12日の東京株式市場はこれまでの下落歩調から一変、日経平均株価は急速に切り返
す展開となり、3万6000円台後半まで一気に水準を切り上げた。
大引けの日経平均株価は前営業日比1213円50銭高の3万6833円27銭と8
日ぶり急反発。プライム市場の売買高概算は18億6465万株、売買代金概算は4兆
2134億円。値上がり銘柄数は1550、対して値下がり銘柄数は77、変わらずは
16銘柄だった。
きょうの東京市場はリスクオン一色に染まった。前日までの7営業日で3000円以
上の下落をみせていたこともあり、足もとで空売り筋の買い戻しやリバウンドを見込ん
だ押し目買いが優勢となり、全体相場を押し上げた。前日の米国株市場では8月の米消
費者物価指数(CPI)でコア指数の伸びが加速したことを嫌気して、午前中はリスク
回避ムードが強まったが、売り一巡後はエヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連
株に買いが集中、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5%近い急騰をみせ
るなど、取引後半は相場の流れが大きく強気に傾いた。東京市場もその地合いを引き継
ぐ格好で半導体セクター中心にショートカバーの動きが表面化した。外国為替市場でド
ル安・円高が一服したことも買いを助長する背景となっている。値上がり銘柄数は全体
の94%の銘柄が上昇する文字通りの全面高となった。
個別では、売買代金で群を抜いたレーザーテック<6920>を筆頭にディスコ<6146
>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>といった半導体製造装置の主
力株が売買代金上位をほぼ独占し、軒並み値を飛ばした。また、ソフトバンクグループ
<9984>が商い活況のなか急騰。三菱重工業<7011>が高く、三井住友フィナンシャル
グループ<8316>などメガバンクも値を上げた。さくらインターネット<3778>が大商
いで値上がり率トップに買われる人気。消費関連ではファーストリテイリング<9983>
が大幅高となったほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382>、メルカリ<4385>
なども上昇した。ネットプロテクションズホールディングス<7383>、荏原<6361>な
ども急伸をみせている。
半面、第一三共<4568>が軟調、伊藤忠商事<8001>が冴えず、神戸物産<3038>も
売りに押された。また、関電工<1942>、メディパルホールディングス<7459>、宮越
ホールディングス<6620>、シュッピン<3179>なども軟調だった。
出所:MINKABU PRESS