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2025年09月04日(木)05時29分

NY外為市況=一時147円台に下落

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  148.13 - 0.23 (- 0.16%) 149.14 / 147.88
ユーロ・ドル 1.1661 + 0.0021 (+ 0.18%) 1.1682 / 1.1608
ポンド・ドル 1.3444 + 0.0050 (+ 0.37%) 1.3458 / 1.3333
ドル・スイス 0.8042 - 0.0004 (- 0.05%) 0.8068 / 0.8027
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<きょうの材料>
*米求人件数(7月)23:00
結果 718.1万人
予想 738.2万人 前回 735.7万人(742.7万人から修正)
*米耐久財受注(7月・改定値) 21:30
結果 -2.8%
予想 -2.8% 速報 -2.8%(前月比)
結果 1.0%
予想 1.1% 速報 1.1%(除輸送・前月比)
*米製造業受注(7月)
結果 -1.3%
予想 -1.3% 前回 -4.8%(前月比)
*米地区連銀経済報告
・米経済活動は大半の地域でほとんど、あるいは全く成長が見られなかった。
・消費者支出は横ばいから減少となり、賃金が物価上昇に追いつかないことが背景。
・物価はすべての地域で上昇。
・10地区が緩やかまたは小幅なインフレ。
・2地区が強いコスト上昇を報告。
・特に関税が投入コストに大きく影響。
・雇用は11地区で変化なし。1地区で小幅減。
*米上院の委員会がミラン氏の公聴会に先立ち発言の準備原稿を掲載
 米上院の委員会がミラン氏のFRB理事指名の公聴会に先立ち発言の準備原稿を掲載
した。ミラン氏は金融政策の独立性は極めて重要な要素と述べたほか、FRB理事に承
認されればFOMCの独立性を維持する意向も示している。
*ムサレム・セントルイス連銀総裁
・金利は適切な水準にある。
・バランスの取れたアプローチが重要。
・労働市場の支援やインフレ抑制のいずれかに過度に偏るべきではない。
・労働市場は冷え込みつつも完全雇用に近い水準維持を見込む。
・リスクは下振れ方向にある。
・インフレは目標の2%よりも3%に近い水準。
*ベイリー英中銀総裁
・利下げの時期とペースは不確実性強まった。
・インフレリスクは上昇。
・労働市場の下方リスクをより懸念。
・賃金に労働市場の弱さが反映。
・インフレリスクに関するメッセージは適切だった。
・市場反応から判断すればメッセージは伝わった。
・30年債利回りに過度に注目すべきでない。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
貿易収支(7月)10:30
予想 49.5億豪ドル 前回 53.65億豪ドル
【ユーロ圏】
ユーロ圏小売売上高(7月)18:00
予想 -0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.5% 前回 3.1%(前年比)
【米国】
ADP雇用者数(8月)21:15
予想 7.5万人 前回 10.4万人(前月比)
非農業部門労働生産性指数(確報値)(第2四半期)21:30
予想 2.4% 前回 2.4%(前期比)
単位労働コスト
予想 1.2% 前回 1.6%(前期比)
新規失業保険申請件数(08/24 - 08/30)21:30
予想 23.0万件 前回 22.9万件
非製造業PMI(確報値)(8月)22:45
予想 55.4 前回 55.4
コンポジットPMI
予想 55.4 前回 55.4
ISM非製造業景気指数(8月)23:00
予想 50.5 前回 50.1
【カナダ】
国際商品貿易(7月)21:30
予想 -53.0億カナダドル 前回 -58.6億カナダドル
日本30年利付国債入札(7000億円程度)
ウィリアムズNY連銀総裁、金融政策および経済見通しについて講演
ムサレム・セントルイス連銀総裁、ジョージ元カンザスシティ連銀総裁、金融政策に関
する討論会出席
米上院銀行委員会、FRB理事候補ミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に関する
公聴会開催
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 きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時147円台に急落した。こ
の日公表された7月分の米求人件数を受けてドル安の反応が強まっている。米求人件数
は718万人と下方修正された前回分の735万人から減少した。一部では増加するの
ではとの見方も出ていただけに、ネガティブ・サプライズが大きかったようだ。
 ドル円は発表前の148円台後半から一気に147円台後半に一時下落。この発表を
受けて短期金融市場では、9月FOMCでの利下げの確率を95%まで高めている。急
上昇していた米国債利回りも上げ幅を縮小している。
 今週は米雇用統計を始め、重要指標が目白押しでFRBの利下げ期待を正当化するか
市場は注視している。その意味でも本日の弱い米雇用指標に敏感に反応していたよう
だ。
 ユーロドルは買いが優勢となり、1.16ドル台後半まで一時上昇。フランスの政治
的混乱にもかかわらず、ユーロドルは底堅い動きを見せており、21日線付近での推移
を続けている。一方、ユーロ円はドル円の下げにつられて売りが強まり、172円台半
ばに下落している。チャート的には2日連続で上髭を付けており、やや気掛かりな動き
も見られている状況。
 ただ、ユーロ圏のインフレがECBの目標である2%近辺を維持しており、ECBの
追加緩和の余地が限られ、スタグフレーション懸念も相対的に小さいことがユーロに優
位性を与えているようだ。
 ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.34ドル台半ばに上昇。一方、ポンド円は
一旦199円台後半まで上昇したものの198円台に値を落とす展開。ドル円が下落し
たことで、ポンド円も追随している。21日線の水準は維持しているものの、200円
の水準は重い状況に変化はない。
 本日はベイリー英中銀総裁ら英中銀中銀委員が議会証言に出席していたが、ベイリー
総裁は利下げペースがこれまで想定されていたよりも緩やかになる可能性を示唆してい
た。「利下げ自体は行われるものの、政策当局者はこれまでの利下げペースを必ずしも
維持しないかもしれない」と述べていた。「今後の追加利下げをいつ、どの程度の速さ
で実施できるかについては、かなり不確実性が高まっている」とも議員らに語った。
 現在、短期金融市場では年内の利下げの確率を五分五分で見ている状況。
MINKABU PRESS