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2025年07月16日(水)05時31分

NY外為市況=一時149円台に上昇

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.85 + 1.13 (+ 0.76%) 149.02 / 147.55
ユーロ・ドル 1.1602 - 0.0062 (- 0.53%) 1.1693 / 1.1593
ポンド・ドル 1.3383 - 0.0044 (- 0.33%) 1.3467 / 1.3379
ドル・スイス 0.8019 + 0.0040 (+ 0.50%) 0.8025 / 0.7954
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<きょうの材料>
【米国】
*米消費者物価指数(CPI)(6月)21:30
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
結果 2.7%
予想 2.6% 前回 2.4%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.1%(コア・前月比)
結果 2.9%
予想 2.9% 前回 2.8%(コア・前年比)
*NY連銀製造業景気指数(7月)21:30
結果 5.5
予想 -9.2 前回 -16.0
【カナダ】
*消費者物価指数(CPI)(6月)21:30
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
結果 1.9%
予想 2.0% 前回 1.7%(前年比)
*トランプ大統領
・いますぐ政策金利を引き下げよ。
・消費者物価は低いとし、利下げを再び要求。
*トランプ大統領、インドネシアが19%を支払い、われわれは何も支払わない
 トランプ大統領はインドネシアと貿易協議で合意したと発表。その詳細を明らかに
し、「インドネシアが19%を支払い、われわれは何も支払わない」と述べた。また、
ブラジルについて関税は現在適用されており、EUとは交渉中だとしてる。なお、ロシ
アとウクライナについては私は誰の味方でもないと述べている。
*トランプ大統領、ゼレンスキー大統領に「モスクワを攻撃できるか」と質問
 トランプ大統領は7月4日のウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、ウク
ライナがロシア領深部への攻撃を強化することに支持を示したという。英FT紙が関係
者の話として伝えた。ただ、ホワイトハウスは誤解だと否定している。
*ベッセント財務長官
 ベッセント財務長官は、パウエルFRB議長の後任選びの正式なプロセスが既に始ま
ったことを明らかにした。長官はブルームバーグっでのインタビューで、次期FRB議
長選びが既に始まったかを問われ、「正式なプロセスが既に始まっている」と回答し
た。
*コリンズ・ボストン連銀総裁
・FRBは入手するデータを慎重に評価するために時間をかけられる。
・積極的な忍耐という政策アプローチは引き続き適切。
・年末のコアインフレは3%程度となる見通し。
・健全なバランスシートにより、関税の影響は軽微に留まる可能性。
・インフレに若干の上昇圧力が見込まれる。
・経済は全体として引き続き良好な状況。
・雇用、成長に下押し圧力が見込まれる。
*マン英中銀委員
・インフレはかなり低下したが、依然として課題は残る。
・雇用や支払いの懸念から、英国人はより多く貯蓄している。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
消費者物価指数(CPI)(6月)15:00
予想 0.1% 前回 0.2%(前月比)
予想 3.4% 前回 3.4%(前年比)
予想 3.5% 前回 3.5%(コア・前年比)
小売物価指数(RPI)(6月)15:00
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 4.3% 前回 4.3%(前年比)
予想 N/A 前回 4.1%(前年比・除くモーゲージ利払い)
【ユーロ圏】
ユーロ圏貿易収支(5月)18:00
予想 140億ユーロ 前回 140億ユーロ(季調済)
【米国】
生産者物価指数(PPI)(6月)21:30
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.6%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.1%(コア・前月比)
予想 2.7% 前回 3.0%(コア・前年比)
鉱工業生産指数(6月)22:15
予想 0.2% 前回 -0.2%(前月比)
設備稼働率
予想 77.4% 前回 77.4%
【カナダ】
住宅着工件数(6月)21:15
予想 25.32万件 前回 27.95万件
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
バーFRB理事が金融規制に関するイベント出席(質疑応答あり)
ウィリアムズNY連銀総裁が講演
ローガン・ダラス連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ハマック・クリーブランド連銀総裁が講演(質疑応答なし)
バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
中国国際サプライチェーン促進博覧会(CISCE)(20日まで)エヌビディア初参加
エヌビディアのファンCEOが中国商務相らと協議予定
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 きょうのNY為替市場、この日発表の米消費者物価指数(CPI)を経て、ドル高が
加速した。米国債利回りも上昇し、30年債が5%台を回復する中、ドル円は6月高値
を一気に上回り、一時149円台に上昇する場面が見られた。ここ数日、方向感のない
展開が続いていたが、一気に上向きの流れを加速させている。
 本日149.70円付近に来ている200日線まではまだ距離があるが、現在の水準
を維持できるようであれば、チャート的にはボトムが形成され、200日線を視野に入
れる可能性が高まる。
 6月の米CPIはコア指数が前月比で予想を下回ったことから、発表後はドル安の反
応が見られた。しかし、売買が交錯する中で次第にドル高が強まる展開。自動車価格の
下落が全体を抑制していたが、自動車を除いた耐久消費財(玩具、家具、家電、衣料な
ど)は前月比で大幅に上昇しており、今回の数字は、関税の影響が本格化しつつあるこ
とを示唆しているとの見方も出ている。
 トランプ大統領はFRBへの利下げを再度要請していたが、市場では、FRBは当面
金利を据え置き、状況を確認することが賢明との見方が広がっている。短期金融市場で
は年内利下げ期待が1回か2回に後退している。
 ユーロドルは1.15ドル台まで一時下落。前日までは、上値こそ重かったものの、
21日線付近で持ち堪えていた印象もあった。しかし、本日の米CPIを受けた動きで
下放れしている。
 米大手銀が実施した7月の欧州のファンドマネジャー調査によると、ドイツの財政政
策が欧州の成長改善の主要なカタリストになるとの明確なコンセンサスが投資家の間で
形成されていると報告した。
 調査によると、ドイツの財政刺激策が成長の最も有力な源泉になるとの見方を示した
投資家は85%と、6月の79%から上昇。また、ユーロ圏の財政刺激策が世界全体の
成長にとって最大のプラス要因になると見ている投資家は26%で、米国の政策支援を
挙げた投資家を上回った。
 ポンドドルは下げが続き、1.33ドル台まで下落。ただ、本日は対ユーロでは買い
戻しが出でおり、ユーロポンドは下落した。
 市場では英中銀の8月利下げへの期待が高まっているが、10月以降、量的引き締め
(QT)のペースも年間600億ポンド程度に減速させる可能性があるとの指摘がスト
ラテジストから出ている。QTは英中銀が過去の量的緩和(QE)の時期に取得した英
国債の保有残高を縮小するプロセス。
 現在のQTのペースは9月末までの12カ月間で1000億ポンドとなっている。ス
トラテジストによると、QTが金融環境の引き締めにつながっている可能性があり、そ
のペースが減速する可能性がある。
MINKABU PRESS