経済ニュース

<< 一覧に戻る

2025年07月10日(木)05時31分

NY外為市況=一時146円台前半

--------------------------------------
日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  146.47 - 0.11 (- 0.08%) 147.18 / 146.25
ユーロ・ドル 1.1713 - 0.0012 (- 0.10%) 1.1729 / 1.1690
ポンド・ドル 1.3585 - 0.0007 (- 0.05%) 1.3619 / 1.3565
ドル・スイス 0.7950 - 0.0010 (- 0.13%) 0.7979 / 0.7940
------------------------------------
<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*FOMC議事録
・大半が関税の影響が物価上昇に持続的に及ぶリスクを指摘。
・過半数が今後の経済成長の減速を予想。
・2名が次回の会合での利下げに前向き。
・多くが関税の影響が価格に及ぶまでに時間がかかる可能性を指摘
・多くが労働市場の緩やかな悪化を予想。
・9月の潜在的な変更について予備的な議論を実施。
・複数のメンバーが関税の転嫁効果が限定的である可能性を指摘。
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.362%(WI:4.365%)
応札倍率    2.61倍(前回:2.52倍)
*トランプ大統領
・FRBの金利は少なくとも3ポイント高過ぎる。
・金利を引き下げろ。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
・現時点で追加利下げの理由は見当たらない。
・金利が景気に刺激を与えている可能性がある。
・次回の会合では確実に利下げはないし、年内も同様。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【英国】
RICS住宅価格指数(6月)08:01
予想 N/A 前回 -8.0%(RICS住宅価格指数)
【日本】
国内企業物価(6月)08:50
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前月比)
予想 3.0% 前回 3.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(6月)15:00
予想 0.0% 前回 0.0%(前月比)
予想 2.0% 前回 2.0%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.0% 前回 2.0%(前年比)
【米国】
新規失業保険申請件数(06/29 - 07/05)21:30
予想 23.5万件 前回 23.3万件
日銀支店長会議、地域経済報告(7月)
日本20年利付国債入札(8000億円程度)
デーリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ムサレム・セントルイス連銀総裁がイベント出席(質疑応答あり)
ウクライナ復興会議(11日まで)
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル円は戻り売りが優勢となり、一時146円台前半まで下
落した。ただ、前日突破した100日線の上の水準にあり、チャート的には底値を形成
しそうな気配は堅持していた。
 午後に公表された6月分のFOMC議事録を受けて、ややドル安の反応が見られた。
大半が関税の影響が物価上昇に持続的に及ぶリスクを指摘し、追加利下げへの慎重姿勢
を示唆していた。一方、景気減速や労働市場の緩やかな悪化も指摘し、9月利下げにつ
いて予備的な議論を実施していたことも明らかになった。その点では9月以降の利下げ
の可能性も滲ませる内容ではある。
 ドル自体は方向感ない値動きだったものの、引き続き市場は関税のニュースに神経質
になる中、買い戻しの流れは継続していた。関税の影響が米インフレを再上昇させ、F
RBの利下げ期待を抑制すると見ているようだ。オプション市場でもドルは、過去2週
間で最も強気な水準で取引されている。ストラテジストは「関税関連のニュースが短期
的にドルの支援材料になる可能性がある一方、不確実性の高まりや、企業・消費者が直
面する輸入コスト上昇に起因する米成長減速、雇用悪化、金利低下見通し、米国への資
本流入減少といった要因により、中期的にはドルは着実に弱含む」と述べていた。
 ユーロドルは方向感のない展開が続き、1.17ドル台前半での振幅に終始した。ド
ル高の動きは一服していたものの、ユーロドルは買い戻す動きまでは見られていない。
一方、下押す動きも限定的で1.17ドルを割り込むと押し目買いも活発に出るよう
だ。本日も一時1.16ドル台に値を落としたものの直ぐに戻している。
 ストラテジストはECBの当局者は、ユーロ高がさらに継続した場合、その影響につ
いての発言を強める可能性があると指摘していた。先週、ECB当局者がユーロ高を牽
制する最初の兆しが見られていた。ドイツ経済は今年も軟調が予想されており、輸出を
圧迫するユーロ高に加えて、米国の関税引き上げの可能性が輸出企業にとって逆風にな
ると見られている。ユーロドルは今後12カ月で1.20ドルまで上昇すると予想して
いるが、目先の1-3カ月の間は最近の上昇分の一部を巻き戻す可能性もあると見てい
るようだ。
 ポンドドルは1.36ドル付近での狭い範囲での振幅が続いた。本日の21日線が
1.36ドル手前に来ており、その付近で次の展開を待っている。アナリストは、ポン
ドの見通しは悪化しており、軟調な展開となるリスクが高まっていると指摘。最近の英
経済指標は第2四半期のGDPが大幅に減速する可能性を示唆しているという。現在の
弱い勢いが続けば、英中銀はより速いペースでの利下げに前向きになる可能性があると
述べている。
 英政府は財政的な混乱にも陥っている。財政赤字に対処するための大規模な措置がな
ければ、信頼性の格差は残り、市場の混乱がさらに広がるリスクがあるという。最近の
ような英国債の急激な売り込み(利回り上昇)は、逆にポンドにとってマイナスとな
り、非常に混乱を招く可能性があると指摘していた。
MINKABU PRESS