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2025年06月12日(木)05時38分

NY外為市況=米CPIが予想下回る

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日本時間午前5時37分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.61 - 0.26 (- 0.18%) 145.46 / 144.33
ユーロ・ドル 1.1486 + 0.0061 (+ 0.53%) 1.1500 / 1.1405
ポンド・ドル 1.3544 + 0.0044 (+ 0.33%) 1.3567 / 1.3465
ドル・スイス 0.8205 - 0.0023 (- 0.28%) 0.8235 / 0.8185
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<きょうの材料>
【米国】
消費者物価指数(CPI)(5月)21:30
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
結果 2.4%
予想 2.4% 前回 2.3%(前年比)
結果 0.1%
予想 0.3% 前回 0.2%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
結果 2.8%
予想 2.9% 前回 2.8%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(4月)21:30
結果 -6.6%
予想 1.9% 前回 -5.3%(-4.1%から修正)(前月比)
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.421%(WI:4.428%)
応札倍率    2.52倍(前回:2.60倍)
*トランプ大統領
・中国とのディールが成立した。
・合意は習氏と私の最終承認次第。
・米国の関税率は55%、中国は10%になる。
*バンス副大統領
・FRBが利下げを拒否するのは金融上の過失。
*ベッセント財務長官
・中国が合意を順守すれば、中国とのバランスを取り戻すことは可能。
・トランプ大統領のおかげでインフレは大幅な改善。
・物価上昇の鈍化をトランプ大統領の政策の成果と評価。
・2025年会計年度予算の赤字は6.5-6.7%になると予測。
・バイデン政権の予算暴走でわれわれは苦しんでいる。
・CPIはまたも素晴らしいインフレ数値を示した。
・24時間のウィンドウは債券市場を見る上で不適切な方法。
・10年債利回りは今年低下。
・今年の利回りはドイツ、日本が上昇、米国は低下。
・税制法案が米国の債務を増大させるかはまだ不明。
・税制法案がすべての人に恩恵をもたらすかは現時点で不明。
・債務のXデーは変動する目標。
・Xデーは夏の中頃から後半にかけてと見ている。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
RICS住宅価格指数(5月)08:01
予想 -2.8% 前回 -3.0%
鉱工業生産指数(4月)15:00
予想 -0.6% 前回 -0.7%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.7%(前年比)
製造業生産高(4月)15:00
予想 -0.6% 前回 -0.8%(前月比)
予想 0.5% 前回 -0.8%(前年比)
商品貿易収支(4月)15:00
予想 -206.00億ポンド 前回 -198.69億ポンド
貿易収支
予想 -44.00億ポンド 前回 -36.96億ポンド
【米国】
生産者物価指数(PPI)(5月)21:30
予想 0.3% 前回 -0.5%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.4%(前年比)
予想 0.3% 前回 -0.4%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
予想 3.1% 前回 3.1%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
新規失業保険申請件数(06/01 - 06/07)21:30
予想 24.0万件 前回 24.7万件
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 きょうのNY為替市場、この日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)を受けてド
ル安が優勢となった。ドル円は145円台に上昇していたが、一時144円台前半に下
落。米CPIは予想を下回り、市場では年内2回の米利下げ期待が復活。9月利下げの
期待も確率を高めている。
 ただし、FRBは関税の物価への影響を気にしており、利下げへの慎重姿勢に変化は
ないものと見られている。来週のFOMCに向けて、委員は今週から発言を控えるブラ
ックアウト期間に入っているが、今後の動向を更に確認したい意向と見られている。米
CPIのデータからエコノミストは、FRBが重視しているPCE価格指数は前回から
上昇が見込まれるとの推計も出ていた。
 ロンドンで2日間に渡って行われていた米中協議が終了し、機微な製品の流通を再活
性化させる枠組みを策定した。トランプ大統領は投稿で、「中国とのディールが成立し
た。合意は習氏と私の最終承認次第」と述べた。また、米国の関税率は55%、中国は
10%になるとも述べていた。市場はいまのところ、関税自体には落ち着いた反応を示
している。関税の影響が実体経済にどう反映されるかを当面は確認したい意向のよう
だ。
 ユーロドルは1.15ドルを試す展開となっている。1.15ドル台には売りオーダ
ーも厚く観測されているが、突破できれば、4月21日に付けた2021年11月以来
の高値1.1575ドル付近を試す動きが期待される。
 ドル離れが指摘されている中、ユーロはその代替として期待されているが、ECBが
11日に発表したユーロの年次評価によると、全通貨に占めるユーロのシェアは19%
で、前年とほぼ変わらず。外貨準備に占める比率も16%に留まっている。なお、金が
外貨準備の20%を占め、ユーロを抜いた。ドルは46%で緩やかな減少傾向を継続。
 トランプ大統領のホワイトハウス復帰後、不安定な政策運営を背景にドルへの信頼が
低下しているとして、欧州当局者の間では、圧倒的なドルの地位を揺るがす好機との期
待が高まっていた。今回のECBの報告はその期間は含んでいないものの、ドルとユー
ロの差が依然として大きいことを明示している。
 ポンドドルは1.35ドル台半ばまで買い戻された。きょうの上げで21日線がしっ
かりとサポートされており、上向きの流れを堅持している。目先は5日に付けた202
2年2月以来の高値1.3615ドルが意識される。
 本日はリーブズ英財務相が議会に歳出見直しを提示していた。手頃な住宅建設への3
90億ポンドの投入や、インフラ整備への1130億ポンドの追加投入、今後3年間は
国民保険サービス(NHS)を実質で毎年3%の過去最大の増額実施などが盛り込まれ
ていた。
 これに対して、増税は避けるべきとのコメントも出ていたが、エコノミストからは、
増税が必要かどうかではなく、どの程度の増税が必要かが焦点との指摘が出ている。公
共サービスへの圧力と有権者の歳出増加要求を考えると、実質的な予算削減は事実上不
可能と指摘。生産性に関する予算責任局(OBR)の予想の下方修正により、英政府は
増税を余儀なくされる可能性があり、さらに英中銀による追加利下げの可能性も高まる
と述べた。
MINKABU PRESS