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2025年06月19日(木)05時37分

NY外為市況=145円台に戻す

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日本時間午前5時35分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  145.12 - 0.17 (- 0.12%) 145.44 / 144.34
ユーロ・ドル 1.1480 0.0000 ( 0.00%) 1.1530 / 1.1461
ポンド・ドル 1.3419 - 0.0010 (- 0.07%) 1.3476 / 1.3401
ドル・スイス 0.8187 + 0.0024 (+ 0.29%) 0.8199 / 0.8151
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<きょうの材料>
【米国】
*米住宅着工件数(5月)21:30
結果 125.6万件
予想 135.0万件 前回 139.2万件(136.1万件から修正)
*建設許可件数(5月)21:30
結果 139.3万件
予想 142.5万件 前回 142.2万件
*米新規失業保険申請件数(6月14日週)21:30
結果 24.5万人
予想 24.5万人 前回 25.0万人(24.8万人から修正)
*FOMC声明
・見通しの不確実性は軽減されたが、依然として高い。
・失業率の上昇やインフレのリスクに関する記述を削除。
・失業率は依然として低い水準にあり、労働市場は堅調を維持。
・決定は全会一致。
FOMC経済見通し()は3月時点
*実質GDP
25年 1.4%(1.7%)
26年 1.6%(1.8%)
27年 1.8%(1.8%)
長期 1.8%(1.8%)
*失業率
25年 4.5%(4.4%)
26年 4.5%(4.3%)
27年 4.4%(4.3%)
長期 4.2%(4.2%)
*PCEインフレ
25年 3.0%(2.7%)
26年 2.4%(2.2%)
27年 2.1%(2.0%)
長期 2.0%(2.0%)
*PCEコアインフレ
25年 3.1%(2.8%)
26年 2.4%(2.2%)
27年 2.1%(2.0%)
*FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)
2025年末
3.625% 2人
3.875% 8人
4.125% 2人
4.375% 7人
中央値は3.875%
*パウエル議長
・貿易、財政政策の変化は依然不透明。
・関税引き上げは物価上昇につながる可能性。
・関税がインフレに与える影響はより持続的になる可能性。
・現在の政策スタンスは対応にふさわしい。
・純輸出の異例な変動がGDPの測定を複雑にする。
・関税がインフレに及ぼす影響、より根強い可能性も。
・多くの企業が関税コストを転嫁すると予想。
・関税が最終消費者に影響を及ぼすまでには時間がかかる。
・インフレの落ち着きは住宅市場の冷え込みも一因。
・関税の規模、金額、期間は極めて不透明。
・関税の影響がいくらか顕在し始めたが、まだこれから。
・関税によるインフレへの影響は一時的なものに留まるとは想定できない。
・短期的なインフレ期待は最近上振れした。
・金利の道筋に強い確信を持つ人はいない。
・労働市場は利下げ求めて叫んではいない。
・任期満了後も理事に留まるかどうか答えず。
*トランプ大統領
・イラン側が接触してきた。
・イラン側がホワイトハウスへの訪問を提案。
*マクレム・カナダ中銀総裁
・関税コストの転嫁は需要と消費者物価指数(CPI)の見通しに依存
・関税が継続した場合、コストの75%が1.5年以内に転嫁される可能性。
・多くの企業が貿易戦争によるコスト上昇を既に感じている。
・米国との自由貿易はカナダの雇用と成長に不可欠。
・カナダはグローバルなサービス輸出を拡大する機会を有している。
・カナダ企業の市場拡大は回復力強化につながる。
・カナダと米国との合意の30日期限は歓迎すべきニュース。
・貿易依存度の低い部門では雇用が維持されている。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
実質GDP(第1四半期)07:45
予想 0.7% 前回 0.7%(前期比)
予想 -0.8% 前回 -1.1%(前年比)
【豪州】
雇用者数増減(5月)10:30
予想 2.5万人 前回 8.9万人
失業率
予想 4.1% 前回 4.1%
【英国】
英中銀政策金利(6月)20:00
予想 4.25% 前回 4.25%
奴隷解放記念日(ジューンティーンス)祝日のため米国市場は休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は再び144円台に下落して始まったものの、午後の
FOMCとパウエル議長の会見を受けて145円台に戻している。FRBは大方の予想
通りに政策金利を据え置いたが、注目されていた委員の金利見通し(ドット・プロッ
ト)の中央値は、予想外に年内2回の利下げ予想を維持していた。市場は1回に変更さ
れると見ていた。ただ、委員の見方は二分しており、一部からは、FOMCは利下げを
急ぐ必要性を感じていないのではとの見方も出ていた。
 また、その後のパウエル議長の会見では、関税のインフレへの影響が強調され、議長
は「関税がインフレに及ぼす影響は根強い可能性がある」との認識を示し、ドルの買い
戻しとともにドル円も145円台に戻す展開。ただ、145円台の上値抵抗は依然とし
て強そうな中、明日以降、維持できるか注目される。
 ユーロドルも後半に売りが優勢となり、1.14ドル台に値を落とす展開。本日の2
1日線が1.14ドル台前半に来ており、明日以降その水準を試しに行くか注目され
る。
 この日は5月の消費者物価指数(HICP)の確報値が公表されていたが、速報値と
変わらない内容となった。総合指数は前年比1.9%とECBの目標である2%を下回
っている。特にサービス関連コストの圧力緩和でコアインフレの鈍化が確認されたこと
はECBにとって心強い内容。
 しかし、基調インフレ指標には目立った改善は見られず、今回のインフレ鈍化は前月
に特定のサービス分野で物価を押し上げていたイースター関連の一時的要因が解消され
たに過ぎないとの指摘も出ている。今後については、コスト圧力のさらなる緩和が予想
されるものの、最近の進展の停滞は懸念材料だとしている。それでも、賃金上昇の鈍化
や関税による抑制効果など、ディスインフレ方向への見通しを支持する要因もいくつか
残っているという。
 きょうの為替市場はトランプ大統領の「イランが接触して来た」との発言をきっかけ
にドル安が優勢となっている。ポンドドルもNY時間に入って買い戻しが出ており、
1.34ドル台後半まで一時上昇する場面も見られた。
 ポンドドルも1.34ドルちょうど付近に下落。21日線を下放れる動きも見られて
いるが、まだ上昇トレンドが崩れそうな気配までは出ていない。ただ、ストラテジスト
からは、英国の政策不透明感とリスク回避がポンドの重しになる可能性が指摘されてい
る。
 ポンドはイスラエル・イラン紛争の中、英国の政策不透明感とリスク回避の厄介な組
み合わせに直面していると指摘。英中銀は今週木曜日の金融政策委員会(MPC)で金
利を据え置くと見られており、特に最近の原油の急速な上昇を踏まえた、英中銀のトー
ンに注目が集まっているという。
 市場は今年2回の利下げを織り込んでいるが、同ストラテジストはこの見通しに加
え、英国の弱い経済指標とFRBの高金利の長期化姿勢により、ポンドの利回り優位性
が損なわれていると指摘している。
MINKABU PRESS