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2025年07月17日(木)05時31分

NY外為市況=147円台後半

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.82 - 1.06 (- 0.71%) 149.18 / 146.92
ユーロ・ドル 1.1640 + 0.0039 (+ 0.34%) 1.1721 / 1.1563
ポンド・ドル 1.3420 + 0.0036 (+ 0.27%) 1.3486 / 1.3365
ドル・スイス 0.8009 - 0.0008 (- 0.10%) 0.8062 / 0.7948
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<きょうの材料>
【米国】
*生産者物価指数(PPI)(6月)21:30
結果 0.0%
予想 0.2% 前回 0.3%(0.1%から修正)(前月比)
結果 2.3%
予想 2.5% 前回 2.7%(2.6%から修正)(前年比)
結果 0.0%
予想 0.2% 前回 0.4%(0.1%から修正)(コア・前月比)
結果 2.6%
予想 2.7% 前回 3.2%(3.0%から修正)(コア・前年比)
*鉱工業生産(6月)22:15
結果 0.3%
予想 0.1% 前回 0.0%(-0.2%から修正)(前月比)
*米設備稼働率(6月)22:15
結果 77.6%
予想 77.4% 前回 77.5%(77.4%から修正)(前月比)
【カナダ】
*住宅着工件数(6月)21:15
結果 28.37万件
予想 25.32万件 前回 28.27万件(27.95万件から修正)
*米地区連銀報告(ベージュブック)
・経済活動は5月から7月にかけて僅かに活発化。
・不確実性は依然として高い。
・企業は引き続き慎重姿勢を維持。
・自動車を除く個人消費は大半の地区で減少。
・製造業の活動はやや低下。
・サービス業の活動はほぼ横ばい。
・住宅販売は多くの地区で横ばいまたはほぼ変わらず。
・商業用不動産も概ね安定。
・雇用は全体としてごく僅かに増加。
・採用活動は引き続き慎重姿勢。
・労働力の確保状況は改善傾向。
・離職率のさらなる低下や応募者数の増加が見られた。
・ただし、技能職における人手不足の指摘増える。
・移民政策の変化で外国人労働者の確保が困難になっている。
・不確実性が解消されるまで、企業の多くは大規模な採用や解雇の判断を先送りする見
通し。
*トランプ大統領
・パウエル議長の解雇の予定はない。
・パウエル議長の解任については話していない。
・パウエルは民主党のために金利引き下げを試みた。
・パウエルはひどい仕事をしている。われわれはそれを乗り越える。
・FRB庁舎の改修工事費の超過を指摘。
・パウエル議長はすでに捜査の対象となっている
・ハセットNEC委員長をFRB議長候補に検討
・共和党議員が解任を求めたが、私はもっと慎重。
*EU、1000億ユーロのウクライナ支援を提案
 欧州委員会は2028-2034年の7年間の次期予算案とあわせて、ウクライナへ
の支援として1000億ユーロの予想を提案する方針だ報じられている。
*米国とEUの合意、8月1日までに成立可能
 欧州委員会のマクグラス委員は、ブルームバーグとのインタビューで、米国の関税措
置が8月1日に発動する前に、合意を成立できるだろうと述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
通関ベース貿易収支(6月)08:50
予想 3370億円 前回 -6386億円
予想 -2750億円 前回 -3055億円(季調済)
【豪州】
雇用者数増減(6月)10:30
予想 2.04万人 前回 -0.25万人
失業率
予想 4.1% 前回 4.1%
【英国】
ILO失業率(5月)15:00
予想 4.6% 前回 4.6%
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数(HICP・確報値)(6月)18:00
予想 2.0% 前回 2.0%(前年比)
予想 2.3% 前回 2.3%(コア・前年比)
【米国】
小売売上高(6月)21:30
予想 0.2% 前回 -0.9%(前月比)
予想 0.3% 前回 -0.3%(自動車除くコア・前月比)
輸入物価指数(6月)21:30
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 0.3% 前回 0.2%(前年比)
新規失業保険申請件数(07/06 - 07/12)21:30
予想 23.2万件 前回 22.7万件
フィラデルフィア連銀景況指数(7月)21:30
予想 -0.3 前回 -4.0
NAHB住宅市場指数(7月)23:00
予想 33  前回 32
ウォラーFRB理事が講演
クックFRB理事が講演
クーグラーFRB理事が講演
G20財務相中銀総裁会議(南アフリカ、18日まで)※ベッセント米財務長官は欠席
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 きょうのNY為替市場、パウエル議長の解任を巡る一連のニュースで市場が不安定に
なる場面があった。ドル円も急速に下落し、146円台に急落する場面も見られた。
 トランプ大統領がホワイトハウスで共和党議員に対し、「パウエル議長を解任すべき
かどうか」と尋ね、複数の議員が支持の意思を表明したと報じられた。「トランプ大統
領が近くパウエル議長を解任する可能性が高い。書簡を準備している」といったホワイ
トハウス高官の発言なども報じられ、市場は混乱。ただ、最終的にトランプ大統領が火
消しに回っている。大統領はその後の会見で「パウエル解任に関する報道は真実ではな
い。解任の可能性は極めて低く、その計画もない」と述べた。これを受けてドル円も下
げを戻す展開となった。
 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長などは、FRB本部ビルの改修費用超過
(約7億ドル超のコスト増)を職務怠慢の根拠として解任が可能との見方を示している
が、米連邦準備法の規定や最高裁の判例では、FRBの独立性は強く守られており、政
権による一方的な解任は困難というのが大方の見方となっている。

 本日は6月の米生産者物価指数(PPI)が発表になり、予想外の前月比変わらずと
なっていた。特にサービス価格の下落が寄与。これは企業が関税コストの一部を吸収し
ている可能性を示唆している。市場は前日のCPIの見方をやや反転させていたが、年
内に1回か2回の利下げの可能性に変化はない。
 ユーロドルも一旦1.17ドル台に買い戻された後に、1.16ドル台半ばに伸び悩
んだ。上値の重い展開に変化はないようだ。ここに来てフランスの政局不安が再び台頭
している。フランス政府による財政の穴埋めのための野心的な計画により、バイル首相
が失脚する恐れがあるとの指摘が出ている。バイル首相は前日、来年の財政赤字をGD
P比で今年の推定5%超から4.6%に削減するため、440億ユーロの歳出削減を目
指すと述べた。計画では、祝日の2日間の削減や年金・公務員給与の据え置きなどの措
置により財政支出を抑制するという。
 しかし、これらの措置は不人気となる可能性が高く、バイル首相は議会で過半数を確
保できていないため、年後半の信任投票で議会が政権を倒す重大なリスクがあると述べ
ている。
 ポンドドルも一旦1.34ドル台後半まで買い戻された後に、1.34ドル台前半に
伸び悩む展開。ただ、上値の重い展開に変化はないようだ。明日は3-5月の英雇用統
計が発表になるが、数字次第では英中銀の利下げペースを左右する可能性があるとの指
摘が出ている。この日の6月の英消費者物価指数(CPI)は予想を上回ったものの、
市場では英中銀による8月の利下げは変わらない見られている。
 ただ、英労働市場と経済の減速は、英中銀の段階的かつ慎重な金融政策の継続には十
分な状況。ただし、インフレは英中銀の予想を上回っており、安心感を与えていない。
そのような中、明日の英雇用統計は金融政策の見通しを形作る上で、インフレ以上に重
要性を持つ可能性があるという。英中銀が今年と来年にどの程度、どのくらいのスピー
ドで利下げできるかを左右するのは、いまや労働市場次第だという。
MINKABU PRESS