / 0.8432
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<きょうの材料>
*米製造業PMI(確報値)(9月)22:45
結果 46.6
予想 47.0 前回 47.0
*米建設支出(8月)23:00
結果 -0.1%
予想 0.2% 前回 -0.5%(-0.3%から修正)(前月比)
*ISM製造業景気指数(9月)23:00
結果 47.2
予想 47.5 前回 47.2
*JOLTS求人件数(8月)23:00
結果 804.0万人
予想 765.0万人 前回 771.1万人(767.3万人から修正)
※発言・ニュース
*石破首相
・日本経済はデフレ脱却するかどうかの瀬戸際。
・「経済あっての財政」、デフレ脱却最優先の経済財政運営行う。
・低所得者向け給付金など物価高への緊急対策を行う。
・新しい地方経済の創生本部を設置。
・防衛力の抜本強化に取り組む。
・自衛官の処遇改善。
・金融緩和の基本姿勢は維持される。
・金融緩和の基調維持されるよう期待しながら見守っている
・金利についてとやかく申し上げないが、注意深く見守る
・日銀との意思疎通の上、手法は日銀に委ねられるべき。
・資産運用立国の政策を引き継ぎ発展させる。
・最低賃金、2020年代に全国平均1500円台への引き上げ目指す。
*クックFRB理事
 本日はクックFRB理事の講演が伝わり、AIが生産性の向上を促進すると予想。た
だ、こうした自身の予測には著しい不確実性があるとの認識も示した。生産性の加速、
つまり少ない投入でより多くの財やサービスを生産することは、物価上昇圧力に対抗す
る勢力となり得ると述べ、インフレの誘発を伴わない賃金の伸び加速を可能にするとの
期待を示した。なお、経済や金融政策の発言はなかった。
*イラン、イスラエルに対して弾道ミサイル攻撃
 イランがイスラエルに対して100発以上のミサイルを直接発射した。イスラエル軍
は声明で「イランから我が国に向けてミサイルが発射された」と発表。イランの国営通
信社もミサイル発射を報じている。ホワイトハウスではバイデン大統領がハリス副大統
領および国家安全保障チームとの会議を招集。イスラエルがこれらの攻撃から自国を守
り、同地域における米国民を保護するための準備状況を確認したという。
*イスラエル警察
 イランによるイスラエルへのミサイル攻撃でイスラエル警察はテルアビブへの攻撃に
より6名の市民が死亡したと発表した。
*イスラエル軍
・多くのミサイルを迎撃し、一部は着弾。
・いまのところ追加的な脅威は特定されていない。
・イランの攻撃は深刻な結果を伴う。
・イランの攻撃で報告された負傷者はいない。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ユーロ圏失業率(8月)18:00
予想 6.4% 前回 6.4%
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(09/21 - 09/27)20:00
予想 N/A 前回 11.0%(前週比)
ADP雇用者数(9月)21:15
予想 12.1万人 前回 9.9万人(前月比)
英中銀金融行政委員会(FPC)議事録
シュナーベルECB理事が講演
レーンECBチーフエコノミストが合同会議出席
エルダーソンECB理事が金融政策見通しについて講演
デギンドスECB副総裁、ラトビア中銀総裁、リトアニア中銀総裁が欧州通貨金融フォー
ラム(SUERF)出席
ボウマンFRB理事が会議出席
バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ハマック・クリーブランド連銀総裁が挨拶
ムサレム・セントルイス連銀総裁、会議開会挨拶
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 きょうのNY為替市場でドル円は再び売りが強まり、一時142円台に下落する場面
も見られた。自民党総裁選に伴う急変は一服していたものの、今度は中東情勢がドル円
を押し下げた。
 イランがイスラエルに対して弾道ミサイルを発射。米政府はイランから200発のミ
サイルが発射されたと述べているが、イスラエル軍は、多くは迎撃したが一部は着弾し
たと発表。死者も何人か出ているようだが、米国はイランによるイスラエル攻撃は効果
がないと分析している。
 4月のように波紋が広がらずに一旦収束するのか、それともさらに両国がエスカレー
トして行くかは未知数だが、急落していた米株式市場も下げ渋っており、今後の情勢を
確認したい意向もあるようだ。
 なお、石破内閣が本日発足したが、石破首相は金融緩和について「緩和の基本姿勢は
維持されるよう期待しながら見守っている。日銀との意思疎通のうえ、手法は日銀に委
ねられるべき」と述べていた。経済再生担当相に決まった赤沢担当相も日銀の追加利上
げについて慎重な判断を要請し「経済を冷やすようなことは当面やってはならない」と
述べていた。

 これらの発言もあり、市場は少なくとも今月末の決定会合での利上げはないと見てい
る模様。ただ、植田総裁は見通しに沿って経済・物価が推移すれば、利上げを継続する
方針を表明しており、市場では12月の利上げ期待も根強く残っている。エコノミスト
の間では半々といった調査も流れていた。なお、短期金融市場では来年以降との見方が
コンセンサスとなっている状況。
 ユーロドルは戻り売りが加速。一気に1.10ドル台半ばまで一時下落し、本日1.
11ドルちょうど付近に来ている21日線を下抜けた。きょうは9月のユーロ圏消費者
物価指数(HICP)速報値が発表になっていたが、総合指数は前月比0.1%のマイ
ナスとなっており、コア指数も前年比で2.7%と前回からは伸びが鈍化していた。
 アナリストからは「ユーロ圏のインフレ低下、中東情勢の緊迫化、フランスの政治的
な不安定化を背景に、ユーロの見通しは明るくない」との見解が出ている。フランスに
ついては、財政赤字の目標達成を2年先送りすると発表された。
 10月のECB理事会での利下げを裏付けるものだと指摘。「景気減速が続く中で金
利を長期間に渡って抑制し続けることは、インフレを目標以下に押し下げるリスクがあ
る」と述べている。
 ポンドドルも戻り売りに押され、一時1.32ドル台半ばに下落する場面も見られ
た。1.32ドル台前半に21日線が来ており、目先の下値メドとして意識される。
 きょうは下げたとはいえ、今年のポンドはG10通貨の中で最高のパフォーマンスを
見せている。9月に英中銀は金利を据え置いているが、FRBやECBは利下げを決定
し、年内残りの2回の会合でも利下げが有力視されている。一方、英中銀は11月の利
下げは有力視されているものの、12月については未知数で短期金融市場では半分の確
率でしか織り込めていない状況。
 いずれは他の中銀と歩調を合わせる可能性が高いと見られているものの、しばらく英
中銀の利下げは後追いになり、それがポンドを支えると見られている。
MINKABU PRESS