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2025年06月14日(土)05時34分

NY外為市況=144円付近

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.04 + 0.56 (+ 0.39%) 144.48 / 142.80
ユーロ・ドル 1.1541 - 0.0043 (- 0.37%) 1.1614 / 1.1489
ポンド・ドル 1.3561 - 0.0052 (- 0.38%) 1.3632 / 1.3517
ドル・スイス 0.8115 + 0.0013 (+ 0.16%) 0.8148 / 0.8056
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(6月)23:00
結果 60.5
予想 53.4 前回 52.2
※発言・ニュース
*石破首相
・カナダで会談を行うことで一致。
・関税の閣僚協議を受けた形で行う。
・米関税措置、撤廃求める立場に変わりはない。
・G7で日米首脳会談、具体的な日時は事務方で調整。
・電話会談は日本側から打診した。
・関税措置、率直で有意義なやり取りできた。
・双方に利益となる合意実現へ協議加速で一致。
・中東の平和と安定が極めて重要との認識で一致。
・今後も緊密に意思疎通すると確認。
*赤沢再生相
・6回目の日米閣僚協議
・重要な局面を迎えているとの認識。
*次期オランダ中銀総裁にスレイペン氏
 オランダ政府は、クノット・オランダ中銀総裁の後任にスレイペン氏を任命した。オ
ランダ中銀は伝統的にタカ派寄りで、今回も内部の人材を起用した。
*イラン、弾道ミサイル数百発をイスラエルへ発射
 イランは弾道ミサイル数百発をイスラエルへ発射した。イスラエル狙ったミサイル第
2弾を発射。少なくとも2機のイスラエル戦闘機がイラン上空で撃墜されたという。イ
ラン国営通信が伝えた。また、米国はイスラエルによるイランのミサイル迎撃を支援す
ると伝わっている。こちらはアクシオスが伝えた。
*イラン 潜水艦からイスラエルに向けてミサイル発射
・米国との核協議で外交プロセスに入っていた。
・イスラエルの攻撃が外交の道筋を台無しにした。
・潜水艦からイスラエルに向けてミサイル発射。
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<月曜日の材料と事前予想>
【英国】
ライトムーブ住宅価格(6月)08:01
予想 N/A 前回 0.6%(前月比)
予想 N/A 前回 1.2%(前年比)
【中国】
小売売上高(5月)11:00
予想 5.0% 前回 5.1%(前年比)
予想 4.8% 前回 4.7%(年初来・前年比)
鉱工業生産指数(5月)11:00
予想 6.0% 前回 6.1%(前年比)
予想 6.4% 前回 6.4%(年初来・前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(5月)21:15
予想 26.0万件 前回 27.86万件(住宅着工件数)
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)21:30
予想 -7.0 前回 -9.2
米20年債入札(130億ドル)
G7首脳会議(カナダ、17日まで)
中国習近平国家主席、カザフスタン訪問(17日まで)
OPEC月報
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 きょうのNY為替市場、後半には一服していたものの、この日はリスク回避のドル高
が優勢となった。ドル円は東京時間に142円台に下落していたが、144円台まで買
い戻される展開。イスラエルがイランを空爆したことで、中東情勢の緊張が一気に高ま
った。一旦はリスク回避の円高から、ドル円は東京時間に142円台に下落していた
が、為替市場は次第に有事のドル高の反応が強まっている状況。ここ数日、リスク回避
はドル安の反応に変化していた。
 原油相場が一時78ドル台まで一気に急騰していたが、これはドルにとってプラスと
の指摘も出ている。特にユーロや円に対しての優位性が高まるという。
 ただ、本日のドル反発がリスク回避の需要か、直近の下落後の機械的な買い戻しか
は、検証の余地があるとの指摘も出ている。イスラエルがイランを空爆したことは、米
国の地政学的なリーダーシップの低下も同時に表しており、それは、従来のマクロ要因
以上に、市場に影響を与え始めている可能性もあるという。AUKUS(米英豪安全保
障枠組み)見直しの報道も伝わっているが、米国の国際的な信頼の後退は市場にとって
も重大な意味を持つと指摘している。
 ユーロドルは一旦1.15ドルを割り込んだものの、NY時間に入って買い戻しが見
られ、1.15ドル台を維持した。高値圏での推移は温存。エコノミストからは、原油
急騰がECBの対応を困難にするとの指摘が示されている。ユーロ圏の最近のインフレ
鈍化がリスクにさらされる可能性があるという。
 中東情勢のさらなるエスカレーションは、ユーロ圏の成長にも悪影響を及ぼし、スタ
グフレーション的な見通しを強める可能性があるとも指摘している。ECBのシナリオ
によると、エネルギー価格が20%急騰した場合、インフレはベースケース比で0.
6%ポイント上昇するという。
 エコノミストは現時点で、この極端なシナリオには至っていないが、ECBの対応を
困難にしていると指摘。エネルギー価格の変動性が高まる中、ECBは基礎的なインフ
レ動向をさらに注視するだろうと付け加えた。
 ポンドドルは一時1.35ドル台前半まで下落する場面が見られたが、NY時間に入
るとその動きも一服し、1.36ドル手前まで戻す展開となった。本日1.3495ド
ル付近に来ている21日線の上をしっかりと維持し、底堅さは堅持している。
 来週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されており、今回は据え置きが確実
視されている状況。注目は英中銀が年内の利下げ観測に対して、どのようなスタンスを
示すかだが、仮に利下げへの慎重姿勢を維持したとしても、ポンドは対ユーロでは下落
の可能性があるとの指摘も出ている。
 英中銀は将来の利下げについて段階的なアプローチを改めて示す可能性が高いと見て
いるが、ポンドは限定的な反応に留まり、ポンドに対して引き続き弱気な見方をしてい
るという。不透明感の高まりとドル安環境との正の相関は、対ユーロでのポンド安を示
唆しており、英成長見通しの軟化の兆候もポンドの重しになっていると指摘。
MINKABU PRESS