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2025年04月22日(火)05時34分

NY外為市況=一時140円台半ばに急落

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  140.92 - 1.26 (- 0.89%) 142.25 / 140.48
ユーロ・ドル 1.1506 + 0.0113 (+ 0.99%) 1.1573 / 1.1383
ポンド・ドル 1.3376 + 0.0080 (+ 0.60%) 1.3422 / 1.3260
ドル・スイス 0.8093 - 0.0075 (- 0.92%) 0.8197 / 0.8040
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<きょうの材料>
【米国】
*景気先行指数(3月)23:00
結果 -0.7%
予想 -0.5% 前回 -0.2%(-0.3%から修正)(前月比)
*トランプ大統領
 トランプ大統領は、自身のソーシャルメディアプラットフォームであるトゥルース・
ソーシャルへの投稿で、「多くの人が予防的な利下げを求めている」と述べ、再度、利
下げを要請した。エネルギーコストや食料品価格が大幅に低下している中で、「インフ
レはほぼ起こらないが、パウエル議長(遅すぎる人物で大きな敗者)が、いますぐ金利
を引き下げない限り、経済の減速は避けられない」と述べている。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・市場ベースの長期インフレ期待は上昇していない。
・関税が生産性に影響を与えるかどうかを確認したい。
・12-18カ月後には金利が低下すると依然確信している。
*ホワイトハウス、新国防長官の選考を開始と伝わる
 ホワイトハウスが、ヘグセス国防長官の後任の選考プロセスを開始したと伝わってい
る。全米公共ラジオ(NPR)が当局者の話として伝えた。
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<明日の材料と事前予想>
【カナダ】
鉱工業製品価格(3月)21:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
原材料価格指数
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(4月)23:00
予想 -15.1 前回 -14.5
【米国】
リッチモンド連銀製造業指数(4月)23:00
予想 -6 前回 -4
ECB専門家予測調査(SPF)
IMF世界経済見通し(WEO)
ラガルドECB総裁CNBC出演
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が講演(質疑応答なし)
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会参加(質疑応答あり)
バーキン・リッチモンド連銀総裁が討論会参加(質疑応答あり)
クーグラーFRB理事が講演(質疑応答あり)
ジェファーソンFRB副議長が講演(質疑応答なし)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時140.50円付近まで急落した。本日も市場
はトランプ大統領絡みでリスク回避の雰囲気が強まり、米株式市場でダウ平均が一時1
300ドル超急落する中、ドル円も下げを加速させた。140円を試しそうな気配が濃
厚となって来ている中、下値ではショートカバーも散見されていたものの、141円付
近にレジスタンスが形成されたようで上値を抑えていた。
 市場はトランプ大統領の関税政策のほか、パウエルFRB議長の解任を巡る発言に神
経を尖らせている。ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は市場が休場だった18
日に、パウエル議長の解任を検討していると発言し、議長に対する米政権の不満が浮き
彫りになっている。
 それに輪をかけるように、トランプ大統領が本日、パウエル議長に再度利下げを要
請。先週も同様の発言があったが、大統領は自身のソーシャルメディアへの投稿で、
「多くの人が予防的な利下げを求めている」と述べていた。「エネルギーコストや食料
品価格が大幅に低下している中で、インフレはほぼ起こらないが、パウエル議長がいま
すぐ金利を引き下げない限り、経済の減速は避けられない」とも付け加えていた。
 ドル円は本日の下げで21日線から更に下放れしている。140円を完全にブレイク
するようであれば、月足ベースでの三尊天井も形成され、テクニカル的には、本格的に
下値警戒感が強まりそうな気配となっている。
 ユーロドルは一時1.1550ドル付近まで上昇。2021年11月以来の高水準を
記録した。今回のドル安の受け皿にユーロも入っているようで、ユーロドルは活発に買
い戻されている格好。
 ストラテジストからは「本日のドル安のきっかけはパウエル議長への圧力かもしれな
いが、現実にはもはやドル売りにこれ以上の理由は不要だ」と述べている。過去3カ月
に起きた出来事そのものが今後数カ月に渡り、ドル安が続く十分な理由になるという。
 来週発表の第1四半期の米GDP速報値は前期比年率0.4%の小幅な伸びが予想さ
れているが、マイナス成長の可能性すらある状況。その場合、米経済の例外的強さとい
う神話に終止符が打たれるかもしれないとも述べている。
 ポンドドルは1.34ドル台まで一時上昇。本日で10日続伸となっており、昨年9
月以来の高値水準に上昇した。今週は4月調査の英PMI速報値や3月の小売売上高
(数量べース)の発表が予定されているが、いずれも前回から低下し、弱い内容が見込
まれている。
 貿易戦争のリスクが残る中、英中銀は予想以上に利下げを拡大するとの見方が市場で
は根強い。トランプ大統領が相互関税の上乗せ措置を一時停止しているものの、もとも
と英国には相互関税の上乗せ措置はなく、基礎部分の10%だけとなっている。それは
なお残存しており、英経済に与える影響が予想以上に深刻化し、英中銀の利下げペース
は加速すると見られているようだ。
 ただ、ポンドドルはしばらく、ポンド自体の材料よりも米国発の材料に振り回されそ
うだ。
MINKABU PRESS