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2024年11月14日(木)06時32分

NY外為市況=155円台半ばに上昇

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日本時間午前6時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.46 + 0.85 (+ 0.55%) 155.62 / 154.34
ユーロ・ドル 1.0564 - 0.0059 (- 0.56%) 1.0653 / 1.0556
ポンド・ドル 1.2710 - 0.0038 (- 0.30%) 1.2768 / 1.2687
ドル・スイス 0.8860 + 0.0043 (+ 0.49%) 0.8864 / 0.8799
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*米消費者物価指数(CPI)(10月)22:30
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
結果 2.6%
予想 2.6% 前回 2.4%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.3%(コア・前月比)
結果 3.3%
予想 3.3% 前回 3.3%(コア・前年比)
※発言・ニュース
*共和党が米下院で過半数獲得
 米下院選挙で共和党が218議席で当確となり過半数を獲得した。これで下院も共和
党が多数派を獲得し、ホワイトハウス、上下両院とも共和党が占める、共和党スウィー
プの状況となる。
トランプ氏、米国務長官にルビオ上院議員を指名
 トランプ氏は次期米国務長官に対中強硬派として知られるマルコ・ルビオ上院議員
(フロリダ州)を指名した。
*16日に米中首脳会談 APECに合わせ
 米政府高官によると、週末のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談に合わ
せ、バイデン大統領と中国の習国家主席が16日にペルーのリマで会談する。両者の直
接会談は3回目となる。
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
 10月の米消費者物価指数(CPI)について、インフレが当局の2%目標に向かっ
て低下しているのを裏付けているとの見解を示した。「インフレは正しい方向に進んで
いると考える。その点については自信を持っているが、もう少し様子を見る必要があ
る」とし、「何らかの決定を下す前に、さらに1カ月もしくは6週間のデータを分析し
なくてはならない」と述べている。
*ローガン・ダラス連銀総裁
 追加利下げの必要性は高いが、金融政策がどの程度景気抑制的であるかについては不
確実さがあるとして、ペースを落として進める必要があるとの見解を示した。「現時点
でわれわれは慎重に進めるべきだと考えている」と述べた。総裁は今年のFOMCで議
決権を有していないが、これまでの利下げについて支持を表明している。その上で以前
からペース減速が必要だと指摘してきた。「ターミナルレート(最終到達点)に達する
までFOMCはさらに利下げを必要とする可能性が高い。しかし、利下げの回数やペー
スを見極めるのは難しい」と続けた。
*ムサレム・セントルイス連銀総裁
 FRBはインフレと失業率の目標達成が視野に入っているとしながらも、物価上昇率
が2%目標を上回っている間は、政策を適度に制限的に維持すべきだと強調した。「金
融政策はインフレが2%に向かって低下し続ける限り、政策金利を中立的な水準に向け
て徐々に調整していくことで、インフレを目標に戻し、最大限の雇用を支援するのに適
した状態にある」と述べた。総裁は「追加利下げを検討する際には、FRBは賢明かつ
辛抱強く入ってくる経済データを評価できる」と付け加えた。「私の基本シナリオで
は、中期的にインフレは2%に収束すると予想。労働市場はさらに冷え込み、完全雇用
の範囲に留まる。それに伴い報酬の伸びも緩やかになるだろう」とも述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
RICS住宅価格指数(10月)09:01
予想 11% 前回 11%
【豪州】
雇用者数増減(10月)09:30
予想 2.80万人 前回 6.41万人
失業率
予想 4.2% 前回 4.1%
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(9月)19:00
予想 -1.4% 前回 1.8%(前月比)
予想 -0.2% 前回 0.1%(前年比)
ユーロ圏実質GDP(改定値)(第3四半期)19:00
予想 0.4% 前回 0.4%(前期比)
予想 0.9% 前回 0.9%(前年比)
【米国】
*米消費者物価指数(CPI)(10月)22:30
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 2.3% 前回 1.8%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
予想 3.0% 前回 2.8%(コア・前年比)
新規失業保険申請件数(11/03 - 11/09)22:30
予想 22.0万件 前回 22.1万件
豪消費者インフレ期待(11月)
ECB議事録(10月16日-17日開催分)
ベイリー英中銀総裁が講演
マン英中銀委員が会議出席
デギンドスECB副総裁が会議出席
シュナーベルECB理事が講演
パウエルFRB議長が講演
クーグラーFRB理事が講演
ウィリアムズNY連銀総裁が講演
バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議
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 きょうもNY為替市場はドル買いが続いた。この日の米消費者物価指数(CPI)が
概ね予想通りの内容となったことで、市場では12月FOMCでの利下げ期待が再点灯
している。米CPI発表直後は為替市場もドル売りの反応を見せ、ドル円も154円台
半ばに一時下落。
 翌日物金利スワップ(OIS)市場では、12月利下げの確率を前日は五分五分で見
ていたが、CPIを受けて70%程度まで上昇。一方、CMEのフェドウォッチでは前
日の58%から80%に上昇した。しかし、FRBは以前ほど利下げに意識が傾いてお
らず、どちらにもオープンな中立スタンスを示唆している。指標次第では直ぐに戻る可
能性は留意される。
 ただ、トランプトレードによるドル高は根強い。ドル円は動きが一巡すると直ぐに切
り返し、逆に上値追いを加速させ、一時155.60円付近まで上昇。7月以来の高値
水準に上昇した。
 ドル円は155-160円ゾーンへのレベルシフトを試す展開となる中、一部からは
「すぐにも日本の財務省が口先介入に動き始め、市場を神経質にさせても驚きではな
い」との声も出ている。ただし、ユーロ円やポンド円はドル円ほどの上昇は見せておら
ず、円独歩安といった雰囲気まではない。
 ユーロドルは1.05ドル台半ばまで下値を切り下げ、年初来安値を更新。トランプ
次期大統領が目指す政策によるインフレ再燃とユーロ圏経済への懸念が根強い中、ユー
ロドルは依然として下げ止まりの気配を見せない。さすがに過熱感も出始めおり、過熱
感を測るテクニカル指標であるRSIは下げ過ぎの基準である30に到達している状
況。
 米大手銀が11月に実施したファンドマネジャー調査によると、ユーロを過小評価し
ていると考える投資家の割合が増加している。ユーロが過小評価されていると答えた投
資家の割合は8%で10月よりも6ポイント上昇したという。
 ポンドドルは一時1.26ドル台まで下値を切り下げた。前日に割り込んだ200日
線を、本日は下放れる展開を見せ、更に下値を試しそうな気配も出ている。目先は8月
安値が1.2665ドル付近、さらにその下は6月安値が1.26ドル台前半にあり、
目先の下値メドとして意識される。
 アナリストは、市場の利下げに慎重な見方が再評価された場合、ポンドは脆弱だと指
摘している。市場は12月の英中銀の利下げの可能性をほとんど、あるいは全く織り込
んでおらず、2025年9月までに計0.50%ポイントの利下げしか織り込んでいな
い状況。そのために、市場がさらなる利下げを織り込む方向にリスクが偏っているとい
う。
 しかし、英政府の最近の予算案のインフレへの影響を市場が慎重に評価するため、そ
れには時間がかかる可能性があるとも付け加えた。
MINKABU PRESS