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2025年06月11日(水)05時32分

NY外為市況=144円台後半

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.90 + 0.33 (+ 0.23%) 145.29 / 144.40
ユーロ・ドル 1.1422 0.0000 ( 0.00%) 1.1448 / 1.1373
ポンド・ドル 1.3499 - 0.0052 (- 0.38%) 1.3564 / 1.3456
ドル・スイス 0.8228 + 0.0010 (+ 0.12%) 0.8242 / 0.8204
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<きょうの材料>
※経済指標
主な発表はなし
*米3年債入札結果
最高落札利回り 3.972%(WI:3.968%)
応札倍率    2.52倍(前回:2.56倍)
*2日日の米中協議、まだ交渉が続く
 ロンドンで開催されている2日目の米中協議は、現地時間の夕方になってもまだ交渉
が続いている。両国は主要なハイテク製品や工業製品の輸出で合意を目指し、貿易戦争
の激化を回避したい考えだ。両国は事務的な詰めの作業を行っており、協議は夜遅くま
で続く可能性があるという。
*次期FRB議長、ベッセント財務長官も候補の1人との報道も
 来年の5月でパウエルFRB議長は任期満了を迎えるが、続投はまずないと見られて
いる中、次期FRB議長候補探しが始まっているとの観測も出ている。その候補の1人
にベッセント財務長官も入っているという。ただし、現時点ではまだ、議長候補の正式
な面談は開始されていないという。
*5月の米中小企業景況感、今年初めて前月上回る
 全米自営業連盟(NFIB)がこの日に発表した5月の中小企業楽観度指数は、前月
よりも3ポイント高い98.8となった。企業が経済見通しに対してやや楽観的な姿勢
を強めたことが背景にある。調査項目10項目のうち7項目が改善し、中でも「今後の
ビジネス環境」や「実質売上高」に対する期待が大きく、押し上げ要因となった。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
国内企業物価(5月)08:50
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 3.5% 前回 4.0%(前年比)
【米国】
消費者物価指数(CPI)(5月)21:30
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.3%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
予想 2.9% 前回 2.8%(コア・前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(4月)21:30
予想 1.9% 前回 -4.1%(前月比)
月例経済報告(6月)
ECB賃金トラッカー(第1四半期)
米10年債入札(390億ドル)
英政府支出見直し案公表
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 きょうのNY為替市場、ドル円は再び145円台を回復する展開が見られたものの維
持できなかった。東京時間には日銀の植田総裁の発言を受けて一旦145円台に乗せた
ものの、海外時間にかけて、高値を維持できずに伸び悩む展開が見られていた。ただ、
下値での押し目買い意欲も出ているようで、144円台半ばの水準を維持する中、再び
上値を試した。
 米中協議が現在もロンドンで続いており、その結果を待ちたい雰囲気も強い。短期的
にはドルの買い戻しから、ドル円も上値追いが期待されているものの、下値警戒感も依
然根強い。ストラテジストは、日銀の正常化を背景に、年後半にドル円は140円を下
回る可能性があると指摘。足元ではドル買い戻しと伴に円は弱含んでいるが、当面のド
ル円は140-148円の広いレンジで推移すると見ているようだ。
 日米両国が貿易協議で原則合意に達した場合、7月の参議院選挙後には、日銀が正常
化目標を見直す上で、より明確な見通しを得られる。また、米経済の減速とFRBの利
下げ期待復活も、ドル円の上値を圧迫すると見ているようだ。
 ユーロドルはロンドン時間の早朝に1.13ドル台に下落していたが、NY時間にか
けて1.14ドル台に戻す展開。ただ、全体的には次の展開待ちで1.14ドル付近で
の上下動が続いている状況。上値は重くなって来ているものの、21日線の上はしっか
りと維持しており、もう一段の上値追いへの期待は温存されている。
 先週のECB理事会後の会見でラガルド総裁は、利下げサイクルは完了に差し掛かっ
ているとの見解を示していた。ただ、市場は先週で終了とはまだ見ておらず、年内にも
う1回の利下げで終了と見込んでいる。本日も何人かのECB理事の発言が伝わってい
たが、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「必要に応じて迅速に金利を調整する用意があ
る」と述べ、選択肢はオープンにしている。ただ、ECBの利下げ終了接近はユーロの
下値をサポートしているようだ。
 ポンドドルはロンドン時間に1.34ドル台半ばまで下落し、21日線に接近したも
のの、NY時間にかけて1.35ドル台に戻した。
 本日は英雇用統計が発表され、英中銀の利下げ期待が高まった。5月の英有給従業員
月次変化が5年ぶりの減少幅を記録し、賃金上昇率も予想以上の鈍化となった。
 短期金融市場では年内に2回の追加利下げの可能性を高めている。リーブス財務相に
よる増税が、企業の人件費負担を高めたことが背景。
MINKABU PRESS