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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円 142.32 - 0.09 (- 0.06%) 142.71 / 140.45
ユーロ・ドル 1.1118 + 0.0004 (+ 0.04%) 1.1189 / 1.1097
ポンド・ドル 1.3209 + 0.0048 (+ 0.36%) 1.3298 / 1.3156
ドル・スイス 0.8460 - 0.0012 (- 0.14%) 0.8480 / 0.8391
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<きょうの材料>
※経済指標
*米住宅着工件数(8月)21:30
結果 135.6万件
予想 131.4万件 前回 123.7万件(123.8万件から修正)
*住宅建築許可件数
結果 147.5万件
予想 141.1万件 前回 140.6万件(139.6万件から修正)
*FRB政策金利
結果 4.75~5.00%
予想 4.75~5.00% 前回 5.25~5.50%
※発言・ニュース
*パウエル議長
・FRBは会合ごとの決定を続ける。
・FRBはあらかじめ定められたコースには乗っていない。
・雇用に下方リスクが高まっている。
・インフレの上方リスクは減少。
・労働市場は以前の過熱状態から冷え込んでいる。
・四半期雇用賃金調査は賃金が下方修正される可能性を示唆。
・年内のドット・プロットは6月時点から大幅に変化。
・ドット・プロットでは利下げを急ぐようなことは示唆されていない。
・適切であれば、より迅速に、よりゆっくりと、あるいは一時停止することも可能。
・ブラックアウトに入る前に利下げ幅を未定のままにした。
・利下げはビハインド・ザ・カーブにならないという決意の表れ。
・0.50%の利下げが新ペースと見なすべきではない。
・インフレに対する勝利宣言は否定。
*FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)
2024年末
4.125% 1人
4.375% 9人
4.625% 7人
4.875% 2人
中央値は4.375%
2025年末
2.875% 2人
3.125% 6人
3.375% 6人
3.625% 3人
3.875% 1人
4.125% 1人
中央値は3.375%
*FOMC声明
・雇用とインフレ目標のリスクバランスは均衡。
・最大雇用と2%インフレに強くコミット。
・インフレが2%目標に持続的に向かっているとの確信強める
・ボウマン理事が反対票。0.25%の利下げを支持。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
実質GDP(第2四半期)07:45
予想 -0.3% 前回 0.2%(前期比)
予想 -0.5% 前回 0.3%(前年比)
【豪州】
雇用者数増減(8月)10:30
予想 2.50万人 前回 5.82万人
失業率
予想 4.2% 前回 4.2%
【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(7月)17:00
予想 N/A 前回 505.0億ユーロ(季調済)
【英国】
英中銀政策金利(9月)20:00
予想 5.00% 前回 5.00%
【米国】
経常収支(第2四半期)21:30
予想 -2610億ドル 前回 -2376億ドル
フィラデルフィア連銀景況指数(9月)21:30
予想 3.0 前回 -7.0
新規失業保険申請件数(09/08 - 09/14)21:30
予想 22.9万件 前回 23.0万件
景気先行指数(8月)23:00
予想 -0.3% 前回 -0.6%(前月比)
中古住宅販売件数(8月)23:00
予想 391万件 前回 395万件
ナーゲル独連銀総裁が講演
シュナーベルECB理事が講演
クノット・オランダ中銀総裁が講演
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きょうのNY為替市場、ドル円は大きく下に往って来いの展開が見られている。午後
にFOMCの結果が公表され0.50%ポイントの大幅利下げとなった。発表直後のド
ル円は142円ちょうど付近から140.50円まで急速に下落。ただ、パウエル議長
の会見が始まると今度はその下げを急速に取り戻し142円台半ばまで買い戻されてい
る。
ドル円はFOMCの結果とパウエル議長の会見を受けて上下動したものの、基本的に
方向感は見い出せていない。FRBは、市場の見解が分かれていた政策金利で大幅利下
げを実施したが、エコノミストの間では利下げサイクル開始時の大幅利下げは過去にあ
まり例がなく、足元の経済指標からは必要ないとの意見も多かった。しかし、FRBは
短期金融市場の期待通りに大幅利下げを行った。パウエル議長も会見で言及していた
が、利上げ開始では批判も多かったが、今回の利下げサイクルでビハインド・ザ・カー
ブに陥りたくはないとのFRBの意志の表れのようだ。
声明ではインフレの落ち着きに確信が強まったとし、雇用に軸足を移す姿勢が示され
ていた。また、今回はFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表された
が、中央値からは年内あと計0.50%ポイント、来年は計1.00%ポイントの利下
げを見込んでいる。
パウエル議長の会見では、インフレに勝利宣言をする状況ではなく、利下げを急がな
い姿勢を強調したことから、米国債利回りの上昇と伴にドル円も急速に買い戻されたよ
うだ。
ユーロドルはFOMC後に一旦1.11ドル台後半に上昇したものの、その後は1.
11ドルちょうど付近に戻す展開となった。ユーロ自体の材料はなく、ユーロドルは専
らドルに動かされているが、1.11ドル台はかろうじて維持しており、上向きのトレ
ンドは堅持している。
FRBは大幅利下げを実施して来たが、パウエル議長が利下げを急がない姿勢を強調
していたこともあり、市場ではECBの10月利下げの期待も高まっていない。次回の
追加利下げは12月の見通しで変わらない。
ポンドドルもFOMC後に上下動し、一旦1.33ドル付近まで上昇したものの、
1.31ドル台後半に伸び悩んでいる。本日の21日線は1.31ドル台半ばに来てい
るが、その上の水準をしっかりと堅持しており上向きのトレンドに変化はない。
本日は8月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、予想通りではあっ
たものの、コアインフレが前年比3.6%、サービスインフレが5.6%に上昇してい
た。これを受けてエコノミストからは、コア、サービスともに上昇したものの、それは
英中銀の年内追加利下げには障害にならないとの見方が出ている。今回のデータはイン
フレの持続性を懸念する英中銀委員にとっては一見不都合な数字ではあるものの、心強
い詳細もあるという。
サービスインフレの上昇は航空運賃の大幅な上昇で完全に説明可能で、これはあくま
で一時的なものであり、航空運賃がなければ全体的なインフレは低下していたと分析し
ている。さらに、サービスインフレの上昇率は6月の5.7%よりは低く、英中銀自身
の予測も下回っている。ただ、追加利下げは11月まで待つ可能性が高く、その時には
経済動向のより明確な見通しが得られるだろうとも付け加えた。
MINKABU PRESS