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2025年06月25日(水)05時35分

NY外為市況=ドル安が優勢

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日本時間午前5時34分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.82 - 1.33 (- 0.91%) 146.19 / 144.51
ユーロ・ドル 1.1611 + 0.0033 (+ 0.29%) 1.1642 / 1.1575
ポンド・ドル 1.3616 + 0.0092 (+ 0.68%) 1.3648 / 1.3506
ドル・スイス 0.8052 - 0.0075 (- 0.92%) 0.8131 / 0.8035
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<きょうの材料>
【米国】
*経常収支(第1四半期)21:30
結果 -4502億ドル
予想 -4455億ドル 前回 -3120億ドル(-3039億ドルから修正)
住宅価格指数(4月)22:00
結果 -0.4%
予想 -0.2% 前回 0.0%(-0.1%から修正)(前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(4月)22:00
結果 3.42%
予想 N/A 前回 4.08%(4.07%から修正)(前年比)
【カナダ】
消費者物価指数(CPI)(5月)21:30
結果 0.6%
予想 0.6% 前回 -0.1%(前月比)
結果 1.7%
予想 1.7% 前回 1.7%(前年比)
*パウエル議長(事前原稿)
・政策変更が経済に与える影響は依然として不確実。
・関税は物価上昇と経済に悪影響を及ぼす可能性が高い。
・最終的な関税水準が影響を左右する。
・米経済および労働市場は堅調な状態を維持。
・インフレ大幅に後退も、依然として目標やや上回る。
・長期的なインフレ期待は2%目標と整合的。
・金利変更の検討前に待てるだけの好位置にある。
*パウエル議長(質疑応答)
・インフレ低下、労働市場低迷は早期利下げを意味する可能性。
・アトランタ連銀のGDPモデルでは景気後退は示唆されていない。
・インフレは予想ほど強くない可能性。
・FRBが関税についてコメントするのは不適切。
・FRBの任務はインフレをコントロールすること。
・関税によりインフレは上昇が予測される。
・金利は経済の動向次第。
・多くは年後半の利下げが適切と考えている。
・状況は変化しており、われわれの考えもそれに合わせて変化。
・中東の緊張が経済に与える影響は現時点でまだ不明。
・FRBは政治的要因を考慮していない。
・FRBはインフレ上昇の予測を無視できない。
・労働市場に弱さは見られない。
・経済が力強いため、少し休憩を取ることができる。
・米財政政策はしばらく、持続不可能な道を進んでいる。
・データによると、少なくとも一部の関税は消費者に影響を与える。
・6、7月の数字で関税によるインフレが見られるだろう。
・FRBは関税の転嫁がそれほど大きくないという見方にオープン。
・関税の転嫁がそれほど大きくない場合、それは政策にとって重要。
*ハマック・クリーブランド連銀総裁
・FRBは相当な期間、金利据え置きを維持する可能性が高い。
・持続的な2%インフレ達成にはまだ一定の距離がある。
・FRBの政策は既に中立に近いと思われる。
*ウィリアムズNY連銀総裁
 政策変更が労働市場とインフレに及ぼす影響を当局者が分析する間、金利を据え置き
は完全に適切との認識を示した。適度に景気抑制的な金融政策スタンスを維持すること
は完全に適切だと述べた上で、「状況を見極めるため、データ全体の分析に細心の注意
を払う必要がある」とも付け加えた。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
消費者物価指数(CPI・月次)(5月)10:30
予想 2.4% 前回 2.4%(前年比)
【日本】
景気先行指数(確報値)(4月)14:00
予想 103.4 前回 103.4
景気一致指数
予想 115.5 前回 115.5
【米国】
新築住宅販売件数(5月)23:00
予想 70.0万件 前回 74.3万件
日銀主な意見(6月16日-17日開催分)
田村日銀審議委員が金融経済懇談会講演
ロンバルデッリ英中銀副総裁が会議開会挨拶
パウエル議長が上院で議会証言
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 きょうのNY為替市場、ドル安が強まり、ドル円は144円台半ばまで下落する場面
が見られた。トランプ大統領がイランとイスラエルの間で停戦が成立したと発表し、中
東情勢への懸念が和らいでいる。しかし、合意の報道があってすぐに、イスラエルはイ
ランからミサイルの発射があったことを検知し、イスラエルも空爆を行った。情勢は依
然流動的ではある。一部からは「中東情勢を完全に後ろに置くには時期尚早」との声も
出ていた。ただ、停戦成立で本日はひとまず安堵感が広がった模様。
 また、この日の予想を下回る米消費者信頼感指数やパウエルFRB議長の議会証言も
ドル安を後押し。パウエル議長は慎重姿勢を強調していたものの、「インフレ低下と雇
用が低迷なら早期の利下げの可能性がある」と柔軟性も示していたことに敏感に反応。
ただ、関税の影響で6、7,8月の数字はインフレを示す可能性に言及していた。
 ドル円は本日の下げで21日線に顔合わせしており、明日以降の動きが注目される。
 ユーロドルは一時1.1640ドル付近まで上昇。年初来の高値を更新している。停
戦合意に信頼感はないとの見方も一部からは出ているものの、とりあえず市場は歓迎し
ており、原油相場も下落している。
 ラガルドECB総裁や他の政策当局者が最近、利下げサイクルの終了が近いとの見方
を強調している中、ユーロは対ドルで買いやすい通貨となっている模様。
 ECBは利下げ打ち止めが接近している半面、FRBは年後半に利下げを再開し、来
年5月のパウエル議長の任期満了以降は、トランプ大統領好みの利下げに積極的な議長
が選出されるとの期待もあり、利下げが加速するとの思惑がある。その意味ではユーロ
ドルは、買い易い通貨ペアではある。
 ポンドドルは一時1.3650ドル付近まで上昇し、2022年1月以来の高値水準
に上昇した。本日の上げで21日線の上を復活しており、上向きの流れを継続してい
る。
 エコノミストからは、英中銀は早ければ今年の夏にも利下げを検討できるとの指摘が
出ている。5月の英消費者物価指数(CPI)の総合指数は僅かな低下に留まり、4月
の3.5%から3.4%に低下していた。しかし、同エコノミストによると、英中銀が
注視しているサービスインフレは前回の5.4%から4.7%に大きく低下しており、
これは英中銀にとっては好ましい兆候だという。
 停戦合意で中東情勢の緊迫化も一服する中、原油相場も急落しており、エネルギーイ
ンフレへの警戒感も後退。その意味では英中銀の8月の金融政策委員会(MPC)での
利下げは依然として検討余地があるという。
MINKABU PRESS