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2025年06月06日(金)05時32分

NY外為市況=一時144円に接近

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  143.58 + 0.81 (+ 0.57%) 143.97 / 142.53
ユーロ・ドル 1.1443 + 0.0026 (+ 0.23%) 1.1495 / 1.1405
ポンド・ドル 1.3571 + 0.0017 (+ 0.13%) 1.3616 / 1.3541
ドル・スイス 0.8197 + 0.0012 (+ 0.15%) 0.8215 / 0.8172
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<きょうの材料>
*米貿易収支(4月)21:30
結果 -616億ドル
予想 -660億ドル 前回 -1383億ドル(-1405億ドルから修正)
*米新規失業保険申請件数(5月31日週)21:30
結果 24.7万人
予想 23.5万人 前回 23.9万人(24.0万人から修正)
*ECB理事会 21:15
中銀預金金利
結果 2.00%
予想 2.00% 前回 2.25%
*トランプ大統領
 米中首脳電話会談を受けて、トランプ大統領は「代表団同士が近く場所を決定して会
談を行う予定だ」と投稿で述べた。「偉大な2国の首脳として、双方が楽しみにしてい
ることだ」とも語った。会談のスケジュールと場所については、間もなくメディアに通
知するとも付け加えた。
*ECB声明
・インフレ率は現在、中期目標の2%前後。
・特定の金利の道筋を事前コミットせず。
・データ依存のアプローチを採用。
・会合ごとに適切な政策を決定。
*ECBスタッフ予測
成長見通し
25年は0.9%(3月予測0.9%)
26年は1.1%(3月予測1.2%)
27年は1.3%(3月予測1.3%)
インフレ見通し
25年は2.0%(3月予測2.3%)
26年は1.6%(3月予測1.9%)
27年は2.0%(3月予測2.0%)
*ラガルド総裁
・政策サイクルはほぼ完了。
・成長へのリスクは下方向。
・調査データは短期的な見通しの弱さを示唆。
・重大な不確実性に直面している。
・関税の引き上げとユーロ高が輸出を困難に。
・防衛とインフラ投資が成長を後押し。
・労働コストは徐々に緩和傾向。
・理事の1人が決定に反対した。
・ECB総裁の任期を全うすると完全に決意。
・成長のさらなる上方修正の可能性排除せず。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
景気先行指数(速報値)(4月)14:00
予想 104.0 前回 108.1
景気一致指数
予想 115.4 前回 115.9
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産指数(4月)15:00
予想 -0.8% 前回 3.0%(前月比)
予想 -0.9% 前回 -0.2%(前年比)
ドイツ貿易収支(4月)15:00
予想 190億ユーロ 前回 212億ユーロ
ユーロ圏実質GDP(確報値)(第1四半期)18:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前期比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
ユーロ圏小売売上高(4月)18:00
予想 0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 1.5% 前回 1.5%(前年比)
【米国】
非農業部門雇用者数(5月)21:30
予想 13.0万人 前回 17.7万人(前月比)
失業率
予想 4.2% 前回 4.2%
平均時給
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 3.6% 前回 3.8%(前年比)
【カナダ】
雇用者数(5月)21:30
予想 -1.1万人 前回 0.74万人(前月比)
失業率
予想 7.0% 前回 6.9%
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 きょうのNY為替市場、ドル円は再び上値追いの動きを見せ、144円付近まで一時
上昇。本日は米中首脳が電話会談を行ったが、それについてのトランプ大統領の発言に
反応していたようだ。トランプ大統領は、両国の代表団がまもなく協議開始で合意した
ことを明らかにした上で、問題となっていたレアアースの製品を巡って「中国との間で
もう疑問ない」と述べたことに市場は反応していた。米中協議の進展を期待させる発言
でもあったことから、市場もひとまずポジティブに反応している模様。
 ただ、トランプ関税に米財政への不透明感が重なり、ドル離れの議論は7月以降の下
半期も継続との見方は根強い。米経済の強さにも疑問が生じ始めている中、G10通貨
の中でも円は資産配分戦略における勝者となる可能性があるとの指摘も聞かれる。
 過去10年との比較であれば好転を見せている日本の景気サイクル、正常化しつつあ
る日銀の金融政策、そして安定した制度基盤に支えられ、円の魅力は高まっているとい
う。守りを重視したポジショニングが円に対する強気な見方を後押しし、割安さや歴史
的に低水準にある点も追い風だと述べている。
 本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに0.25%ポイントの利下げを決
定した。ラガルド総裁はその後の会見で、今回の利下げサイクルは完了に近いとの認識
を示していた。その発言を受けてユーロドルは1.15ドル付近まで上昇していたが、
1.15ドルを回復することなく伸び悩む展開。
 ECBはインフレや成長の見通しを下方修正しており、関税の影響も不確実なことか
ら、追加利下げの選択肢も残している。エコノミストの間では、なお9月以降にもう1
回の利下げとの見方が多い。
ドル円は再び上値追いの動きを見せており、143.75円付近まで上昇している。本
日は米中首脳が電話会談を行ったが、それについてのトランプ大統領の発言で、下落し
ていた米株式市場がプラスに転じたことでドル円も呼応しているようだ。
 トランプ大統領は、両国の代表団がまもなく協議開始で合意したことを明らかにした
上で、問題となっていたレアアースの製品を巡って「中国との間でもう疑問ない」と述
べたことに市場はポジティブな反応を見せている。
 米中協議の進展を期待させる発言でもあったことから、市場もひとまずポジティブに
反応しているようだ。
 トランプ関税に米財政への不透明感が重なり、ドル離れの議論は7月以降の下半期も
継続されると見られている。米経済の強さにも疑問が生じている中、G10通貨の中で
も円は資産配分戦略における勝者となる可能性があるとの指摘も聞かれる。
 過去10年との比較であれば好転を見せている日本の景気サイクル、正常化しつつあ
る日銀の金融政策、そして安定した制度基盤に支えられ、円の魅力は高まっているとい
う。守りを重視したポジショニングが円に対する強気な見方を後押しし、割安さや歴史
的に低水準にある点も追い風だと述べている。
 本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに0.25%ポイントの利下げを決
定した。ラガルド総裁はその後の会見で、今回の利下げサイクルは完了に近いとの認識
を示していた。その発言を受けてユーロドルは1.15ドル付近まで上昇していたが、
1.15ドルを回復することなく1.14ドル台前半に伸び悩む展開。
 ECBはインフレや成長の見通しを下方修正しており、関税の影響も不確実なことか
ら、追加利下げの選択肢も残している。エコノミストの間では、9月以降にもう1回の
利下げとの見方は多い。一方、ECB当局者は7月の理事会で、これまで続けてきた利
下げの休止を視野に入れているとの報道も伝わっていた。
 きょうもポンドドルは買いが強まり、一時1.36ドル台に上昇。2022年2月以
来の高値水準を更新した。ポンドドルは力強い上昇が続いているが、オプション市場で
は更なる上値追いに慎重になっている気配も見せている。さすがに高値警戒感も強まっ
てきているようだ。
 本日は英統計局(ONS)が4月の英消費者物価指数(CPI)を0.1%ポイント
過大に算出していたことを明らかにしていた。車両税に関する数値の誤りが原因。4月
の英CPIは前年比3.5%上昇となっていたが、3.4%だったという。
 4月のCPI発表時に市場は敏感に反応し、短期金融市場でも利下げ期待を後退させ
ていた。ただ、本日のONSの発表後も市場の期待にほとんど変化は見られず、年内1
回の利下げを織り込んでいる状況。
MINKABU PRESS